テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 機智と、機転と? ~

2023-01-26 21:45:16 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむッ! うごかないィ~ッ!」

「がるる!ぐる~!」(←訳:虎です!窓が~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今朝は昨日より一段と冷え込んだ東京・多摩地域は、

 窓が凍りついて開かない!

 結露が氷の粒に!

 戸外ではバケツの水が完全な氷塊に!

 という具合でした……

 ああもう早う温かくなっておくれと溜め息しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 怪盗ロータス奇譚 ――

 

 

 著者は三木笙子(みき・しょうこ)さん、

 2022年11月に発行されました。

 『グランドホテルの黄金消失』と副題が付されています。

 人気の《帝都探偵絵図》シリーズから生まれた

 スピンオフ作品集ですよ。

 

「むかしィ~むかしィ!」

「ぐるがる?がるぐる?」(←訳:明治かな?大正かな?)

 

 それは、東京が帝都と呼ばれていた頃のこと。

 人びとが頻りと噂しておりましたのは、

 《怪盗ロータス》

 という、大泥棒の仕事ぶりでございました。

 

 なぁんて、ちょっと江戸川乱歩さん風に

 お喋りしたくなってしまうのは、

 怪盗などという

 絶滅危惧種さんが主人公になっているためでしょうか。

 

「むふふゥ! かいとうのォ、しょうたいはァ~…」

「がるぐるる!」(←訳:この二人組!)

 

 もとは東京地方裁判所検事局の検事であった

 安西省吾(あんざい・しょうご)さん、

 幼馴染みの蓮(れん)さんに勧誘され、

 “転職”してしまったのが、

 《怪盗ロータス》の片腕、でした。

 

 検事から今は泥棒か、

 と自分で自分に呆れる省吾さんの胸中とは反対に、

 《怪盗ロータス》の名は、いえ、悪名は、

 欧州を中心に高まってゆく一方ですけれども……。

 

「たまにはァ、きこくゥ!」

「ぐるるがるるるぐるるる!」(←訳:故国で美味しいゴハンを!)

 

 美味しい新米をパクつくため、

 かどうか分かりませんが、

 蓮さんと省吾さんは久しぶりに帰国し、

 日本初のグランドホテルである

 帝国ホテルに滞在しておりました。

 

 富裕な客が集う帝国ホテルでは、

 今宵も夜会が行われようとしています。

 お招きを受けた二人も

 大広間へ向かおうとしていたそこへ――

 

「どんがらァがッしゃんッ!」

「がるーる!」(←訳:ヒヒーン!)

 

 ホテルの玄関前に現れたのは、

 暴走する馬車。

 

 玄関に激突する寸前、

 馬車はかろうじて止まり、

 ああ、よかった、

 と居合わせた人々が安堵したのも束の間でした。

 

 翌朝になって判明したのは、

 馬車からホテルの地下室へ運び入れた金塊が

 きれいさっぱり消えちゃった……?!?

 

「あはァ! きんかいィ!」

「ぐーるる!」(←訳:ゴールド!)

 

 ホテルの役員さんが頼ったのは、

 警察ではなく、蓮さんでした。

 

 《怪盗ロータス》どころか、

 海外で大成功したマジシャンと思われている彼に

 金塊消失の謎を解いてもらおう!

 と考えたんですねえ。

 

「むふふゥ! こォ~んなァとりッくゥ!」

「がぅるるる!」(←訳:チョロいぜ!)

 

 古き佳き《泥棒だけど探偵も》スタイルは、

 モーリス・ルブランさんの

 《アルセーヌ・ルパン》シリーズを

 彷彿とさせます。

 はたして、金塊はどこに?

 

 短編5作品から成る連作ミステリは、

 《帝都探偵絵図》未読の方々にも愉しめますよ。

 せかせかせず、

 どこかのんびりムードのミステリを、

 エンタ好きな活字マニアさんは

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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