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公害と薬害と原発の共通点

2010-06-19 | 読書
かなり昔、1990年代に出版された広瀬隆著「腐蝕の連鎖」という本を読んだ。エイズやスモン病などの薬害をまき散らしたミドリ十字や武田薬品などの製薬会社の幹部たちが、戦時中に捕虜を使った人体実験で著名な731部隊といろんなところで関わりがあることを明らかにした書だ。ミドリ十字という会社が731部隊の姿を変えたものだということは聞いていたが、その他の薬害を引き起こした製薬会社も閨閥などで731部隊の人脈につながっていたとは知らなかった。さらに水俣病を引き起こしたチッソの創業者が大陸で731部隊とも関わっていたという。日本の公害と薬害は、けっして偶然に起こったものではなかったことがよく分かる。人をモルモット代わりにして医学の実験を行っていた軍事医官たちが、アメリカに免責されて、戦後も同じ感覚を持ち続けていたのだろう。

 さらにこの書は、中曽根康弘という日本の原子力開発に国家予算を初めて投入した首相とその閨閥が、日本の原発建設に関わりを持つ多くの企業人と親類関係を持ち、その人脈がさらに薬害とつながっていることを明らかにした。日本人の健康を台無しにして、さらに将来の日本人を放射能の危険にさらしているのが、一握りの血縁、友人関係にある人たちであるというのは、本当に恐ろしいことだ。

 そして、原発がきわめて危ない日本列島の活断層のうえにあること、それを知らぬ振りを決め込む政府の役人たちやデータを都合良く解釈して原発は安全だと言う御用学者たちが、よく調べるとみんな閨閥や友人関係でつながっているという。そう言う目で見ると、彼らの行いがよく見えてくる。彼らのグループに属しているが、中にはきっと良心の呵責に苦しんでいる人もいるに違いないと思うのだが、そう言う人はいつのまにか暗闇に押し込まれてしまうのだろう。日本を牛耳る一握りの人々。彼ら血でつながるものたちは、彼らの利益と栄華のために、日本人の健康も生活も未来も踏みにじって顧みない人たちなのだろう。日本とはそう言うところだと言うことが分かった。目から鱗の本だった。

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