テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 行け、小さなマッチ箱たちよ ~

2019-08-01 22:16:24 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでスゥ!
 ごくごくごくゥ~…ふううゥ!」
「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!がぶがぶがぶ!)

 こんにちは、ネーさです。
 怖ろしい速さで飲料が消化されてゆく真夏……
 飲みものだけでなく、
 グラスも冷凍庫でキンキンに冷やし、
 冷蔵庫から取り出したコーク(カフェインゼロ)を注いだら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― マッチ・ラベル1950s-70sグラフィックス ――



 著者は小野隆弘(おの・たかひろ)さん、2019年4月に発行されました。
 『高度経済成長期の広告マッチラベルデザイン集』と
 副題が付されています。

 著者・小野さんは、
 兵庫県の神戸に生まれ育った御方なのだそうですが、
 その神戸の重要な地場産業というのが――

「あッ、もしかしてッ?」
「ぐっる?」(←訳:マッチ?)

 はい、そうなんです。
 小学生の頃から
 マッチ箱に描かれたイラストに魅了された小野さん、、
 現在は長年かけて収集した
 マッチ箱・マッチラベル・関連資料を展示する私設博物館
 《たるみ燐寸博物館》を開設運営しておられます。

 この御本に掲載されているのは、
 おそらく小野さんのコレクションのほんの一部、
 なんでしょうけれど。

「すッごいィでス!」
「がっるっるぐるるるがるるる!」(←訳:マッチってこんなにカラフル!)

 冒頭の文章『マッチ箱について』では、
 マッチ箱の種類(箱型かブック型か)、
 マッチ箱のサイズ、
 マッチのパーツとカラバリエーション
 といった事項が解説されます。

 そして本文を構成するのは、

 1章『業務別に見るマッチ箱』
 2章『マッチ箱のデザイン』
 3章『特別感のあるマッチ箱』
 4章『今も配布中のマッチ箱』。

「これはァ、おどろきィ!」
「ぐるる~!」(←訳:珍しい~!)

 私たちがイメージするマッチ箱というと、
 そうねえ、昔風の喫茶店やカフェ、
 バーになら置いてあるのかな?くらいのもの、ですけれども。

 1950年代から1970年代、
 高度経済成長期と呼ばれる時代には、
 レストランはもちろん、
 百貨店、
 写真店、
 ホテルにボウリング場、
 タクシーや家電メーカー、
 銀行までもが
 “当店オリジナル”なマッチを作っていた!
 とは知りませんでした……

「ていこくゥほてるゥ!」
「がるるぐーるる!」(←訳:ホテルオークラ!)

 これは美しいわ!と感心したのは、
 銀行のマッチです。

 第一勧業銀行のマッチ箱に描かれているのは、
 ルノアールさんピカソさんマチスさんたちの名画。

 日本勧業銀行のマッチは、
 バラの花をテーマにした連作。

「わふふゥ! これならァ、みんなァ~」
「ぐるるるぅるがるるるる!」(←訳:コレクションしたくなる!)

 余談ですが、
 マッチ箱、と聞いて連想させられるのは、
 アイザック・アシモフさん著
 《黒後家蜘蛛の会》シリーズの第1巻に収録されている
 『行け、小さき書物よ(Go,Little Book!)』
 という短編ミステリ作品です。

 イタリアンレストランでの会食に招かれたゲストさんと、
 ちっぽけなマッチブック。
 そこから導き出される“謎”と“答え”とは?

 私ネーさ、
 色とりどり&形もとりどりなマッチラベルを眺めつつ、
 《黒後家蜘蛛の会》のストーリーを思い出して
 ニヤニヤしてしまいましたよ♪

「せかいじゅうゥにィ、いるんでス!」
「がっるるぐるるるーるる!」(←訳:マッチ箱コレクターさん!)

 美は細部に宿る――いえいえ、
 小さなものに宿る。

 《黒後家蜘蛛》ファンの方々、
 アート好きな方々も、
 華やかで愛らしいマッチ・ラベル博覧会を
 ぜひ体感してみてくださいね。
 おすすめです!
 
 
 

  
 
コメント
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