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斜視自動車評議会備忘録

実用車4台による12輪生活と気になるクルマの話題を中心に気になることをぼちぼちと

落橋事故のその後

2007年08月12日 | みちのはなし
ミネソタ州で起きた高速道路上の橋の崩落事故の続報としてこんなニュースがありました。
全米で欠陥のある橋は7万か所

ミネソタ州で起きた高速道路上の橋の崩落事故を受け、アメリカン・ソサエティ・オブ・シビル・エンジニアリングが独自に全米の橋を緊急調査。その結果、同様に構造的な欠陥があり崩落の恐れがある、とされる橋は7万にも及ぶ、と発表された。
自動車ユーザーの団体であるアメリカン・ハイウェイ・ユーザーズ・アライアンスは、「州、連邦政府共に支出を惜しんでなされるべき安全点検を怠って来た」とする非難声明を発表。シビル・エンジニアリングが年間に750億ドルの道路修復費用が必要、と試算を出しているにもかかわらず、連邦政府の道路修理予算は400億ドルにすぎないことなどを指摘した。

以上記事より引用

何か日本の実態もこんな感じなんじゃないのかなと思われますが。。

これを機に日本にかかる橋の安全度(健全度)を一斉に調査してみるのはいかがでしょうか。
悲惨な事故が起きる前に発見・補修(含む架替え)出来たら、それはむしろ利益なのではないでしょうか?

先日、初めて通る道に掛けられている橋の高欄が思いっきり錆びていた。
あまりに綺麗に全体が錆びていたので、ぱっと見では茶系に塗られた鋼製高欄と勘違いするほどでした。
わずかに残る白トビした塗料片から判断すると元色は緑色あったようです。

ひょっとしたら錆びの深度を考えるとまだ問題がない状態や今年度中に補修工事が行なわれるのかもしれませんが・・・
「目に見える部分が荒れているということは目に見えない部分はもっと・・・」なんて詮索をついついしてしまいます。

こういった事業を行なうには国土交通省を始めとした道路管理者と橋梁メーカーが、その必要性をきちんと説明していかないと駄目なんでしょうね。
これまでの国土交通省と橋梁メーカーの関係に端を発した談合問題を踏まえると・・・
「アメリカでの事故を口実に、談合で干上がった橋梁メーカーに新たな仕事を回す口実。」なんて曲解されかねないし、そういったことを叫びそうな有識者(自称)もいそうだしね。

事故が起きてからでは遅いし、甚大な被害は取り返せないものですから。

しかし、アメリカはこういった調査の結果が公表されるのが早いですよね。(相当なご苦労はあったと思われますが。。)

補足
橋梁点検と補修の為に“増税”とか“国債の乱発”なんてのも困りますが、必要なところまで削減するのはもっと困る愚かな事だと思います。

橋は健全なのか

2007年08月05日 | みちのはなし
この1週間の中で、一番衝撃の大きかったニュースはミネアポリスの落橋事故です。
未だに被害状況の全貌が明らかになっておりません。

この様な落橋事故はアメリカだけの話と言い切れるのでしょうか。

現に日本でも公共事業の予算不足により、橋梁の定期点検が行なわれていない都道府県が7、市町村では1500以上もあるそうです。

隅田川に架かる橋のように、日本の橋は耐久性が高いなんて寝ぼけた事は言わないで下さいよ。
あんなに贅沢で丁寧に施工されたのは珍しいケースです。

日本にかかる多くの橋梁は高度成長期前後に急速に施工されたものが多いのです。

橋梁の寿命を50年とすると、その8割近くの期間が過ぎてしまった橋梁が多いのです。

疲労の蓄積や更新時期は同じように訪れるのです。

さらに悪いことに、日本の橋は・・・

経済設計という思想による、部材、工数の縮減を推進し、コストダウンに次ぐコストダウンをすすめました。これ自体は決して悪いことではありません。

許容範囲は狭くなるけれど、設計通りに施工、使用、維持管理が行なわれれば問題はありません。

しかし・・・

ダンピング受注による粗雑施工や粗悪な材料の使用。
過積載車両の通行による、想定外の集中過重による疲労の蓄積。
そして、とどめを刺すかのように、定期点検が行なわれていない。

本当にその橋は安全なもの、日本ではこの様な事態が起きないと言い切れるのでしょうか。

あまりにも速く、安全宣言とも取れるような会見を国土交通省大臣が行なったことに怖さを感じました。

アメリカだって、構造に問題があるのが分かっていても予算がないので、そのままの使用もやむ得ないという対応をとった結果ですよ。。

日本も公共事業の予算がないのは同じです。

ニュースで橋の構造型式や部品名が良くわからないという方は下記サイトがお勧めです。
埼玉県県土整備部技術管理課“インターネット現場見学”(プロが見ても役に立つ!!)

