昨夜、葬儀に出席した。
隣の席が、犬好きで笑顔のいい奥さんだった。この奥さんとは、奥さんが犬を連れて散歩をしてるとき、出会うと立ち話をするという間柄だ。田舎の奥さんのわりには、ちょっぴり洒落たジョークを残して立ち去るのだ。会話の楽しみな奥さんである。
半年ほど会ってなかったので「ワンちゃん元気」と尋ねると
「死んじゃったの」と、悲しい顔をした。
周囲にたくさん人がいるので、静かな声で話さなければならない。
おのずとお互い、顔が近づく。
以前から感じていたが、この奥さんは色っぽい雰囲気がある。
俗な艶かしい色っぽさでなく、さっぱりした色気だから、道端での立ち話もできるのだ。
お互いの顔は20センチほどの至近距離だ。
奥さんの黒い瞳が、ワンちゃんの最期を語る。
「膀胱癌だったの・・・」
「最期はとても苦しんで、私も寝ずに看病したの・・・」
「犬でも人間と同じような病気になるのですね・・・」
「あまり苦しむので、かわいそうで・・・」と奥さんは目で、哀れさを表現する。
やがて読経が始まり、会話が途切れた。
「膀胱癌で苦しんだの・・・」という言葉だけが強く印象に残った。
奥さんの瞳が語る悲しみに、私もワンちゃんの痛みがジーンと伝わってきた。
隣の席が、犬好きで笑顔のいい奥さんだった。この奥さんとは、奥さんが犬を連れて散歩をしてるとき、出会うと立ち話をするという間柄だ。田舎の奥さんのわりには、ちょっぴり洒落たジョークを残して立ち去るのだ。会話の楽しみな奥さんである。
半年ほど会ってなかったので「ワンちゃん元気」と尋ねると
「死んじゃったの」と、悲しい顔をした。
周囲にたくさん人がいるので、静かな声で話さなければならない。
おのずとお互い、顔が近づく。
以前から感じていたが、この奥さんは色っぽい雰囲気がある。
俗な艶かしい色っぽさでなく、さっぱりした色気だから、道端での立ち話もできるのだ。
お互いの顔は20センチほどの至近距離だ。
奥さんの黒い瞳が、ワンちゃんの最期を語る。
「膀胱癌だったの・・・」
「最期はとても苦しんで、私も寝ずに看病したの・・・」
「犬でも人間と同じような病気になるのですね・・・」
「あまり苦しむので、かわいそうで・・・」と奥さんは目で、哀れさを表現する。
やがて読経が始まり、会話が途切れた。
「膀胱癌で苦しんだの・・・」という言葉だけが強く印象に残った。
奥さんの瞳が語る悲しみに、私もワンちゃんの痛みがジーンと伝わってきた。