テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《シャーロッキアン》諸氏は、ぜひ。

2019-08-25 23:15:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 えェッ? もうゥなつやすみィおわりィ???」
「がるる!ぐるがるぐぅるるる!」(←訳:虎です!まだ9月じゃないよ!)

 こんにちは、ネーさです。
 県や地域によっては
 25日の月曜日から新学期、というところも
 あるのだそうですね。
 そこで本日の読書タイムは、
 あ~あ……もう楽しい夏休みはお終いかぁ~…
 と、気落ちしている方々のために、
 凝った仕掛けが盛りだくさんの
 こちらのユニークな御本を、さあ、どうぞ~♫



   ―― ごきげんいかが、ワトスン博士 ――


 
  

「ふァいッ! ↑こッちはァ、じょうかんッ!」

  

「↑ぐっるるがるぐる!」(←訳:↑こっちは下巻です!)

 著者はキャロル・ネルソン・ダグラスさん、
 原著は1992年に、日本語版は2019年6月に発行されました。
 英語原題は『IRENE AT LARGE』、
 かの《名探偵》さんを愛するミステリ好きさんには
 既にお分かりのことでしょうが――

「ほーむずゥさんのォ!」
「がるるぅーるぅ!」(←訳:パスティーシュ!)

 名探偵ホームズさんを熱烈に信奉する
 《シャーロッキアン》さんたちには
 “自明の理”とされている事柄が
 幾つかあります。
 それは、先ず……

 ホームズさんの物語は、
 ノンフィクション!

 つまり、『冒険』や『事件簿』に記されている出来事は、
 現実に起こった事件の記録なのだ!

 ということと――

「ぷふふッ♪」
「ぐるるっ♫」

 えへん、そしてですね、

 事件の記録者・ジョン・H・ワトスン博士も、
 探偵シャーロック・ホームズさんも、
 実在の人物である!

 え? なんですって?
 アーサー・コナン・ドイル卿?
 著者はドイルさんでしょ、ですって?

 いいえ、ドイルさんは著者ではなくて、
 ワトスンさんの代理人、
 いわゆる出版エージェントさん、なんですよ。

「くすくすッ♪」
「がるるるっ♫」

 以上が、《シャーロッキアン》の基礎知識、というか、
 忘れてはならない基本のスタンスです。

 そうして、この御本の著者・ダグラスさんも、
 同じように考えました。 

 ホームズさんもワトスン博士も、
 物語中で活躍する他のキャラクターさんたちも、
 ちゃあんと実在するんだから、
 もちろん、
 “彼女”も実在する――

 そう、実在するのだ、
 歌姫アイリーン・アドラー嬢も!

「よきィ、らいばるゥ!」
「ぐるる!」(←訳:好敵手!)

 1889年、夏。
 ボヘミア王との醜聞にまつわるゴタゴタを
 巧みにやり過ごしたアイリーン・アドラーさんと
 ゴドフリー・ノートンさん夫妻は、
 パリ近郊に暮らしていましたが、
 或る日、奇妙なトラブルに巻き込まれます。

「きゃわッ! びょうにんッ?」
「がるるぐる!」(←訳:怪我人かも?)

 パリの路上で倒れたその男は、
 アイリーンさんたちに介抱され、
 ひとりのお医者さんを探していると
 打ち明けます。

 お医者さんの名は、ワトスンさん。
 軍医の、ワトスンさん。
 
「わァおッ!」
「ぐるっ!」(←訳:出たっ!)

 軍医のワトスンさんって、あのワトスンさん?
 あのワトスンさんなのだとしたら、
 またなぜ、探そうとしているのか?

 アイリーンさんと友人たちは、
 倒れた男性に協力し、
 調査に取り掛かるものの――

「くんくんッ! きけんなァ、においィ!」
「がるぐるるる!」(←訳:注意しないと!)

 19世紀末のパリに、ロンドンに展開する
 もうひとつの《探偵物語》は、
 著者・ダグラスさんによる
 《アイリーン・アドラー》シリーズの第3作です。

 シリーズ前作を読んでいなくても
 けっこう楽しく読めちゃいますので、
 ミステリ好きな活字マニアさんは
 挑戦してみてくださいね。
 また、下巻の巻末の、
 北原尚彦さんによる解説も必読ですよ。
 本編の物語と併せて、ぜひ♪
 
 

 
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