![]() | フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる (生活人新書) |
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日本放送出版協会 |
前からのつづき・・・
『不意に言葉に詰まる、物忘れをする』
フリーズは脳からの危険信号
気になるのは、ボケ症状に苦しむ患者さんの層が年々若年化していることです。
今では二〇~三〇代の若者たちにまで広がっている。
彼らも、脳に器質的な異常が見られるわけではありません。
それでいて症状は深刻で、そのために仕事をクビになったr、日常生活に支障をきたしたりしている人たちもいます。
患者さん以外と話していても、ボケ症状に陥っていく危険性があると感じる人が増えている気がします。
たとえば、話しかけても反応がパッと返ってこない、長い話をしたり聞いたりすることが極端にできない、すぐに「えーと、あれ?何でしたっけ?」になってしまう。
そういう、ボケというほどではないものの、フリーズする脳のレベルにある人たちが、今、非常に増えているのではないか。
このままいくと、日本の社会全体がボケの世界にまっしぐらに向かってしまうのではないか。
私たちは何をしなくなっているのか
私たちがいつの間にかしなくなっている「何か」というのは、多くの場合、それほど単純な活動ではありません。
話をしていなかったから、言葉が出なくなった。これは分かりやすい話です。
これはこれで重要な問題ですが、普通の人たちがボケていくとき、しなくなっているのは、もう少し複雑な活動です。
たとえば、相手の話をただ聞くのではなく、理解しながら聞くということをしなくなっている。
分かりやすい例にすると、学校で授業を聞いているとき、先生の話をちゃんと理解しながら聞き、ポイントとなる言葉を覚えようとしているときと、何となく聞いているときとでは、同じ「聞く」ということでも、脳の使い方は全然違ってきます。
はっきりと言えば、後者のような場合には、高次脳機能とよばれるような脳の機能はほとんど使っていません。
また、相手の話に対して、臨機応変に自分の考えをまとめ、記憶や言葉を組み立てて返答するということ(それをするためには、相手の思考や感情を読み、一方では自分の感情も抑えていなければいけないという、高度で多面的な脳の働きが求められます)。
日頃マニュアル的な対応やほとんど単語レベルの対応に終始していたり、時間を置いて返答すればいいメールなどに頼りすぎていたりすると、その訓練の機会を失っていることがあります。
大事なことなので繰り返しますが、最初は忙しいからやらないつもりでいても、いつの間にか苦手になり、苦手になるとますますやらなくなり、やらなくなるとできなくなるという、その悪循環の先にあるのが、じつはボケ症状です。
最近、相手の話をしっかり聞かなければいけない場面で、何となくぼんやりしてしまい、内容がうまく捉えられない、言葉が記憶に残らない、自分の考えを伝えようとしてもそれがまとまらない、単語しかでてこない。
そういうもどかしい経験をしたことはありませんか?
それがここで言う「フリーズ」です。
築山 節
「フリーズする脳」より抜粋
※すみません、こうやって買った本の気になったところを抜粋して書き起こしすると頭に入りやすいもんで・・・
つづく・・・