補足
仕事で、橋梁桁下に入った事もありますが・・・
その橋は過積載車の通行による影響で、支承のゴムがせん断しているだけではなく、沓座にクラックがありました。

やはりね

2007年04月11日 | みちのはなし
本日もパーキングエリアから逆走をしたクルマが原因の交通事故がありました。
詳細はこちら

双方の運転者が重傷を負って、順走車の助手席に乗っていた方が不幸にも亡くなってしまいました。

多数の目撃情報が通報されているという事は、逆送中も周りを走行中の車からも何等かなのアナウンスがあったはず。

東名道だったと記憶しておりますが、路面表示や案内標識を充実する事で事故を減らせたというニュースもありました。
もっと全国的に拡がって欲しいものです。

そして、そのときは設計の仕事をしたいです。(ここで私利私欲を出してすべてを台無しにしてみる)

補足
昨日は本当に事故にならなくて良かった。

道路の命名権

2007年02月22日 | みちのはなし
東洋ゴムが箱根ターンパイクのネーミングライツを取得し、3月1日から“、「TOYO TIRES ターンパイク」(トーヨータイヤターンパイク)”と名称変更されるそうです。
当然ですが、道路のネーミングライツは日本初の試みです。
詳細はこちら

面白いので、これを国道や高速道路、地方道に積極的に導入してみてはいかがでしょうか。
国道4号なら“日光街道”に替わる命名権を販売(?)し、その得た収入は道路維持管理費に使用し、公共事業費の歳出削減を実現します。

例えば、栃木県道64号線である主要地方道宇都宮向田線(通称柳田街道)を本田技研あたりに命名権を購入していただきまして・・・
いきなりローカルなネタで申し訳ありませんが、宇都宮市内から芳賀町にある本田技研へ向かう道でして、通勤時間帯はホンダ車による渋滞がおきる“迷所”です。(芳賀町の現場に数ヶ月通ったので、結構ネタにしています。)
ネーミングライツ取得後はラジオの交通情報はこんな感じになります。
「本田技研街道は野高野交差点を先頭に滞りがち。」とか「本田技研街道は柳田大橋を先頭に@@kmの渋滞中。」とか。。
ここまで書いて、道路の命名権は絶対に流行らないことに気が付きました。
だって、名前を連呼されるときって、“渋滞”や“事故通行止め”みたいなマイナスイメージのような情報を提供するときばかりだしね。

妥協点ではありませんが、ネーミングライツ権はバイパス名や橋梁名ぐらいにしたほうが無難かもしれません。
例えば、国道50号の大平高架橋なんていすゞの工場と平行して通っているのだから、“いすゞ高架橋”にしたら、場所もわかりやすくなるような気がします。(これまたローカルネタですみません)

補足
個人的には“箱根ターンパイク”という名前がなくなってしまうのがショックです。
“田辺さんと松任谷さん”をするために初めての東京越えドライブに出かけた場所なので。。

理解され無い事業

2006年12月20日 | みちのはなし
まぁ税金を投入している公共事業を快く思ってい無い方は多いのは事実でしょう。

心の中で思うのは勝手でしょうが、面と向って言うのは如何なものでしょう。
作業着で現場に出れば幾度と無く、“税金ドロボー”といった類の罵詈雑言を浴びる事は多々ありますが、今日のは酷かった。
あれでは完全に放送禁止用語ですよ。
まっとうに仕事をしている人に対しては決していってはいけない言葉でしょう。

確かに自宅の前で工事をやっているのはあまり気持ちのいいものではないのも確かでしょう。

今回の現場は浸水対策事業で、お住まいの自治会から数十年前から嘆願があった事業です。

河川断面を阻害している橋の架け替えに伴う、盤面の嵩上げ工事です。

河川断面を侵さない高さに橋げたを上げることで、洪水時に橋げた表面を水が伝わってこないようにする事で、大雨時には周辺が水浸しになってしまうのも避けられます。

当方は現在行なわれている、橋梁架け替えの施工業者ではなく、取り付け道路の交差点形状の見直しを行なう設計業者です。
今年の渇水期で橋梁の架け替えが終わるそうなので、来年度の予算が付き次第、取り付け道路の改築が行なわれる事でしょう。

最近では予算取りの問題もあってか、工事が細かく分割されて発注される事が多いのです。
以前なら全長2kmぐらいの道路改築は一括工事として出ていたのかもしれませんが、最近では2.3工区に分割されて発注されます。
当然、2.3年度にまたがって工事が行なわれるので、本当は連続なのですが、同じ場所で工事をしているのと思われるのかも知れません。
また、生活道路だと通行止めには出来ないので、片側づつ行ないます。結果としてこれも同じところで長い間同じところで工事をやっている様に感じてしまうのかもしれません。

これも、生活への支障を最小限にするために行なった事なのに・・・これも裏目に出てしまった例です。

道路改築工事は右岸側と左岸側で分割工事になると思います。

補足
今回の現場は河川を堰き止めなくてはならないので、渇水期(11月から5月)にしか出来ない現場です。
橋梁架け替えの工事日数は実質1年分ですが、期間としては2年間必要になってきます。
しかも出水期(6月から10月)の前には河川断面は元に戻さなくてはならないので、足場工や作業所の埋め立てといった準備工は2回行なうので無駄な事にうつるのでしょうね。
広義的には同業者になるので、可能な限り事業に理解を頂くための説明はしました。