最近、イスラエルとユダヤ人に関するきわめて重要な本が2冊発行された。一つは、シュロモー・サンドさんというイスラエルのテルアビブ大学教授による「ユダヤ人の起源-歴史はどのように創作されたのか」。歴史学、考古学、聖書学、遺伝子学などを駆使した考察で、ユダヤ人とは誰なのか、について科学的に考察した本で、古代ユダヤ人の子孫は、イスラエル人ではなく実はパレスチナ人なのだという驚愕的な内容である。
この本がイスラエルでも19週間にわたって連続ベストセラーになった。現在世界中で13カ国語に訳され、日本語版も発売されたが、わずか10日後に売り切れて増刷が始まっている。
イスラエルと言えば、旧約聖書に書かれているように、古代ユダヤ人がローマ帝国によって神殿を破壊され、追放されてバビロンに流され(バビロンの虜囚)、その後世界中にばらばらに散り、2000年にわたって国を持たない民族として放浪し、第二次世界大戦ではナチスによってジェノサイド(ホロコースト)を経験し、1948年に欧米の援助で追放されたパレスチナの地に悲願の建国をした国として一般に知られている。この物語に重大な疑いがあるというのである。
遺伝子調査の結果は、イスラエル人よりは、現在イスラエルから国を奪われ、イスラエルに支配され、理不尽にも殺され続けているパレスチナの人々こそ、古代ユダヤ人にもっとも近い民族であることが示唆されているという。しかも、イスラエルを建国した人たちの中にもその事実を知っていた人がいるらしい。イスラエルの初代首相も、第2代大統領もその著作に、パレスチナ人こそ聖書時代のユダヤ人の血をひいている民族だと示唆していた。
そうすると、イスラエルというのはいったい何なのか。現在のパレスチナ紛争とはいったい何なのか。
それを解明するためのもう一冊の本は、ロシア生まれのカナダ・モントリオール大学のヤコブ・ラブキン教授が著した『トーラーの名において ~シオニズムに対するユダヤ教抵抗の歴史~』である。彼は敬虔なユダヤ教徒で、ユダヤ教徒はイスラエル建国に反対していることを述べている。シオニズムによるイスラエル建国は神が約束した土地に帰るというトーラー(旧約聖書)の記述を利用した政治運動に過ぎず、ユダヤ教の教えとは異なるというのが、彼の主張である。
【ラブキン教授】「すべての問題は、1948年に始まりました。少数のシオニストが、多数のパレスチナ人を、もともと住んでいた土地から追い出したのが原因です。大多数の住民の意思を無視したイスラエル建国を、国連が決議してしまったことで、周辺国は暴力の渦に巻き込まれたのです。パレスチナ人に対し、極めて不当な扱いを強いたことをまず率直に認めるべきです」。
現在のイスラエルには、ユダヤ人が80%弱、アラブ人が20%強住んでいるが、イスラエルは「ユダヤ人国家」であると憲法で書いてしまっている。そして、占領した西岸地区や東エルサレムに世界中の批判を浴びながら入植地を作り続け、それを守るためと称して軍隊が駐留し続けている。パレスチナの街には常にイスラエル空軍が徘徊し、住民を殺している。欧米は第二次世界大戦時のユダヤ人差別や虐殺の歴史があり、同じような差別と虐殺を行っているイスラエルに止めろと言えない。
しかし、この二冊の本は、イスラエルが行っている行為はほとんど根拠のない理由に基づいていることを明らかにした。ましてや、彼らが差別し虐殺しているパレスチナ人こそ古代ユダヤ民族の末裔であるとは、なんという歴史の皮肉であろう。シオニズムに毒されたイスラエルを、許さない国際的な連携が必要だ。そして、シオニストのユダヤ資本に牛耳られたアメリカの政策を正しい方向に向けることが世界の平和の必要条件であることが、はっきりと分からせてくれた二冊の本だった。
この本がイスラエルでも19週間にわたって連続ベストセラーになった。現在世界中で13カ国語に訳され、日本語版も発売されたが、わずか10日後に売り切れて増刷が始まっている。
イスラエルと言えば、旧約聖書に書かれているように、古代ユダヤ人がローマ帝国によって神殿を破壊され、追放されてバビロンに流され(バビロンの虜囚)、その後世界中にばらばらに散り、2000年にわたって国を持たない民族として放浪し、第二次世界大戦ではナチスによってジェノサイド(ホロコースト)を経験し、1948年に欧米の援助で追放されたパレスチナの地に悲願の建国をした国として一般に知られている。この物語に重大な疑いがあるというのである。
遺伝子調査の結果は、イスラエル人よりは、現在イスラエルから国を奪われ、イスラエルに支配され、理不尽にも殺され続けているパレスチナの人々こそ、古代ユダヤ人にもっとも近い民族であることが示唆されているという。しかも、イスラエルを建国した人たちの中にもその事実を知っていた人がいるらしい。イスラエルの初代首相も、第2代大統領もその著作に、パレスチナ人こそ聖書時代のユダヤ人の血をひいている民族だと示唆していた。
そうすると、イスラエルというのはいったい何なのか。現在のパレスチナ紛争とはいったい何なのか。
それを解明するためのもう一冊の本は、ロシア生まれのカナダ・モントリオール大学のヤコブ・ラブキン教授が著した『トーラーの名において ~シオニズムに対するユダヤ教抵抗の歴史~』である。彼は敬虔なユダヤ教徒で、ユダヤ教徒はイスラエル建国に反対していることを述べている。シオニズムによるイスラエル建国は神が約束した土地に帰るというトーラー(旧約聖書)の記述を利用した政治運動に過ぎず、ユダヤ教の教えとは異なるというのが、彼の主張である。
【ラブキン教授】「すべての問題は、1948年に始まりました。少数のシオニストが、多数のパレスチナ人を、もともと住んでいた土地から追い出したのが原因です。大多数の住民の意思を無視したイスラエル建国を、国連が決議してしまったことで、周辺国は暴力の渦に巻き込まれたのです。パレスチナ人に対し、極めて不当な扱いを強いたことをまず率直に認めるべきです」。
現在のイスラエルには、ユダヤ人が80%弱、アラブ人が20%強住んでいるが、イスラエルは「ユダヤ人国家」であると憲法で書いてしまっている。そして、占領した西岸地区や東エルサレムに世界中の批判を浴びながら入植地を作り続け、それを守るためと称して軍隊が駐留し続けている。パレスチナの街には常にイスラエル空軍が徘徊し、住民を殺している。欧米は第二次世界大戦時のユダヤ人差別や虐殺の歴史があり、同じような差別と虐殺を行っているイスラエルに止めろと言えない。
しかし、この二冊の本は、イスラエルが行っている行為はほとんど根拠のない理由に基づいていることを明らかにした。ましてや、彼らが差別し虐殺しているパレスチナ人こそ古代ユダヤ民族の末裔であるとは、なんという歴史の皮肉であろう。シオニズムに毒されたイスラエルを、許さない国際的な連携が必要だ。そして、シオニストのユダヤ資本に牛耳られたアメリカの政策を正しい方向に向けることが世界の平和の必要条件であることが、はっきりと分からせてくれた二冊の本だった。
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