私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

磐姫皇后の嫉妬(うはなりねたみ)⑦

2009-07-24 16:57:34 | Weblog
 あまり面白くもないかも知れませんが、もう暫らくこの大后磐日売命の嫉妬(うはなりねたみ)にお付き合いください。
 吉備海部直の女黒日売が、吉備の国に恋の行幸をされた仁徳天皇を見送りして「・・・由久波多賀都麻」と、歌って別れます。
 古事記では、この黒日売との恋のお話は、これですべてが終わります。その後、仁徳天皇と別れて吉備に残ったであろう黒日売がどうなったかは、一字の説明もありません。
 ただ、次の段で、「自此後時(これよりのち)」とだけ書かれています。黒日売と別れた後に、また、こんなことがありましたと、たった四文字で持って、黒日売のその後を、何か暗示しているようではありませんか。ここらあたりの書き振りも私の好きな部分です。

 さて、淡路島に行幸していたと固く信じていた天皇が、再び、無事に難波の宮にお帰りになります。そこで、大后磐日売命は天皇の無事ご帰還を祝ってかどうかは知りませんが大宴会を開く計画をします。
 古事記には「為将豊楽」と書いています。為将は「したまはむとして」と、長々と読むのだそうです、要するに、計画することです。
 でも、次の「豊楽」がとても難しいのです。「とよのあかり」と読むのだそうです。
 これを、現在の訳に従うと、つぎのように書かれています;河出書房の日本文学全集(福永武彦)から。
 「クロ姫のことがあってのち、大后のイワノヒメノ命が、盛大な宴会を開くための準備に・・・・」
 
 此の「豊楽」について少々説明してまいります。