19日ぶりの出漁になった。
採取時間は朝6時から10時までの、今期最長の時間である。
昆布とウニ採取は2時間が適正な労働時間のようだ。
3時間になると海の中を覗き込んでの仕事なので、集中力が薄れてくる。それに3時間も海に出ていると、風が吹いたり波が出てきたりし、船の操縦にも気を使い身体も疲れてくる。
初めての4時間で心配したが、今年最高の凪に恵まれ、4時間の間は波の状態にも変化がなく、船の操縦はすこぶる楽だった。
今日採取したのは主に「ガゴメ」といわれる、表面が凸凹した昆布だ。
近年、栄養価が高く高血圧の予防効果があるなどの効能が証明されてから、真昆布以上の値がつくようになった。
今日の魚場は活火山恵山から溶岩が海に流れ込んだ、急峻な岩場になっているところだ。
その付近には道がなく、船でなければこれなかったので、私も生まれて始めてみる景色だった。
いつもは民家が見える場所での漁だが、村はずれの岬の裏なのと、始めてみた場所なので、別の町の海で漁をしているようで、不思議な感じがした。
昆布はもちろんたくさんとれたが、アイナメやタナゴなどが船の下を泳ぎ回り、ウニもかなり見えた。
今日は遊覧船に乗って、海底水族館を見学したという感じだった。時間もあっという間に過ぎた。
海の仕事は、波が穏やかなほうがいい。
今現在、午後1時半を過ぎたばかりだが、相変わらず波が静かだ。サーフーも4・5人海にいるが、ボードに乗っているだけで、海上で集まって世間話でもしているようだ。
「政権交代したから、仕事が増えるといいね」なんて、若者は話しているに違いない。
先ほどJALツアーで、群馬県からのお客様が6人来店した。
私が榛名湖で馬に乗ったことや、伊香保温泉に行ったことがあると話をすると、いつごろ行ったのと聞いてきた。
小学校の頃だというと、女性の方が「それじゃ10年前だわね」と言い、みんなで笑った。
お客様もなかなかジョークが冴えている。今日帰るが、函館旅行の2日間は天候に恵まれ、とても楽しかったと話していた。
昨日の新聞では、函館は旅行したいマチで、全国一位になった。
しかし、函館への観光客は減少気味である。
私の村も函館市と合併してから5年になるが、函館観光の一翼を担えるうよう、ともに合併した町と連携し「函館東海岸」の魅力作りをしていきたいと思う。
漁師見習いと共に妻の店のホール係見習いとして、横綱ではないが「不撓不屈」の精神で?頑張るつもりである。