#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【DACHAU】独居房

2008-06-14 | MUNICH
3月16日。日曜日。
すべてが灰色に包まれた午後。

当時の状況を物語る独居房の棟へ。

ダッハウ強制収容所には
最大時40000人ほどの囚人が送り込まれたが、
それだけの数の人間が集まると、
もはや統制を取るのは難しい。

区切られた村のようなものだ。

そこで第三帝国は
囚人にランクを付け、
上下関係を構築することで
囚人が囚人を管理するシステムを作った。

この独居房は
主に政治犯が収められた。

共産主義者など
政府の政策を糾弾し、
捕らえられた者たちだ。

他にカトリック教の牧師が
3000人ほど拘留された。

第三帝国にとって
神は不要だった。

そのように捉えられた
博識ある人間たちは
政府にうまく利用された。

巧妙な取引で
命を細々とつなぐ
…そんな状況下に追い詰められた。

巧妙なだけに
信頼を失うと
極悪な刑に処せられた。

cell-roomといって、
細胞のように細かく区切られた
立っているのがやっとのような細長い空間に、
水も食事も与えず放置され、餓死するのを待つ刑。

睡魔に襲われ
横になりたくても
膝を曲げることすらできない。

足の筋肉が衰え、
関節が炎症を起こし、
もはや立つことすらできなくなる。

そのような究極の状況で
人間はどのような対処をして
死を受け入れるのだろう。

朦朧とした意識との格闘。
死を待つしかない究極の懲罰。

コンクリートの壁に残された
数々のひっかき傷や凹みが
…その懊悩を…訴えていた。




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