小雨降る中、函館市内で開催された、衆議選北海道8区の公開論会を聞いてきた。
歳末も近づき、経済の混迷が続く中での、展望なき解散選挙だ。不況の函館駅前に吹く風も、身震いするほどの寒さだ。
開始までの時間、ちょいと立ち飲み酒屋へ。噂はもっぱら今日の公開討論会のことだ。生活者の視点は、テレビの評論家より的を得ている。各候補の経歴などは、親戚や交友関係、なぜか小さな頃のエピソードまで含まれ、面識のない候補者の人物像に、血が通ってくるようだ。
街中でのインタビューがあるが、取材はこのような場所が、キラリとした情報が得れることを、マスコミ関係者にも知らせてあげたいものだ。
話に引き込まれている間に、ビール大瓶2本、セロリの漬物、湯豆腐で、1,050円の会計になった。
ほのぼのとした巷の政治談議。三波晴夫の「♪チャンチキおけさ」の世界は、永遠に不滅なのだ。
普段の私なら、その話題に入り込んでしまうのだが、このような場所は縄張りや仁義というものがある。よそ者が縄張りに入り込ませてもらっているのだ。私は客が増えるごとに隅に移動し、居場所の確保を許してもらった。
300名限定の会場は、半分ほどしか集まらない。
寒さと小雨のせいではない、今のようなわけのわからぬ政党の乱立に、国民はあきれ返っているからだ。
※函館市消防音楽隊が村にやってきた。心を一つにした良い演奏会だった。声高に火の用心を叫ぶより、音楽が何よりも火の用心を語る。

民主、自民、共産、生活第一の4人の候補、それぞれ発言内容は高得点だ。
この中で、私が成績をつけたら、共産がトップだ。
共産は“ぶれない政治が我が党の特許”と強調する。
戦前戦後を通して、ぶれないというのは果たして有権者の心をつかむだろうか。
時代の変化に応じた政策というのもあるのではないか。イノベーションが足りず古さが目立つと思われてはいないか。
選挙広報は“電通”に頼み、党名を変更し流行語対象の候補にノミネートされるぐらいのキャッチフレーズであれば、大躍進は間違いないと思う。
討論開始前に隣に座った男性に話しかけたら、やけに政治に詳しい方で、4人の候補の特徴をひじょうにわかりやすく、かつ簡明に解説してくれた。
壇上でこの男性が話してくれても、充分なくらいだった。
ということで、討論会直前に貴重な情報が収集でき、討論会の内容から票を入れる候補者も決定した。
会場の近くには、中学の同級生がママをしているスナックがある。
雨宿りにちょいと立ち寄った。
実は昨日、中学の同級生の告別式が私の村であり、私が友人代表で弔辞を読んできたのだ。
ママはそのことを知らなかったので、弔辞の内容を話したら涙を浮かべていた。
彼女は子供の頃から笑顔が素敵だった。漁師の子として生まれ、明るさと気風のよさは天性だ。客は年配者が多いが、誰にも平等に接する。横で眺めていても、彼女が老人施設の理事長になってほしいと思うぐらいなのだ。
私とママの幼馴染が、今日浄土へ旅立った。
「ママ、今夜はK君のために、二人で“北空港”をデュエットしよう」というと「飛行機であの世に旅立つのもいいね、二人の歌で送ってやろうね」・・・。
歌い終えてママと握手をし、外に出た。氷雨が降っていたが、心は妙にあったかかった。
その真夜中、火災報知器が作動し飛び起きた。家中を確認したが異状はない。
きっとK君が、弔辞とママとの歌声のお礼に来たのだろうと思った。
朝刊には、昨夜の討論会が掲載されていた。
でも私は、どの候補に決めたのか判明がつかなくなっていた。
一瞬先は闇というのが、今の我が国の政治なのだろう。
歳末も近づき、経済の混迷が続く中での、展望なき解散選挙だ。不況の函館駅前に吹く風も、身震いするほどの寒さだ。
開始までの時間、ちょいと立ち飲み酒屋へ。噂はもっぱら今日の公開討論会のことだ。生活者の視点は、テレビの評論家より的を得ている。各候補の経歴などは、親戚や交友関係、なぜか小さな頃のエピソードまで含まれ、面識のない候補者の人物像に、血が通ってくるようだ。
街中でのインタビューがあるが、取材はこのような場所が、キラリとした情報が得れることを、マスコミ関係者にも知らせてあげたいものだ。
話に引き込まれている間に、ビール大瓶2本、セロリの漬物、湯豆腐で、1,050円の会計になった。
ほのぼのとした巷の政治談議。三波晴夫の「♪チャンチキおけさ」の世界は、永遠に不滅なのだ。
普段の私なら、その話題に入り込んでしまうのだが、このような場所は縄張りや仁義というものがある。よそ者が縄張りに入り込ませてもらっているのだ。私は客が増えるごとに隅に移動し、居場所の確保を許してもらった。
300名限定の会場は、半分ほどしか集まらない。
寒さと小雨のせいではない、今のようなわけのわからぬ政党の乱立に、国民はあきれ返っているからだ。
※函館市消防音楽隊が村にやってきた。心を一つにした良い演奏会だった。声高に火の用心を叫ぶより、音楽が何よりも火の用心を語る。

民主、自民、共産、生活第一の4人の候補、それぞれ発言内容は高得点だ。
この中で、私が成績をつけたら、共産がトップだ。
共産は“ぶれない政治が我が党の特許”と強調する。
戦前戦後を通して、ぶれないというのは果たして有権者の心をつかむだろうか。
時代の変化に応じた政策というのもあるのではないか。イノベーションが足りず古さが目立つと思われてはいないか。
選挙広報は“電通”に頼み、党名を変更し流行語対象の候補にノミネートされるぐらいのキャッチフレーズであれば、大躍進は間違いないと思う。
討論開始前に隣に座った男性に話しかけたら、やけに政治に詳しい方で、4人の候補の特徴をひじょうにわかりやすく、かつ簡明に解説してくれた。
壇上でこの男性が話してくれても、充分なくらいだった。
ということで、討論会直前に貴重な情報が収集でき、討論会の内容から票を入れる候補者も決定した。
会場の近くには、中学の同級生がママをしているスナックがある。
雨宿りにちょいと立ち寄った。
実は昨日、中学の同級生の告別式が私の村であり、私が友人代表で弔辞を読んできたのだ。
ママはそのことを知らなかったので、弔辞の内容を話したら涙を浮かべていた。
彼女は子供の頃から笑顔が素敵だった。漁師の子として生まれ、明るさと気風のよさは天性だ。客は年配者が多いが、誰にも平等に接する。横で眺めていても、彼女が老人施設の理事長になってほしいと思うぐらいなのだ。
私とママの幼馴染が、今日浄土へ旅立った。
「ママ、今夜はK君のために、二人で“北空港”をデュエットしよう」というと「飛行機であの世に旅立つのもいいね、二人の歌で送ってやろうね」・・・。
歌い終えてママと握手をし、外に出た。氷雨が降っていたが、心は妙にあったかかった。
その真夜中、火災報知器が作動し飛び起きた。家中を確認したが異状はない。
きっとK君が、弔辞とママとの歌声のお礼に来たのだろうと思った。
朝刊には、昨夜の討論会が掲載されていた。
でも私は、どの候補に決めたのか判明がつかなくなっていた。
一瞬先は闇というのが、今の我が国の政治なのだろう。