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斜視自動車評議会備忘録

実用車4台による12輪生活と気になるクルマの話題を中心に気になることをぼちぼちと

転落事故の発生

2011年02月17日 | みちのはなし
どうやら、本日宇都宮市内の国道123号で転落事故がありました。

橋梁の歩行者転落防止柵を突き破り、9m(報道発表)下の河川敷に転落しました。

当方は、仕事の移動で、芳賀郡方面に向かうためにここを事故が起きて1時間後ぐらいに通ったのですが、その損傷の凄さを見た時に最悪の事態を予想しましたが、運転されていた方は、軽傷で済んだそうです。

突き破ってしまった高欄が歩行者用の転落防止柵と思われている方は少なかったようで、同じ事故現場を見た方から、道路設計をする当方に、「あんなにヤワなの?」といった問い合わせがあったぐらいですから。

そこであれは、歩行者用の転落防止柵で、自動車の衝突荷重を考慮していない歩道橋の高欄程度の強度しかないんだよ。何時ぞやの福岡県で、飲酒運転の車に追突された4WD車が落っこちて、幼児の死亡事故があったところと同じ構造

なんていう説明をしました。

ちなみに、今回の場所に自動車用の防護柵(ガードレールなど)を設ける場合いは、橋のいちばん外側でなく、車道と歩道の境に設置します。
まずは橋梁からの自動車の落下を防ぐためではなく、歩行者との衝突を防ぐ、被害を低減させることのできる位置に設置します。

センター側より文字にしますと…

今回の事故現場:車道⇒路肩⇒縁石(20cm上がり)⇒歩道⇒高欄(歩行者用転落防止柵)
車両用防護柵を設ける場合:車道⇒路肩⇒【縁石】⇒車両用防護柵(ガードレール)⇒歩道⇒高欄(歩行者用転落防止柵)
             ※すみつきカッコ部は設置しない場合あり。。

路面は凍結していたので一概には言えませんが、制限速度もしくは設計速度以下で走っていれば、車道と歩道の間にある縁石の段差で、エネルギーを吸収し、乗り上げない用に設計されているんですけどね。

本日の事故個所は片側二車線の区間で、多くの方は法定速度をオーバーして走っている様な所なので、仮に設計速度(規制速度ではない!)に応じた自動車用防護柵が入っていたとしても、突き破る事になってしまった可能性もあります。

規制速度を見直す時は、こういった施設もすべて見直して、事故が起きてしまった時の安全に対する担保を取らなくてはならないので、自動車の性能を向上を理由だけに安易には言えないです。
必要に応じた安全対策を取ったうえでの制限速度の上限緩和には賛成です。

補足
既存の道路の制限速度を上げるのは大変だよなぁ。。
実態に合わせたという向きもあるのかもしれませんが、道路管理者としては許容オーバーになってしまう施設が有った状態では首を縦に振る事はないでしょうね。
施設の許容オーバーによって被害が生じたり拡大してしまったりしたら、瑕疵責任もあるでしょうし、改修するだけのお金もないでしょうし。

中途半端に降るからこそ必要

2011年02月14日 | みちのはなし
今回は、凄くローカルなネタです。

現在、自宅周辺の積雪深は5cmを超えたと思われます。

当方の地元(栃木県)におけるスタッドレスタイヤについててです。
県北の方なら必需品で間違えないのでしょうが、県央部から県南東部で積雪によって必要になるのは1シーズンで、5~10回程度です。
それゆえに履かないという選択肢をされる方もいますが。。

降ってしまうと、除雪をする様な路線が少ないだけでなく…
幹線道路は比較的早く溶けますが、一本路地に入るとアイスバーン状に凍結し、根雪なることもあります。
また、日向・日陰が目まぐるしく入れ替わるところは、猫の目のように路面状況が変わります。
こんな状況だと、スタッドレスタイヤでも用心が必要なのは当然のことですが、チェーンやオートソックスでは切れてしまうし、ノーマルタイヤでは走るのは危険です。

前日の午後ぐらいから降雪で、未明ぐらいに雨に変わると、新雪の路面がなく、シャーベット状からアイスバーンの路面をいきなり走る事もあります。

日陰の部分だけ、深夜の放射冷却で、空気中の湿気が路面に凍結してしまった時なんかはスタッドレスでも、慎重にならないといけない事もあるのですが。。(これは、積雪地域出身の方がスタッドレスタイヤ履きで、栃木県内で事故を起こす原因だったり。。)

気温が下がる割には、降雪日が少ない、内陸地方というかなり特異な気象条件なのです。


こんな状況ですので、個人的な考えですが、通勤などで毎日車を使う方なら…
別に「最新のブリザック」ではなくても良いですから、自分の予算に応じた範囲で安全側に保険をかける意味合いも兼ねて、スタッドレスに履き替えませんか。

