Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【フランス大使館・旧館】アートイベント、「No Man's Land」を見に行く。 

2010-01-25 | できごと。




広尾駅から歩いてちょっとのところにあるフランス大使館の建物(旧館)が近々取り壊されることになり、
その場所を利用したアートイベントが開催されると知って、
「最初で最後の大使館旧館訪問」を果たすため、このイベントを見に行ってまいりました。




フランス大使館旧館は1957年、Joseph Belmont(ジョゼフ・ベルモン)によって設計されたもので、
さすがに老朽化が進み新庁舎が建築され、旧館からは引っ越し済み。
旧館は解体される運命に...。
そこで、フランス大使館文化部が企画したのが、前代未聞の「大使館を舞台にしたアート展」だったのです。



可愛くペイントされてしまっているエントランス正面には207CCが......
えええ!ペンキでピンクの帯塗ってるよ(ドキドキ
これ落として元に戻せるのかなあ...





古びた玄関。
それ自体のつくり、さりげなく存在する「フランス大使館」の立体文字など、
まさに1950~1960年代のかほり。たまりません...。





それにしても1957年建築とは思えないモダンな建物です。
ミッドセンチュリー感漂う調度品や雰囲気などのかっこよさにクラクラ。





鉄、木、コンクリ、ガラスなどだけで作り上げるモダニズム...。








「鼻血...」ってw




ひあたりのよい執務室後に並ぶ2脚の椅子...
座るとまるでフランス車のシートのように深く体を受け入れ、
差し込む冬の暖かな日差しに思わずうっとり...。




すでにすべての部屋はもぬけのから。
倉庫や資料室と思われるもの。大使の部屋だと思われるもの。
建物に入る前の厳重な格子や、部屋の窓やドアについている格子は何のため?
壁に無数に並ぶコンセントは何のため?
...などなど、何の部屋だったのか推し量るしかないのがかえって興味をそそります。




大使館らしいというべきか、だれしもが入れなかったことを示す格子の入り口。




大使の部屋。じゅうたんがDSのリアシート足元なみにふかふか。涙。




そして、ここが「日本の中のフランス」だと思わせるところがいくつか。

コンセントなども日本用のものと、3つ口のものも存在。
どんな電気機器をつないでいたんだろう...興味津津。





残された棚やポストのところどころに、部署名などが(むろん)仏語で残されていて感動。






消火器もフランス語表記!





そして改めて外観を。






こんな素晴らしい建物を...と思いますが、執務するには新しいほうがいいでしょうし、
時代の流れなので、解体は仕方がないのでしょう。

それにしても通常は入れない大使館の奥の奥まで入れたのは感激でした。

そして、それを「解体するから」と、アーチストたちが原状復帰など出来ないほどにまでさまざまに手を加え、
建物すべてをアートにしてしまうことという大胆な発想...


さすが?フランス、やることが違うわ...(^^;







>>...ただ、こんなことを言ってしまうと元も子もないとは思うのですが、
「アートペイントしていない」状態の大使館が見たかった...(大汗
日常に転がるフランスらしさがもっと見られると思っていただけに...。


>>今回はアートの紹介というより、フランス大使館の記事になってしまいました。
アートに興味がある方にも、フランスかぶれなieみたいな方にも、建築が好きな方にも
楽しめるイベントだと思います。


>>あ、ちなみにフランス人はお客さん以外全然見かけませんでした...。


>>基本的には入場無料ですが、300円出すと、このイベント名前の入った「パスポート型ノート」が買えますので、お勧めです。


>>そうそう、シトロエンやプジョーも協賛していて、部屋を使ってプロモしてました。
がんばれフレンチメーカー!
....って、ルノーはなぜいない.......(号泣



コメント (5)
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