#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

hana&alice~篠田昇を偲ぶ~

2005-12-14 | BOOKS&MOVIES
岩井俊二監督の「花とアリス」完全版DVDを借りて観た。
何よりもショックだったのは篠田昇撮影監督が
メイキングの映像に数多く出ていることだ。

2004年6月22日、彼は52歳の若さで亡くなっている。

「花とアリス」の公開は2004年3月。
彼の遺作となるのは行定勲監督の「世界の中心で、愛をさけぶ」だが、
行定勲は岩井俊二作品の「Love Letter」「スワロウテイル」で
助監督を務めていたから、篠田昇とのつながりは岩井俊二同様深い。

http://www.swallowtail-web.com/jp/eye/backnumber/message_old/message_040623.html

「花とアリス」は篠田昇のカメラワークが思う存分楽しめる作品だ。
ボクは「リリィシュシュのすべて」で逆光に揺れる
手持ちのフレーミングに酔いしれた1人だが、
「花とアリス」では、斜光の美しさや独特の足下のトリミング、
懐に入るようなヒロインへの寄り、微妙な心理を匂わす不均衡なフレームアウトなど
円熟の篠田昇ワークを堪能することができる。

なにより、彼がメイキングカメラに向かって息を吹きかけ、
レンズを曇らせるシーンがあるのだが、番長健在の活きの良さが
こちらに伝わってきて…胸が痛んだ。

52歳。あまりにも若すぎる。

…うなだれてしまう。

宿命って奴が存在するなら、
死の影がいつかは忍び寄ってくるわけで、
…そんな日のためにも
こころの準備として、毎日を精一杯生きる。

…そんな当たり前を実行しよう…と思った。
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