国産ブランドの195/65-15(いちばん売れセンのサイズ)でマルチなホイール付きのセットなら、5万円台前半で探せます。
これを3シーズン使い、脱着をディーラーやスタンドに依頼したとしても、年間2万円ぐらいで、ノーマルタイヤとは比べ物にならない安心は買えますからね。

一度事故を起こしてしまうと、一生かかっても取り返せない事もありますからね。

プリウスを新車で1台弁償し、追突した車の運転手さんが肩が上がらなくなったぐらいで済んだのは、変な言い方ですが、運があると思わなくてはならないとなぁ。

タイヤ屋でもなければ、タイヤ屋からお金も貰っていないのになんだこの提灯感溢れる内容は…

補足
下野新聞(地元紙)の記事によれば、8日から9日の降雪の影響で発生したスリップ事故の内、86%が滑り止め対策をしてい無かったそうです。
まぁ、滑り止め対策をしていたら事故を回避できたかどうかはこの記事からでは分かりませんが、県内のスタッドレスタイヤ装着率は50%以上は有ると思うので、ノーマルタイヤの方が事故リスクは高くなっているようです。
出典
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/news/20110210/455497

水道管の耐震化率

2011年01月17日 | みちのはなし
阪神大震災から、もう16年です。

そんな本日は、朝日新聞の1面に各都道府県庁所在地における、水道管の耐震化率についての話題が一面に取りあげられていました。

ちなみに、耐震化率のワーストワンは栃木県宇都宮市の1.1%です。
低いですが、50%を超える都道府県庁所在地はなく、20%超えも全体の4分の1程度です。

耐震化率は市町村営の水道に対しての調査で、国や都道府県、周辺自治体営といった水道は含まれていないので、実際の敷設延長ベースで考えると異なります。
また、財源の豊かな地方自治体や敷設延長の短い市町村だと県庁所在地よりも、耐震化率が高い事もあると思います。

まぁ、耐震化率の低さは、震災時の消火活動への支障や社会資本の復旧遅れの懸念が出るだけではありません。

記事中の表にもありましたが、水道管の更新が遅れている事や耐用年数の超えた設備が使われている事を示しています。
大阪市の30%超えを初めに、3分の1程度の県庁所在地では、10%以上の水道管が耐用年数を超えています。(ちなみに宇都宮市は3.7%)
個人的には、『不明』と出した長野市は水道設備調書(台帳)がきちんとしていないんでしょうね。
実は、長野市に限らずこういう市町村結構あります。

あと、更新年数という指標がありまして、これは現在の更新ペースで水道管をひと通り更新するのに掛かる年数のことです。

千葉市以外はすべて、耐用年数の40年以上の更新年数になっていました。
100年超が半数ぐらいで、那覇市に至っては2000年(!)となっていました。(ちなみに宇都宮市は303年と悪夢の様な年数)
現実的なペースで更新が進んでいないという事でしょう。

今回は、たまたま水道管にスポットが当たった記事ということです。
その他の社会資本設備も有ります。それらだって、水道と同じ様な問題を抱えています。
水道管の更新ペースを挙げただけでは、震災に強い市町村づくりを出来るという事ではありません。
現在の財政状況や公共事業費を考えると、水道に偏重し、他の社会資本施設の維持更新の足を引っ張った予算配分になってしまうのでしょう。
寸断されてしまったら、水道同様に困る設備だと思います。
橋梁点検の仕事をすると、二度とその橋は渡るまいと思う橋が多々あって、数年前に点検したのに未だに補修工事は行われていないし。。

そもそも、維持更新型の公共事業って進むんですかね。
公共施設のアスベスト問題も結構すったもんだがあったし、学校耐震化の予算は某バラマキ手当の財源に喰われてしまったし。
そして、水道管に限らず更新工事ってクレームが多いんですよ。
「まだ使えているものをなんでわざわざ取り替えるんだ。」とかねぇ。。

補足
宇都宮市内の水道管は結構、石綿管が多いんだよね。
耐震を謳っていない頃の鋳鉄管よりも、地震が来たら割れるよ…

規制速度に思う

2010年06月24日 | みちのはなし
悲しい事に既存の規制を守ろうとする事や規制を厳しくしようとする方は、時代の流れについて来れない硬直化しているように映ってしまいます。

そして、単純明快な理由を提示して規制緩和を訴える方は、ジャンヌ・ダルクよろしくの正義の使者のように映っているます。
紋切り型の啖呵を切っていき、保守派の言葉を詰まらせる姿は、爽快なシーンに見えてしまいます。

