「こんにちわッ、テディちゃでス!
うおおッ、かみなりィ~!」
「がるる!ぐるがるっ!」(←訳:虎です!豪雨来たっ!)
こんにちは、ネーさです。
雷鳴――
ワンコと愛犬家さんにとっては大いなる天敵ですね。
遠くでゴロゴロという音がし始めたら、
さあ、テーブルの下に避難した愛犬家さん&ワンコたち、
そして活字マニアさんたちも、
こちらの御本で、しばし楽しいひとときを、どうぞ~♪

―― 毛玉堂 ――
著者は泉ゆたかさん、2019年7月に発行されました。
《お江戸けもの医》と副題が付されています。
「たしかにィ、けだまッ!」
「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:コロコロしてるねぇ!)
おとないちあき さんによって描かれた表紙装画の、
コロッコロな仔犬たちの、なんと可愛らしいことでしょう。
こんな風に、白・黒・茶色のワンコたちが
嬉しそうに遊びまわっているのは、
《毛玉堂(けだまどう)》の庭先です。
毛玉……という名前、いえ、屋号から、
愛犬家さんも愛猫家さんも、
ええ、もう分かっちゃってますよね、
ここは――
「どうぶつゥびょういんッ!」
「がるるるるる~!」(←訳:獣医さんの家~!)
お江戸のむかし、
獣医という言葉はなく、
犬医者、という呼び方をしていたようです。
お城には馬医者さんもいたでしょうし、
都会を離れて田舎へ行けば
牛のお医者さんもいたでしょうか。
《毛玉堂》のあるじ、
吉田凌雲(よいだ・りょううん)さんは、
もともと人間相手のお医者さんでした。
けれど、ある出来事をきっかけに
“ヒトの医者”から
“動物のお医者さん”へと
転身することになったのです。
「すてられてェいたのでスゥ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:白いワンコが!)
荒縄で、庭の生垣につながれていたのは
白い犬。
肌は赤く腫れ、
ところどころ毛が抜け、
手足は痩せ細って、
ひどい有り様。
凌雲さんと、妻の美津(みつ)さんは
心をこめて白い犬の世話をし、
白太郎と呼ばれるようになったワンコは、
賢く、情の深い忠犬に生まれ変わりましたが。
「ひゃあッ! またァでスよッ!」
「がるぐるるぅるる!」(←訳:庭にワンニャンが!)
この家ならば、
行き場のない動物を喜んで引き受けてくれる、と
噂になって。
仔犬が、
仔猫が、
立て続けに庭先に放り込まれる事態に?
さらに、美津さんの友人・お仙ちゃんは
人間の子どもまでをも……?!?
「ちょちょちょッとォ~!」
「ぐるがるるるぅ!」(←訳:それダメでしょ!)
優しい美津さんもこれには怒りました。
怒りましたが、
威勢のいいお仙ちゃんになんとな~く押し切られ、
善次と名乗ったその子を
《毛玉堂》で預かる羽目になってしまったんです。
「あまァ~いィ!」
「がるるる!」(←訳:甘過ぎる!)
生類憐みの令は既に無く、
人と動物たちがの~んびり共存していた
明和5年(1768年)。
《毛玉堂》にやって来るワンニャンたち、
お江戸でいちばんの別嬪と評判のお仙ちゃん、
うさぎマニアの画師・春信さん、
小さな善次くんも実は……と、
江戸アート好きさんをニヤリとさせる
あの人&この人が登場する
お江戸版“動物のお医者さん”は
短編5作品から成る連作ミステリでもあります。
動物好きさんも
時代小説好きさんも、
もちろんミステリ好きな活字マニアさんも、
ぜひ、一読してみてくださいね♪
うおおッ、かみなりィ~!」
「がるる!ぐるがるっ!」(←訳:虎です!豪雨来たっ!)
こんにちは、ネーさです。
雷鳴――
ワンコと愛犬家さんにとっては大いなる天敵ですね。
遠くでゴロゴロという音がし始めたら、
さあ、テーブルの下に避難した愛犬家さん&ワンコたち、
そして活字マニアさんたちも、
こちらの御本で、しばし楽しいひとときを、どうぞ~♪

―― 毛玉堂 ――
著者は泉ゆたかさん、2019年7月に発行されました。
《お江戸けもの医》と副題が付されています。
「たしかにィ、けだまッ!」
「ぐるるるがるるるぅ!」(←訳:コロコロしてるねぇ!)
おとないちあき さんによって描かれた表紙装画の、
コロッコロな仔犬たちの、なんと可愛らしいことでしょう。
こんな風に、白・黒・茶色のワンコたちが
嬉しそうに遊びまわっているのは、
《毛玉堂(けだまどう)》の庭先です。
毛玉……という名前、いえ、屋号から、
愛犬家さんも愛猫家さんも、
ええ、もう分かっちゃってますよね、
ここは――
「どうぶつゥびょういんッ!」
「がるるるるる~!」(←訳:獣医さんの家~!)
お江戸のむかし、
獣医という言葉はなく、
犬医者、という呼び方をしていたようです。
お城には馬医者さんもいたでしょうし、
都会を離れて田舎へ行けば
牛のお医者さんもいたでしょうか。
《毛玉堂》のあるじ、
吉田凌雲(よいだ・りょううん)さんは、
もともと人間相手のお医者さんでした。
けれど、ある出来事をきっかけに
“ヒトの医者”から
“動物のお医者さん”へと
転身することになったのです。
「すてられてェいたのでスゥ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:白いワンコが!)
荒縄で、庭の生垣につながれていたのは
白い犬。
肌は赤く腫れ、
ところどころ毛が抜け、
手足は痩せ細って、
ひどい有り様。
凌雲さんと、妻の美津(みつ)さんは
心をこめて白い犬の世話をし、
白太郎と呼ばれるようになったワンコは、
賢く、情の深い忠犬に生まれ変わりましたが。
「ひゃあッ! またァでスよッ!」
「がるぐるるぅるる!」(←訳:庭にワンニャンが!)
この家ならば、
行き場のない動物を喜んで引き受けてくれる、と
噂になって。
仔犬が、
仔猫が、
立て続けに庭先に放り込まれる事態に?
さらに、美津さんの友人・お仙ちゃんは
人間の子どもまでをも……?!?
「ちょちょちょッとォ~!」
「ぐるがるるるぅ!」(←訳:それダメでしょ!)
優しい美津さんもこれには怒りました。
怒りましたが、
威勢のいいお仙ちゃんになんとな~く押し切られ、
善次と名乗ったその子を
《毛玉堂》で預かる羽目になってしまったんです。
「あまァ~いィ!」
「がるるる!」(←訳:甘過ぎる!)
生類憐みの令は既に無く、
人と動物たちがの~んびり共存していた
明和5年(1768年)。
《毛玉堂》にやって来るワンニャンたち、
お江戸でいちばんの別嬪と評判のお仙ちゃん、
うさぎマニアの画師・春信さん、
小さな善次くんも実は……と、
江戸アート好きさんをニヤリとさせる
あの人&この人が登場する
お江戸版“動物のお医者さん”は
短編5作品から成る連作ミステリでもあります。
動物好きさんも
時代小説好きさんも、
もちろんミステリ好きな活字マニアさんも、
ぜひ、一読してみてくださいね♪