テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 小さな光に ―

2019-08-02 22:24:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みずまくらッ!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!冷えピタ!)

 こんにちは、ネーさです。
 アイスクリームを1ガロン!と、
 “涼しくなれるものクイズ”合戦をしながら、
 さあ、猛暑を忘れさせる読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアンソロジー作品を、どうぞ~♪

  


 
         ―― 運命の恋 ――



 編者は瀧井朝世(たきい・あさよ)さん、2019年6月に発行されました。
 著者は収録順に(せーの!)、
 村上春樹さん、角田光代さん、山白朝子さん、
 中島京子さん、池上永一さん、唯川惠さん、
 『恋愛小説傑作アンソロジー』と副題が付されています。

「わほッ! むらかみィさんッ!」
「ぐるっるるぅ!」(←訳:目立ってるぅ!)

 そうなのよね、
 御本のいちばん初めに収録されている、ということだけでも
 目立ってしまっている村上さんの作品は、
 
 『四月のある晴れた朝に
  100%の女の子に
  出会うことについて』。

「だいめいィはァ、ながいィ~けどォ」
「がるぐる!(←訳:短編です!)

 村上さんのファンの方々にはよく知られているこの作品は、
 題名の長さに反して、
 たった8ページ――
 文庫本にしてたった8ページ分という、
 短編小説です。

 しかし、研ぎ磨かれたその文章、その世界は、
 或る映画作品に大きな影響を与えました。

「えいがッ??」
「ぐるがる??」(←訳:何の映画??)

 この御本の巻末の、
 編者・瀧井さんによる『解説』では、
 村上さんのこの作品と
 新海誠さん監督作品『君の名は。』(2016年)の
 類似性が挙げられています。

 新海さん御自身も、
 村上さんの作品から影響を受けている、と
 話しているんですって。

「ふむゥ~、そうゥいわれればァ~…」
「がるるるぐる!」(←訳:共通項がある!)

   すれちがい。

   100%の女の子が/男の子が、
   すぐ横を歩いてゆくというのに、
   完全無欠の恋人がそこに、
   手を伸べれば届く距離に彼女/彼はいるというのに、
   届かない。
   止まれない。
   どんどん遠ざかってゆく。

   このまま、見失ってしまうのか――

 そんな不安と幻滅、
 抗いようのない諦めと、
 それでも消えることはない小さな光を灯す物語は、
 恋愛小説……というよりも、
 確かに壮大なSFに近い、
 とも思えますね。
 
「ごほんのォ、ひょうしィ!」
「ぐるるがるぐる!」(←訳:映画の場面だよ!)

 はい、御本のガバー画には、
 新海さんの『君の名は。』のシーンが使われています。

 はたして、現在公開中の新海さんの新作『天気の子』も
 村上さんの作品から影響を受けているのでしょうか?

「そうゥなのかなッ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:訊いてみたいね!)

 村上さんの作品に続いては、
 角田光代さんの『誕生日休暇』、
 山白朝子さんの『布団の中の宇宙』、
 中島京子さんの『おさななじみ』、
 池上永一さんの『宗教問題』、
 唯川恵さんの『僕の愛しい人』と、
 いずれも“一筋縄ではゆかない”ドラマが揃っています。

 短くとも、
 長く余韻の尾を引く6つの恋物語を、
 皆さま、ぜひ♪
 

 
コメント
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