義経千本桜―渡海屋・大物浦―@シアターイースト
作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸
今回、多田さんつながりで初めて「木ノ下歌舞伎」を撮影しました。
『義経千本桜』は観劇していたので、いったいどんな多田演出になるのだろう…と、
ワクワクしていたのですが、ホントオドロキのオンパレード〜!でした。
終わりなき戦いのなか、失われた声が甦る
“今”が“昔”に、“昔”が“今”に、
時代を超えて、現代を抉る〈逆襲劇〉。
このキャッチコピーそのままに、
平家と源氏の「殺し殺され、殺し殺され、殺し殺され、殺し殺され…」の終わりなき戦いのあと、
ついに平家滅亡の危機。清盛の息子知盛は、船宿「渡海屋」の主人銀平となって義経に復讐を企て、
起死回生の機会を窺います。
2年越しの潜伏の後訪れた契機に、渾身の思いで知盛は義経一行を攻めるのですが、
あわれその企てはすべて筒抜けでした。
結局のところ歴史に逆らうことは出来ない…諸行無常のエンディングが歌舞伎での幕切れだとすると、
ここからが多田演出のすばらしいところで、
「殺し殺され、殺し殺され…」で折り重なった幾万の命を、
現代からのパースペクティヴに置き換え、世界大戦で犠牲となった人々、
大震災で喪われた命の数々へとつなぎ、
その幾多の死者の上に、私たちの営みが「ここ」に在ることを、鳥瞰させてくれるのでした。
それは、レヴィナス言うところの…
「無意味に死んだ」同胞たちの死に責務を負い、彼らの分の未来に向けて「最善」を尽くす…という
…常に「死者」の存在が相補的な振る舞いでもって私たちを支えているのだ…というメッセージが、
舞台上の隅々にまで溢れていて、そこでどばぁっと涙が噴き出したのでした。
作品を締め括る楽曲の選定もイカしていて、日米の俘虜の顛末を描いた大島渚のあの名作も、
紐解けばその命題に行き着くことを重ねるようで、
おおなんと人は愚かな生き物なのか…と、嘆くことしきり。
ここに来てまた戦争が現実味を帯びてきた現代なだけに、この〈逆襲劇〉は、タダモノじゃないぞ…と、思わせる物でした。
あと2ステージ、06/18豊川にて、あります。
ぜひ、ご覧ください!
作|竹田出雲 三好松洛 並木千柳
監修・補綴|木ノ下裕一
演出|多田淳之介
出演|大石将弘 大川潤子 榊原毅 佐藤誠 佐山和泉 武谷公雄 立蔵葉子 夏目慎也 山本雅幸
今回、多田さんつながりで初めて「木ノ下歌舞伎」を撮影しました。
『義経千本桜』は観劇していたので、いったいどんな多田演出になるのだろう…と、
ワクワクしていたのですが、ホントオドロキのオンパレード〜!でした。
終わりなき戦いのなか、失われた声が甦る
“今”が“昔”に、“昔”が“今”に、
時代を超えて、現代を抉る〈逆襲劇〉。
このキャッチコピーそのままに、
平家と源氏の「殺し殺され、殺し殺され、殺し殺され、殺し殺され…」の終わりなき戦いのあと、
ついに平家滅亡の危機。清盛の息子知盛は、船宿「渡海屋」の主人銀平となって義経に復讐を企て、
起死回生の機会を窺います。
2年越しの潜伏の後訪れた契機に、渾身の思いで知盛は義経一行を攻めるのですが、
あわれその企てはすべて筒抜けでした。
結局のところ歴史に逆らうことは出来ない…諸行無常のエンディングが歌舞伎での幕切れだとすると、
ここからが多田演出のすばらしいところで、
「殺し殺され、殺し殺され…」で折り重なった幾万の命を、
現代からのパースペクティヴに置き換え、世界大戦で犠牲となった人々、
大震災で喪われた命の数々へとつなぎ、
その幾多の死者の上に、私たちの営みが「ここ」に在ることを、鳥瞰させてくれるのでした。
それは、レヴィナス言うところの…
「無意味に死んだ」同胞たちの死に責務を負い、彼らの分の未来に向けて「最善」を尽くす…という
…常に「死者」の存在が相補的な振る舞いでもって私たちを支えているのだ…というメッセージが、
舞台上の隅々にまで溢れていて、そこでどばぁっと涙が噴き出したのでした。
作品を締め括る楽曲の選定もイカしていて、日米の俘虜の顛末を描いた大島渚のあの名作も、
紐解けばその命題に行き着くことを重ねるようで、
おおなんと人は愚かな生き物なのか…と、嘆くことしきり。
ここに来てまた戦争が現実味を帯びてきた現代なだけに、この〈逆襲劇〉は、タダモノじゃないぞ…と、思わせる物でした。
あと2ステージ、06/18豊川にて、あります。
ぜひ、ご覧ください!