BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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イントゥ・ザ・ワイルド

2008-11-20 22:20:06 | 映画・TV・観劇
名俳優ショーン・ペンがメガホンを撮った映画。
かなり評判がよくゴールデングローブ賞受賞、アカデミーノミネートされてるので、非常に気になってました。
割とマイナー系ながら地元で上映してくれたので、観にいけました

やー、見た感想、いいですね。
若者の自分探しの旅です。
というか、話が進むにつれてわかるのが実はそんな単純なものではなく、人生探しとか、生きることへの意味とか、かなり複雑で濃い映画です。
最後は宗教かかったメッセージもあり、でもけして不快なほど強くはない。
映像がさわやかで、アメリカの大自然が満載に出てきます。
それがすばらしいんです、ほんとに。
セコイアの森、グランドキャニオンの渓流、アリゾナの砂漠地帯と、
コレを見るとほんとにアメリカはでっかい映画だなぁと思います。
NYやLA、シカゴなどよく映画で登場する大都会なんて、アメリカの何十分の一にも満たない。
ほんとのアメリカはとてつもなく広大な大地と大自然でできている。
そして少年は最後に荒野=アラスカを最期の地として選ぶのです。
ネタバレになりますが、実話を元にしてるし、始めから私も最後がわかってただけに、その先の運命を何も知らずに純粋にアラスカへの思いを募らせる少年の姿がすこし切なくなりました。
主演の彼もディカプリオ似でハンサムだし、かなり演技力も有り。
また旅をする彼と関わる人々がまたすばらしい。
農場の主人、ヒッピー(ジプシーみたいな、、、まだアメリカには存在してるのですね)の夫婦や人々、そして彼と関わる老人。
それと対照的に出てくる少年の過去、家族。
なぜ優秀な彼がその先の未来を捨てて、あのような旅に出たのか。
あえて孤独になろうとしたのか、
やっぱり原因は育った彼が受けた家庭環境なのかなぁと。
物質社会の否定、社会の不条理など彼は言いますが、ほんとのところは家族の愛に飢えてたのかなぁと。
それでも旅する彼の周りにいる人々は彼に優しい。
それは彼が素直で頭がよく魅力的な人物だからだ。
繊細で賢い彼だからこそ、ぶつかった壁。
そして自然の中で生きていこうとする彼の姿を世の中を甘く見てる、若さゆえに愚かだとかは決して否定できない気がした。
20代の始めは誰もが彼のように怖いもの無しだったろうし、あのように思って挑戦するものだ。

最期の最後で少年が手に入れる真実。
幸せとは、
幸福とはそれは誰かと分かち合ったときだけ(share、、、という英語が物悲しい)得られるものである。
あれほど憧れた大自然での自分独りでの生きる生活の中で彼が見つけた真実がこれだったなんて悲しすぎる。

原作のジョン・クラカワーの「荒野へ」も読んでみたいです。