テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 島影をたずねて ~

2019-08-23 22:31:52 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 きゃぽゥ! にじィ、みましたでス~!」
「がるる!ぐるるがるる~!」(←訳:虎です!ミニ虹でした~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい! 今日の夕方、
 雨上がりの空に虹を見つけましたよ。
 ごく小さな虹でしたので、
 彩雲(さいうん)と呼ぶべきなのかな?
 彩雲は瑞雲(ずいうん)でもあるそうですから、
 きっと何か良いことあるぞ♪とワクワクしながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらのご本を、どうぞ~!
 
  


 
          ―― 幻島図鑑 ――



 著者は清水浩史(しみず・ひろし)さん、
 2019年7月に発行されました。
 『THE BOOK OF VISIONARY ISLANDS IN JAPAN』と英語題名が、
 『不思議な島の物語』と副題が付されています。

「まぼろしのォしまァ、とかいてェ~…」
「ぐるるるるがる!」(←訳:げんとうと読む!)

 《幻島(げんとう)》とは。

 それは、はかなげで、稀少性のある、小さな島である、
 と、著者・清水さんは定義します。
 つまり。

   はかなげ――人口が少ないか、無人島で。

   稀少性――珍しい名称や形、美しさ、特別な歴史を持ち。

   小さい――面積が小さかったり、狭かったり。

 という条件をクリアした島、ですね。

「うむゥ~…はーどるゥ、たかいィでス!」
「がるるぐるる!」(←訳:滅多にないよ!)

 そうねえ、
 “日本の島の数”については
 数え方によって違いがあって、
 およそ4千とも6千8百とも言われているんですけど、
 清水さんが《幻島》として選んだのは、
 17の島。

 御本の前半部分では、
 それら17の島のカラー写真、空撮写真、
 日本のどのあたりに位置しているか、など
 ガイドブック的な情報が記載されています。

 そして、御本の後半部分には、
 『紀行編』として、
 清水さんご自身が島を訪れての
 “見聞録”が収録されています。

「ほッかいどうゥからァ~」
「ぐるがる!」(←訳:沖縄まで!)

 地図には確かにその名があるのに、
 現地にいってみれば、
 どう目を凝らしても見当たらない
 “消えてしまった島”。

 まぁるいフォルムの、
 海底炭鉱の換気用に作られた“人工の島”。

 潜伏キリシタンの歴史を持つ、
 日本でいちばん小さい有人島。

 大きな虹を宿す、
 南の海の、愛らしい小島。

「どれもォ、いいなッ♪」
「がるるるぐるる!」(←訳:良い島と良い旅!)

 とりわけて素晴らしいのは、
 沖縄県の降神島(うるがみじま)訪問記です。
 
 芥川龍之介さんの作品『トロッコ』に託して語られる
 幼い時分の冒険の記憶、
 いまも脳裏によみがえるその映像のあざやかさ――

 すぐにも『トロッコ』を探し出して読みたくなるような、
 旅愁と郷愁ただよう1編ですよ。

「きょうもォ、なみまからァ~…」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:島たちが呼んでいる!)

 遠くに、近くに、
 ぼんやりと、はっきりと、
 浮かび上がる幻の島々。

 地図マニアさんに、
 写真好きな方々や、
 歴史好き&旅好きな方々にもおすすめしたい御本です。
 ぜひ、一読してみてくださいね。
 
 
 
コメント
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