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小沢切りのカン違い

2011-01-06 | 政治
菅首相は、「政治とカネ」の問題で、小沢一郎議員が起訴されたら議員辞職を勧
告することを暗示した。反小沢路線こそ内閣支持率の回復の特効薬だと思ってい
るらしい。カン違いも甚だしい。大新聞やマスコミたちも「政治とカネ」の問題
だと騒いで小沢バッシングに余念がない。これはカン違いだけではない。これに
は人権問題も絡んでくるのだ。

 いったい「政治とカネ」の問題とはいったい何だろうか。小沢さんの件は、検
察も起訴はできないと判断した事案である。素人の検察審査会が強制起訴に踏み
切ったけれども、そこになんの根拠もない。疑いがあると言うだけである。ほと
んどの議員には見逃されている政治資金規正法の不実記載で、小沢さんの元秘書
であり衆議院議員である石川智宏さんが逮捕された。この逮捕も検察が小沢逮捕
を狙って無理矢理行ったものだった。小沢さんの起訴の根拠はこの政治資金規正
法の不実記載なのだ。石川元秘書が5億円の収入を記載しなかったが、あとから
訂正した。他の大部分の議員がしばしば行っている「後から訂正」なのだが、な
ぜか小沢さんの時だけ議員逮捕まで行った。
 
 あきらかに検察の見込み捜査であり、元秘書逮捕も必要ないものだった。厚生
労働省の村木元局長の場合とまったく同じ構図なのだ。結局、検察は起訴をあき
らめた。これは政権交代があり、世論が検察への批判に傾いたことを察知して、
検察が無理をしないと判断したのだろう。しかし、マスコミは「政治とカネ」と
いう根拠不明の言葉を弄して小沢バッシングに走った。経済界や保守陣営に取り
込まれた読売の○○ナベや朝日の船○○一などが、小沢つぶしにはしったのだろ
う。マスコミの記者たちも自分の頭で考えないものが増えた。厚労省の村木さん
も、マスコミは犯人視報道を続けた。素人の検察審査会は、マスコミのあおりに
乗ってしまった。
 
 村木さんが無罪になり、検察が証拠を隠すだけではなく証拠を変造してまで村
木さんを犯人に仕立て上げようとしていたことがはっきりした。政府の高級官僚
(局長)を逮捕することが、検察の目標になっていたこともわかった。罪がなけ
れば罪を作り出す、これが検察のやり方だった。小沢さんと鳩山さんの場合もま
ったく同じだ。自民党などには同じようなことをしている議員はいっぱいいる。
しかし、それらは黙認しておいて、鳩山、小沢の二人に焦点を絞って無理矢理犯
人に仕立てようとした。
 
 厚労省の村木さんは、起訴されても公務員の職は剥奪されなかった。それは当
然のこと。有罪が決まるまでは推定無罪だからだ。小沢さんは強制起訴されても
おそらく無罪になるはずだ。当然それまででも彼は推定無罪である。その人に菅
首相は議員辞職を迫っている。それも最初からそう思っていたわけでは無さそう
だ。自分の内閣支持率を上げるために、小沢切りをやろうとしている。小沢さん
には人権はないのだろうか。政治家は疑惑を招いただけで責任をとらねばならな
いという人も多いようだが、それはおかしいのではないか。政治的な失政ならい
ざしらず、刑事罰にはあくまで推定無罪が当然である。政治家といえども。
 
 小沢さんが言ったように、首相は小沢さんの出処進退などよりも、もっと大事
なことがあるはずだ。国民の幸福のためになにができるか、もっと真剣に取り組
んでもらいたい。最少不幸社会を作るために、マニフェストを作り選挙に臨んだ
のではなかったか。そのマニフェストの理念をなんの反省もなく次々と反故にす
る管政権に小沢さんを切る資格なんて無い。