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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

原発が温暖化の原因だった

2007-09-18 | 環境
 各地で異常な暑さが続いている。甲府では35℃、熊本では36℃とか。しかし、東北では大雨で洪水が各地で発生しているようだ。先島諸島では強力な台風で瞬間最大風速が65m/秒というものすごい風が吹いたようだ。被害も大きい。日本列島、おかしくなってしまった。

 これも地球温暖化のせいだ。だからみんながもっとクーラーを止めたりして電力の節約をしたり、車社会を見直して公共交通機関を整備し直す必要がある、と書こうと思っていたが、京都大学原子炉実験所の小出裕章さんの「地球温暖化の本質」というパンフレットを読んでいて、目から鱗が落ちた。

 二酸化炭素の濃度上昇が地球温暖化の原因だと信じてきた。もちろん、二酸化炭素などの温暖化ガスの濃度上昇は温暖化に貢献していることは間違いない。だから、電力の節約や車社会の見直しは当然必要であるのもまちがいない。しかし、「逆もまた真なり」だった。彼のパンフに書かれていた過去50年間の温度の変化と二酸化炭素の濃度の変化を重ね合わせてみてみると、二酸化炭素濃度濃度と温度はあざなえる二本の縄のごとくどちらが先か後か分からない変化を示している。二酸化炭素が増えたから温度が上昇したとは必ずしも言えないのだ。つまり、海水温が上昇すると海水のガス溶存量は低下し、海水に溶け込んでいる二酸化炭素が空気中に出てくる。温暖化がCO2の濃度上昇を引き起こしてもいる。

 そして、この海水の温暖化に大きな役割を果たしているのが原子力発電所のようなのだ。原発は核分裂のエネルギーを利用して発電するのだけれど、核分裂で生み出されたエネルギーの3分の1くらいしか電気にはならない。のこり3分の2は無駄なエネルギーとして温排水によって海水中に捨てられる。そのために原発からは大量の温排水が海に垂れ流されている。100万KWの原発の場合、毎秒70トンの海水を7℃上昇させる。東京荒川の流量は30トン/秒くらいですから、荒川と多摩川を合わせたくらいの水が7℃上昇する。それが間断なく海に流れ出ているわけだから、海の温度が上がらないはずはない。

 むかし、ある原発のアセス書を読んでいて不思議に思ったことがある。大量の温排水が7℃温度を上昇させて海に放出されるが、その付近一帯の水温はほとんど上がらず「環境に影響はほとんどない」という結論が書かれていたのだ。コンピューターシミュレーションの結果からは半径1kmの範囲でもせいぜい温度が1℃くらいしか上がらないという予測が出ていた。

 なにかおかしいと感じたがシミュレーションの結果というものは簡単に操作できるということをよく知らなかった当時は、意外と影響は小さいものだなと納得してしまった。今になって考えるとこのシミュレーションは7℃上昇した水が出た場合、周りの水温がどうなるかという短期間のシミュレーションをしていたのだ。しかし、1℃上昇した周りの温度は、その一瞬後には最初のシミュレーションの前提を変化させている。あとからあとから出てくる7℃高い海水は、周りの海水をどんどん上昇させていくのではないか。

 結局、二酸化炭素を出さないから究極の温暖化対策だと喧伝されている原発だが、本当は海水を温め、気温の上昇にも大きく貢献し、さらに二酸化炭素を海水から追い出すことによってさらに温暖化を加速していたのだ。日本には55基の原発があり、年間1000億トンの海水を7℃上昇させている。全河川の流量が年間4000億トンだから原発から流れ出てくる量のものすごさがわかる。

 政府や電力会社は温排水による海水の温暖化を認め、原発は二酸化炭素を出さないから温暖化対策として原発を推進するという嘘を訂正しなければならない。そして地震国日本は、危険な原発から一日も早く撤退するべきである。
   

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