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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

バイオエタノールは地球をすくえるか

2007-01-21 | 環境
化石燃料である石油に代わる燃料として、バイオエタノールが最近脚光を浴びてきた。なたねやひまわりは油を取る植物として有名だが、バイオエタノールは油ではなくアルコールだ。トウモロコシやサトウキビなどいろんな植物を発酵させて作ることができ、これまで捨てていたトウモロコシやサトウキビの葉などもすべて利用できる。しかも、燃やしても二酸化炭素の総量は変わらないので、京都議定書でもバイオエタノールを燃やしても二酸化炭素の排出計算には入れていない。

 アルコールというと心許なく燃えるアルコールランプを想い出す。すぐにお酒を思い出す人も多いだろう。あんなもので石油の替わりになるのだろうかと心配する人もいるだろう。しかしすでに山形県などでは直接ガソリンに混ぜて自動車の燃料として使われている。しかしコストはまだガソリンよりも高い。ガソリンも原油の高騰で高くなったが、バイオエタノールはまだそれよりも高い。しかもバイオエタノールだけだと車の部品の腐食が起こるという。そこでヨーロッパなどではバイオエタノールをさらに加工して、ETBE(エチルターシャリーブチルエーテル)というものにして燃料としている。

 まあ、とにかく石油を燃やすよりは地球に優しいことは確かだ。バイオエタノールの使用が増えて石油の消費量が減るのはうれしい。しかし、これにも問題はある。風力発電が自然エネルギーの利用として奨励されたけれども、あちこちにいっぱい風車が回り始めると渡り鳥が大量に死んだりする弊害もでてきた。

 バイオエタノールも多くの自動車が使い始めると問題が起こる。なぜなら燃料の安定供給には原料の植物をたくさん作らねばならなくなる。現在原料のトウモロコシやサトウキビからバイオエタノールを作って輸出しているのはブラジルとアメリカだけだ。しかし安定供給にはそれぞれの国でこれらの植物を生産しなければならなくなるだろう。そのために何が起こるか。現在縮少気味の農地がこれからもっと必要になり、いたるところで森林を切り開き農地開発が進むだろう。けっして地球に優しい燃料とは言えなくなる。

 しょせん、自動車社会による燃料の大量消費をそのままにして、石油をバイオ燃料に代えたとしても、一時しのぎにしかならないと言うことだ。政治がトヨタに遠慮していては、所詮地球を救うことはできない。自動車社会をどう変えていくか、それこそ考えなければならないことだ。

 車がないと生活できないような社会をなぜ作ったのか。道路ばかりが大きく長くなった日本。もっとスローなしかし豊かな社会を作りたい。パパラギ(先進国人)の国はアイツウ(悪魔)の国だ。

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