明日封切!坂本龍一のドキュメンタリー『CODA』先行上映
【CODA】終結を意味するタイトルの、坂本龍一のここ5年を追ったドキュメンタリー。
震災にガンの告知と暗雲立ちこめる中、8年ぶりの新作『async』の制作過程を密着。
そこに在るのは、どのように終結するかへの模索だった。
自分の人生を振り返ってみて、どのように着地するか…とは、
何を残していけるのか、何を伝えていけるのか、への回答。
「炭鉱のカナリア」となって、自身が感じたものを統べてカタチにすること。
その集大成がひとつの【祈り】に昇華されていたことが、何より興味深かった。
震災で流されたピアノの、塩害で錆び、調律も儘ならない様を見て、
「自然の姿へ戻ろうとする力」と称して絶賛し、
その崩壊のノイズに命の源泉を見るスタンスは、
原発を初めとした近代主観主義の犯してきた人間主体の『強欲の意志』が
【CODA】を迎えていると警鐘する。
しかし、それを声高に訴えるのではなく、
タルコフスキーの『サクリファイス』のように、
渾身の力で一音一音に魂を込め、音楽に昇華せんとする、
その切実さが胸悼む。
『async』の楽曲が、澱のように、少しずつ少しずつ心に着床してゆく100分であった。
【CODA】終結を意味するタイトルの、坂本龍一のここ5年を追ったドキュメンタリー。
震災にガンの告知と暗雲立ちこめる中、8年ぶりの新作『async』の制作過程を密着。
そこに在るのは、どのように終結するかへの模索だった。
自分の人生を振り返ってみて、どのように着地するか…とは、
何を残していけるのか、何を伝えていけるのか、への回答。
「炭鉱のカナリア」となって、自身が感じたものを統べてカタチにすること。
その集大成がひとつの【祈り】に昇華されていたことが、何より興味深かった。
震災で流されたピアノの、塩害で錆び、調律も儘ならない様を見て、
「自然の姿へ戻ろうとする力」と称して絶賛し、
その崩壊のノイズに命の源泉を見るスタンスは、
原発を初めとした近代主観主義の犯してきた人間主体の『強欲の意志』が
【CODA】を迎えていると警鐘する。
しかし、それを声高に訴えるのではなく、
タルコフスキーの『サクリファイス』のように、
渾身の力で一音一音に魂を込め、音楽に昇華せんとする、
その切実さが胸悼む。
『async』の楽曲が、澱のように、少しずつ少しずつ心に着床してゆく100分であった。