テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 昔のまま、の《猫童話》 ~

2019-08-22 23:11:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうはァ、にゃァ~にゃァ~でスからァ~」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!猫の日だよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 2が2つ並ぶ今日22日はネコの日……いえいえ、
 正確には、猫の日は2月22日ですね。
 もっともこれは日本だけのことで、
 米国は10月29日、ロシアは3月1日、
 欧州では2月17日がWorld Cat Dayなのだそうです。
 本日の読書タイムは、
 そんな風に世界中で愛されている猫たちをテーマにした
 こちらのご本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
     ―― 人間を幸せにする 猫の童話集 ――



 編者はジョン・リチャード・スティーブンスさん、
 原著は1993年に、画像の日本語版は2018年12月に発行されました。
 英語原題は
 『THE KING OF THE CATS AND OTHER FELINE FAIRY TALES』、
 題名の通り、猫が登場する童話や昔話を集めた
 《猫アンソロジー》作品です。

「せかいのォ、あちらァこちらァにィ~!」
「ぐるるがる!」(←訳:猫伝説あり!)

 そうね、目次のページを見てみますとね、
 こんなにいろんな国で猫の物語が受け継がれているのかと、
 ちょっとビックリさせられますよ。

 イタリア、フランス、ノルウェー、
 イングランド、スコットランド、
 アイスランド、アイルランド、ドイツ、
 インド、オランダ、北アメリカ、
 そして日本でも。

「まずはァ、あのォゆうめいィなァ~」
「がるるるぐる!」(←訳:長靴くんから!)

 編者・スティーブンスさんによる
 プロローグ『猫の目の不思議』に続く本文は、
 題材ごとに8つのパートで構成されています。

 1は『《長靴をはいた猫》の誕生』、
 2は『猫の王は、誰だ?』
 3は『ディック・ホイッティントンと猫の物語』、
 4は『グリム童話の猫たちの旅』、
 5は『日本の忠義な猫たち』、
 6は『猫と玉に変えられた人間』、
 7は『わが道をゆく猫たち』、
 8は『人間の運命を変えた猫たち』。

 このうち、
 世界に最もよく知られているのは
 《長靴をはいた猫》でしょうか。

 猫とかかわることで
 主人公が出世してゆく物語は、
 訳者・池田雅之さんによれば、

 《はずれ者である弟と
  役立たずの猫が
  力を合わせて大成功するという、
  昔話によくあるパターン》

 とのことです。

「ふァいッ! あッ!というゥまのォ~…」
「ぐるがる!」(←訳:栄誉栄達!)

 トントン拍子に陽のあたる坂道を昇ってゆく
 《長靴をはいた猫》は、
 フィクション作品なんですけれども。

 この御本には、同じように、
 猫がきっかけで大躍進!
 しかも、ほぼノンフィクション!
 という作品も収録されています。
 
 そう、本文72ページ、
 『ディック・ホイッティントンと猫』ですよ。
 
「こちらもォ、ゆうめいィ!」
「がるるるぐるるるるる!」(←訳:ロンドン市長さんの猫!)

 リチャード・ホイッティントン卿(1385~1423)は
 実在した人物であり、
 ロンドン市長を3回務めた、というのも
 事実です。

 ただし、物語の中のディック・ホイッティントンくんは、
 陽の当たる坂道どころか、
 泥だらけのロンドンの道で
 日々苦闘している孤独な少年です。

 そして、最終的にディック少年の苦境を救うのは、
 猫……だけではなくて、
 彼の周囲の、優しいこころを持った人間たち。

 猫と人間、両方のおかげで、
 ディック少年はロンドン市長への階段を
 堅実に、一段ずつ登ってゆきます。

「おうえんッしたくゥなりまスゥ!」
「ぐるるがぅっるるる!」(←訳:頑張れディックくん!)

 『長靴をはいた猫』の様々なバリエーションや
 『ホイッティントンと猫』について、
 編者・スティーブンスさんは
 正確さを重んじ、
 物語に手を加えることをしなかった、
 と述べています。

 現代人に都合のよいように
 省略されていたり、
 改変されていない、
 昔のままの《昔ばなし》は、
 大人の活字マニア諸氏に、
 もちろん読書好きな少年少女さんにも
 おすすめの一冊です。

 夏休みの終わりに、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 

 
コメント
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