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サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

24時間コンビニが必要か?

2008-12-04 | 環境
コンビニの24時間営業は本当に必要なのだろうか? 省エネや温暖化防止のために、コンビニの終夜営業を見直そうという動きが各地に起こっている。埼玉県と京都市、私の住んでいる二つの自治体が奇しくも代表的な動きをしている。

 埼玉県はコンビニだけでなく一般の24時間営業そのものを規制することや、ネオンの深夜消灯などを要請することを決めた。京都市は、「環境に優しいライフスタイルを考える市民会議」を発足させ、コンビニの終夜営業をどうするかを議論することにし、コンビニ業界の「日本フランチャイズチェーン協会」に参加を求めた。しかし、協会は「ライフスタイルは多数決で決めるべきではない」として、参加を拒否した。多数決を取れば負けることを知っていたのだろう。

 セブンイレブンのパンフレットに、コンビニの深夜営業をやめても省エネ効果なんかほとんどないということが書いてある。それによると24時間を16時間営業にしてもエネルギーの削減は5-6%程度という。そして深夜営業を止めるとトラックの配達が昼間になり、交通渋滞を引き起こし、かえってCO2の排出を増やすから、差し引き4%くらいの省エネ効果しかないと言っている。

 コンビニの終夜営業を止めることは深夜型のライフスタイルを見直すいい機会になるという論理には、コンビニの終夜営業が深夜型のライフスタイルを作り出したものではなく、むしろニーズに応えてコンビニが24時間営業しているのだ、と言う。

 なるほど、ああいえばこういうという感じのパンフレットではあった。たしかにコンビニが24時間営業をやめても深夜型のライフスタイルを止めない人たちがいることは確かだろう。しかし、それが24時間営業を続ける正当性を保証するものでもない。いま人々が言っているのは、無駄なエネルギーを減らすことによって、深夜型のライフスタイルも止める方向に持って行こうと言っているのであって、ニーズがあるから止めるべきではないというのは、論理が逆さまだ。

 このパンフレットは、コンビニが深夜営業をしていると、防犯にも役立つという。深夜に女性がストーカーや暴力から駆け込む例が年間13000件もあるから、コンビニの終夜営業が役立っていると宣伝している。これもまったく逆かもしれない。深夜型のライフスタイルを止めれば、こんな犯罪も減少する。コンビニの店長の多くは、むしろ深夜営業を望んでいないという証言もある。それをフランチャイズの本社がむりやり深夜営業を強制しているという。すべての店がそうでないと24時間営業の看板がウソ偽りになるからだ。

 深夜はみんなが安眠して明日への活力を蓄えるときだ。無駄なエネルギーを消費して、犯罪の温床になるような場所を作るべきではない。少しずつライフスタイルを昼型に変える努力が必要になってくる。やがて石油が無くなり、原子力発電は重大な事故を引き起こし、電気が十分無い時代がそう遠くない将来にやってくるだろう。そのときのために、今からライフスタイルを変えていかねばならないし、そのためにはコンビニの深夜営業をそろそろ止めてもらわねばならない。

 このパンフレットの最後に「地球温暖化防止に必要なのは、一人一人が地球環境を意識し、少しずつ省エネ効果を積み重ねていくことであろう」と書いている。コンビニが悪いんじゃない、おまえらがやれ、というのだろう。責任をなすりつけようとするコンビニ業界の体質が見え隠れする。