店が終ると、妻が用事で出かけてしまった。
職を辞してからは、夫婦一緒の行動が多い。自分が用事で出かける時は感じないのだが、一人残されると妙に寂しいものである。
田舎暮らしなので、映画に行くとか図書館に行くとかそんな環境ではない。
車で出かけた妻が、事故でも起こさないかと心配になる。
運転暦20年の妻もスピード違反で、初めて警察の厄介になった時、金縛りにあったように声も出なかったという。私が同乗していれば、その辺の対応はベテランだ?。
自分の心配を分析すると、妻を心配しているのではなく、置いていかれた自分が寂し過ぎるのである。
本でも読めばいいし、ちょっと早めに酒飲んでもいいが、それも手につかない。
“置かれちまった寂しさに 枯葉は心に降り積もる”
まるで、中原中也の心境だ。妻に先立たれた男の悲哀も実感する。
しかし、この寂しさから逃れなければならないと、必死で考えていたらひらめいた。
「縄文に遊びに行こう」。
※店の前の看板。

車で20分、10月1日にオープンした、隣町の縄文文化交流センターには、350円で土器の製作が出来る体験コーナーがある。
幸いというか、その時間の体験者は私一人である。
指導者はNPO南茅部縄文クラブの会長の、Oさんという女性だ。
Oさん、発掘のアルバイトに参加してから、縄文の魅力に取り付かれてしまったことを、熱く静かに語ってくれた。
自分で土器を発見した時、その土器の輝きに胸が高鳴るそうだ。土器は空気に触れると徐々に変色するという。最初の輝きを見られるという幸福感が、発掘作業の魅力だという。
形は単純だが、このセンターがある南茅部町は、昔からマグロ漁の盛んな土地である。そこで紋様は竹串でマグロの大群を描いた。
「押し引き沈線紋」という手法らしい。
所要時間1時間、たっぷり縄文文化のレクチャーを受けながらの充実した時間だ。それに、何よりも会長のOさんと親しくなれたのが最大の喜びである。
作品は家の持ち帰り1週間ほど乾かしオーブンで30分ほどで完成だという。
「350円で陶芸への入門。縄文土器作り」。
そんなキャッチフレーズで、募集したらと、レクチャーのお礼に、妙なアイディアを提供してきた。
退職後、陶芸教室に通いたいと思う人が多いようだが、費用や工房に足を運ぶには勇気がいる。そんな人にはうってつけなのだ。
350円で陶芸教室に通うのと、まったく同じ体験が出来るのである。
陶芸教室は、よい作品を作ろうと形から入ってしまう。縄文土器は、自分の心のおもむくまま作ればいい。素直な作品の方が魅了的なのである。
夥しい芸術性の高い縄文土器の陳列、そのエネルギーを身体いっぱいに浴び、縄文人になりきって土器作りに挑戦すると、陶芸の原点に触れることができるのである。
※葉の上で作品をつくる。くるくる回るので轆轤の代わりだそうだ。
実際縄文土器の底部には、葉の紋様がある。

帰り道には、縄文世界と文明社会との対峙を感じる“便利”という名のストアーに立ち寄り、ワンコイン・ワインを購入した。
家に帰ると、なんと同時に妻も帰ってきた。
自分の作品を眺めながらの赤ワインも、いいものだ。
縄文人も山葡萄のワインで、同じように作品を眺めたに違いない。
職を辞してからは、夫婦一緒の行動が多い。自分が用事で出かける時は感じないのだが、一人残されると妙に寂しいものである。
田舎暮らしなので、映画に行くとか図書館に行くとかそんな環境ではない。
車で出かけた妻が、事故でも起こさないかと心配になる。
運転暦20年の妻もスピード違反で、初めて警察の厄介になった時、金縛りにあったように声も出なかったという。私が同乗していれば、その辺の対応はベテランだ?。
自分の心配を分析すると、妻を心配しているのではなく、置いていかれた自分が寂し過ぎるのである。
本でも読めばいいし、ちょっと早めに酒飲んでもいいが、それも手につかない。
“置かれちまった寂しさに 枯葉は心に降り積もる”
まるで、中原中也の心境だ。妻に先立たれた男の悲哀も実感する。
しかし、この寂しさから逃れなければならないと、必死で考えていたらひらめいた。
「縄文に遊びに行こう」。
※店の前の看板。

車で20分、10月1日にオープンした、隣町の縄文文化交流センターには、350円で土器の製作が出来る体験コーナーがある。
幸いというか、その時間の体験者は私一人である。
指導者はNPO南茅部縄文クラブの会長の、Oさんという女性だ。
Oさん、発掘のアルバイトに参加してから、縄文の魅力に取り付かれてしまったことを、熱く静かに語ってくれた。
自分で土器を発見した時、その土器の輝きに胸が高鳴るそうだ。土器は空気に触れると徐々に変色するという。最初の輝きを見られるという幸福感が、発掘作業の魅力だという。
形は単純だが、このセンターがある南茅部町は、昔からマグロ漁の盛んな土地である。そこで紋様は竹串でマグロの大群を描いた。
「押し引き沈線紋」という手法らしい。
所要時間1時間、たっぷり縄文文化のレクチャーを受けながらの充実した時間だ。それに、何よりも会長のOさんと親しくなれたのが最大の喜びである。
作品は家の持ち帰り1週間ほど乾かしオーブンで30分ほどで完成だという。
「350円で陶芸への入門。縄文土器作り」。
そんなキャッチフレーズで、募集したらと、レクチャーのお礼に、妙なアイディアを提供してきた。
退職後、陶芸教室に通いたいと思う人が多いようだが、費用や工房に足を運ぶには勇気がいる。そんな人にはうってつけなのだ。
350円で陶芸教室に通うのと、まったく同じ体験が出来るのである。
陶芸教室は、よい作品を作ろうと形から入ってしまう。縄文土器は、自分の心のおもむくまま作ればいい。素直な作品の方が魅了的なのである。
夥しい芸術性の高い縄文土器の陳列、そのエネルギーを身体いっぱいに浴び、縄文人になりきって土器作りに挑戦すると、陶芸の原点に触れることができるのである。
※葉の上で作品をつくる。くるくる回るので轆轤の代わりだそうだ。
実際縄文土器の底部には、葉の紋様がある。

帰り道には、縄文世界と文明社会との対峙を感じる“便利”という名のストアーに立ち寄り、ワンコイン・ワインを購入した。
家に帰ると、なんと同時に妻も帰ってきた。
自分の作品を眺めながらの赤ワインも、いいものだ。
縄文人も山葡萄のワインで、同じように作品を眺めたに違いない。
器用ですね。山の紅葉が似合いそうです。
一度は土器づくりに挑戦してみたいものです。
何もないとのことですが、自然の恩恵を身体いっぱい受け取っておりますね。
素朴で飾らない隣人にも囲まれ、いかにもお幸せそうに見えます。
ごちそうさま!
一抹の男の悲哀といったものが感じられました。
しかし堂々たるおのろけ、お見事であります。
あらら、私がつき合っている男性、すべてではないですかー!全くゥ~。
縄文時代の遺跡はこちらも負けないくらいありまして、私も発掘作業をしたことがあります。
土器の復生補修作業も少し。
こちらの博物館はお茶関係と縄文時代の発掘物で一杯です。
土器作りも行われています。
えいこうさん、いいものをお作りになりましたね。わざわざ似せて縄もようなどにされなかったのがいいと思いました。