ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

ガンと言われて・・

2009-05-09 | 日記風
 「胃ガンと言われましたか?」診察室へ入ったとたん、医師からそう聞かれて、私は一瞬言葉を失った。前日、健康診断を受けて帰り、今朝突然病院から電話を受けた。気になる所見があるので、再検査をしたいから都合が付いたら早めに来て欲しいと言うものだった。ちょうど今日は休日で予定もなかったので、病院に行った。診察室へ入ったとたん、その言葉を聞かされたのだ。

 「いいえ、何も聞いておりません」と答えると、医師はあわてて取り繕おうとしたが、もう言ってしまった言葉を元には戻せないと思ったのか「昨日の胃のバリウム検査の結果、胃に腫瘍の疑いという担当医師の所見があった」と言う。私は初めて聞くことで、「ええっ?」と思ったが、電話を貰った時点である程度覚悟はできていたので、「やっぱり・・」と思った程度であった。

 再検査するには胃カメラによる検査しかないという。内視鏡を使った検査は私はまったく受け付けず、今まで一度だけしか経験がない。それは胆石の疑いがあったとき、胆管に造影剤を入れて内視鏡で検査をする必要があるときだった。私ののどはどうしても内視鏡の挿入を受け入れず、嘔吐を繰り返して拒否し続けた。医者は困って、結局全身麻酔をすることで解決したことがある。そのことを考えて、今回も胃カメラの検査は私にはできないと言ったが、医者も強制することはできないが、胃ガンであるかどうかを検査しないで治療はできないと言われると、同意書にサインをせざるを得ない。

 まるで鎖につながれた囚人のごとき存在になって、私は胃カメラの検査を受けた。思った通り、私ののどはカメラを受け付けず、嘔吐しそうになったが、食べ物も飲み物も入れていなかったせいで、声と涙を出すしかなかった。それでも看護師には声を出すな、目を開けろ、つばを飲み込むな、我慢せいと叱られ続けて、10分ほどの検査を耐えた。

 検査の結果はまったくのシロ。医者からも看護師からも「よかったね」「おめでとう」と言われて、私もホッとしたが、いったいあの医師の所見はどうなるのだろうか。たしかに「疑い」と書いてあり、はっきり腫瘍と書いてはいなかったが、そういわれるとガンにかかった身近な人の死も経験しているのだから、再検査を受けざるを得ない。結果が良かったから、怒る気にもなれないけれど、なんとなく釈然としない気も残る。

 まあ、それでもガンの疑いが晴れて、今日の天気のように晴れ晴れとしたのは事実だから、良しとしよう。疑いが晴れた後になって、連れ合いからは「あなたがガンになるはずがない」と言われた。これは喜ばしい褒め言葉なのか、それとも悲しむべき侮蔑の言葉なのか、悩ましい。彼女も心配してくれていたことは疑いないのだが・・。


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (こんぶ)
2009-05-11 08:24:48
シロでよかったですね。
私は去年胃潰瘍で苦しみましたよ。
胃カメラも大変ですよね。
返信する
ホッとしました。 (mmadoka)
2009-05-11 22:25:36
読みながらドキドキしましたが、癌じゃなくてよかったですね!
私は、バリウムは3回ぐらい経験ありますが、胃カメラは経験ありません。バリウムも苦手で、ここ数年はがん検診も受けていません。。
多分、比呂志さんと同じで胃カメラもとても耐えられそうに無いので、全身麻酔をしてもらわない限り自発的に受ける気にはなりません。。

父を胃がんで亡くしていますし、癌系統なのですが(ーー;)。。

でも、本当によかったですね(^o^)丿
返信する
元気が何より (比呂志)
2009-05-11 22:35:03
こんぶさん mmadokaさん
どうもありがとう。私もほっとしました。初めての経験なので、どうなるかと思いました。病気はどちらにしても大変ですね。胃カメラはこりごりです。検査で傷つくこともあるそうで、同意書にサインしろと言われてもサインしたくない。でもそのときにサインしないというのも、ものすごく勇気がいると思いました。
返信する

コメントを投稿