私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

「ちょっと」と「ちょびっと」 

2013-06-23 09:01:34 | Weblog

 備中地方の方言に「ちょびっと」というのがあります。お分かりいただけますか。「ちょっと」との中に「び」がはいって「ちょびっと」になった言葉です。「ちょっと」というのは、ほんの少し、と云う意味ですが、此の言葉は、時空を飛び越えて色々な方面に使われます。
 「ちょっと行ってくる。」「ちょっと待ってください」「それをちょっとくださ」「この問題はちょっとむずかしいぞ」など、その言葉は空間的にも時間的にも量的にも、さらには、人の心的な量を表すための言葉にも使われています。

 そのことばが、我々の吉備の国では、いつ誰が作ったと云うことではなしに、長年の人々の生活の中から、此の多方面に使われている「ちょっと」に、「び」と云う字を間に挟めることによって、数量的にのみ使う言葉が生まれ育ったのです。ですから、「それをちょびっともらえんじゃろうか」がという言葉は使えますが、「ちょびっと待ってくだせえ」とか「ちょびったと行ってくる」などとは決して使わないのです。
 このことばには方言の良さ、面白さ、微妙さを兼ね備えた何か技巧的な臭いすら感じさせられるような巧妙さが有るのではないかと思っております。

 「どうして いまごろ そげえなやっちもねえことを いうてもしょうがねえじゃろに」と、お叱りを受けるかもしれませんが、高尚先生の[歌のしるべ」も、「もうちょびっとしかのこってねえがな」と、昨日、書いている時に、「あ、このことばってなんじゃろうかな」と、ふと、頭に浮かんできたものですから、その「ちょびっと考」を蛇足的に書いてみました。
 
 でも考えてみたら、この方言を含め言葉って面白いものですね。特に、今朝の朝刊に出ておりました「ナカニシ先生万葉こども塾」を見ておりますと、余計に、そんな思いがしました。

 「ほんとうに やっちもねえことじゃけえど」と、今日のも、高尚先生を離れて、全くの蛇足です。


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