従順な日本人の目から見ると信じ難いことが、いとも簡単に起きる。
中南米海外勤務の時代に、何度か思い知らされた。
我が家へ通うお手伝いの現地人家政婦が、冷蔵庫の備蓄品を無断で持ち出したり、家具備品を壊したりすることが、侭あった。 日本人とは違って、決して「私が悪かった」とは謝らない。
その際の言い訳が振るっていて、驚くことしばしばあった。 共通する点は、非は自分にはない、勝手に手から滑り落ちたと、場合によっては、神の思し召しに従っただけと、悪びれる様子は全くなし。 その世界では日常茶飯事、特別なことではなかった。
従って、住み込み家政婦は、勿論、通いでも家政婦を雇うことを、日本人はやめてしまう。 現地居住歴の長い日本人、或いは、日系人からは、やめた方がいいと勧められるのがオチだ。
日産元社長の海外逃亡をニュースで知って、然もありなんと驚くこともなかった。 行動の正否を言っているのではない。
レバノンで生まれ?ブラジルを始めその様なラテン世界の修羅場で育ち、くぐり抜けてきた人間には、ある意味で自然なことにみえるが。 ガラパゴスの日本人の様に従順ではない。 ただ、最近の日本人も「従順ではないし、寛容でもない」人が増えた。
既存のルールは、破って当り前、或いは、「個」や「自我」を前面に押し出す位に考えないと、世界のダイナミックな変革なんて起こせないのかも。