ここからは個人的な見解ですが、規制緩和を決断される時には「想定される不利益」を洗いざらいに解決しておく必要があります。
結局、曖昧にしたところが、呼び水になり、トラブルを産み、規制緩和の弊害とか影の部分の原因に成長していきます。

規制を緩和や撤廃する側の方は、たとえ揚げ足を取るようなものであっても、すべての疑問点に対して明解な答えを出すことを求められます。(もちろん、即答である必要はありません。)

今回は、エントリータイトルにもあるように「規制速度緩和」について少々扱いたいと思います。

多くの方は、一般道の規制速度には不満がある事と思います。そして、現状の制限速度+10~30km/hぐらいなら問題なく走れると考えているのではないでしょうか。

おそらくその根拠は、「乗用車の(走行)性能が向上した。」だと思います。

これだけで、多くの道路の制限速度を見直す根拠にはならないという事をご理解いただければ。

ぱッと思いつく不安な点は…
◆天候条件を限った見直しなのでしょうか
◆制動性能はどの程度向上したのでしょうか。
◆危険を認識する速度は向上したのでしょうか。
◆乗用車は道路上を走る交通のひとつであり、すべての交通に対して同様の事が言えるのでしょうか。
◆道路上には古い車も走っておりますが、混走時の安全はどうやって担保するのでしょうか。
◆何割の道路において設計速度に余裕があるのでしょうか。
◆対象とする道路の、平面線形・縦断線形・合成勾配・曲線半径・緩和曲線は見直す規制速度を満たすのでしょうか。
◆舗装構成は見直す制限速度に対応した余裕はあるのでしょうか。
◆ガードレール等の防護施設は、見直す規制速度に対する衝撃に対応しているのでしょうか。
◆歩行者や自転車との分離は可能なのでしょうか?

偉そうなこと書きましたが、個人的には規制速度を守りきれていません。
そんな運転をしているので、何かあったときには「速度オーバーの乗用車」が原因のひとつとして描かれる事でしょう。

規制緩和を望む方は反対されている方を説得するというのは失礼なので、引っ掛かっているものを払しょくすることが、推進派には大切なのではないでしょうか。
規制緩和に反対や疑問を持つ方、現状を維持した方がいいと考えている方は、思考が硬直しているのではなく、不安や疑問点が残っているから、そういった態度を取っているのだと思います。

だって、的を得ていなかったり低次元な事だったりすると、呆れて言葉が詰まる事だってありますからね。

補足
当方は道路設計に関する観点で見て、制限速度を上げる際に腑に落ちない点を挙げたまでです。
道路は乗用車だけが走るものではありません。道路を走るうえで最も不利な条件の車が安全に走る事が出来る速度が設計速度であり、それに準じた速度が規制速度になっている事が多いです。(現実はその限りじゃないんですけどね。)

開通日に通る

2010年04月17日 | みちのはなし
本日の15時に北関東自動車道の岩舟ジャンクション~佐野田沼インターチェンジ間の約5.3kmが開通しました。

これで、北関東道の全通にまた少し近づきました。

個人的にはとても思い深い場所でもあります。

高速道路本体ではありませんが、高速道路にアクセスする県道には、自分の設計したものがあります。(もちろん、佐野田沼インター線の道路本体ではありません。ものすごく微妙なものです。)

その出来栄えを確認する為、開通に合わせて通ってみました。

まぁ高速に乗る前に無事施工されているのは確認できましたが、話のタネに乗ってみました。
乗車区間は、佐野田沼IC~北関東自動車道~岩舟JCT~東北自動車道~栃木都賀JCT~北関東自動車道~都賀ICです。

北関東道が東北自動車道との重複区間で、ややこしくなっている部分を走りました。
2車線が北関東自動車道で3車線が東北自動車道です。

都賀ICで降りたのは、道の駅にしかた~東武金崎駅の周辺はまだ桜が見どころだという情報を仕入れていたので確認してきました。
昨夜から本日未明にかけての雪で、花びらは少し落ちていましたが、葉はでていなかったので、昨日あたりならかなり見どきだったのではないでしょうか。

個人的には本日の開通区間はいろいろと思い出があるところです。
現在の勤め先に内定を頂き、大学4年の夏休み中に研修的なバイトとして召集され、某イネベント会場で北関東道に関するアンケートをとったのですが…
まぁ反対されている方に、アンケート用紙を破かれる、アンケートの主催者を告げると胸ぐらをつかまれてペンを割られる。。
就職してから、高速道路予定地に調査に出かけたら、不審者や自殺志願者として警察や消防に通報されました。
開通してしまえばいい思い出で、新人をからかう時の持ちネタになっています。

補足
開通直後の北関東道には珍しく、Z33のパトカーがいました。
走った時間や方向が悪かったのか、カーナビの地図データ関連やgoogleの車を見かけることはできませんでした。