Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【てつどう】いまだに残る、東急8500系幕車~8506F

2010-03-10 | てつどう。
東急田園都市線の8500系置き換え計画も、昨今の経済動向などを受けて大幅に予定が変わり、
現在あまり進んでいないようですね。
5000系が数年のうちに8500系を駆逐すると思っていたのですが。


その恩恵を受けて?昭和51年に登場した8500系の初期の初期グループがまだ行き残っている
状況が続いています。




それがこの8506F(F=Formation 編成の意味)です。
厳密にいえば一般的に編成名を呼ぶ時は、渋谷方の8606を取った8606Fとなるようですが...。


田園都市線の開業に合わせて4両編成(!)で登場した初期のグル―プの生き残りで、
すでにこの8506F以外は廃車になっています。
なお、現在の田園都市線は10両編成ですから、他の6両はあとから製造されて挿入した車両たちです。
両端の2両ずつがオリジナルの4連にあたります。



この8506Fは、東急に残っているいちばんの若番車編成であるだけでなく、
方向幕がほんとの「幕」のままになっていることでも注目されています。
まあ実際には英字が入っていたりで、昔ながらのものではないんですけどもね。
それでも、丸くて黄色の列車番号などは、昭和50年代のハイテク感があっていい。
これでHゴムがグレーで、方向幕が英字なしだったらオリジナルに近づくのですが。


鉄道車両の方向幕はLEDがすっかり主流になっている昨今、
今見ると珍しい感じがするし、アナログ特有のあたたかさがするのが不思議。
あたりまえだったものなのにね。
白熱灯電球もそんな感じに懐かしい感じに思う時が来るのかなあ...(嘆





ちなみに、これがLED幕車(ただし白も再現できるフルカラーLED。大井町線用8539F)。
なお、この編成に見られるようなスカートは、
東武鉄道への乗り入れ開始の際に、東武乗り入れ可能改造された編成のみに取り付けられました。



東急8500系って好きなんです。
地下では爆音出してうりさいし、乗り心地もたしかに悪い(と言われがち)のですが、
ですが、このまっ平らな顔、バッド製の流れをくむ、
必要に迫られて造形された側面のコルゲートなどの「機能的なデザイン(機能だけで出来たデザイン)」
こそ、東急の真骨頂のような気がするんですよね。


国鉄の通勤車・103系も評判は悪かったですけど、機能一本やりの美しさ、量産型のかっこよさって
あるじゃないですか。それを、400両も製造されたこの8500系も持っているような気がします。




8500系は、厳密には東横線に昭和44年から投入された8000系のマイナーチェンジ版という位置づけで、
広義では8000系「のグループ」に分類されます。

まっ平らな顔ですが、これは当時の東急には「電車の顔は平妻でなければならぬ」的な姿勢があったそうで、
それを反映したものでした。
まあ実際には加工が難しいので設計の簡単なこのデザインになったというのも
あるのでしょうね。





左は、いまは亡き8000系。方向幕しかないし、窓の位置も低いので、さらにシンプルな造形。
右は少しデザインが入った8090系。平面の組み合わせながら、前面に後退角が少しつき、
車体側面もRが入ってます。
個人的にieの中の「東急でいちばん好きなデザイン」。



>>そういえば長野と秩父に渡った8500系、まだ見に行ってないなあ...。
コメント (4)
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