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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

室生の山から

2009-04-13 | 花と自然
今年の正月に山に登って以来、登山といえる山歩きはしてこなかった。仕事が忙しくなってきたことが大きい原因だが、体調もあまり良くない。体調は山歩きをしなくなったからが原因だと思っているので、なんとか山を歩いてみたいと思っていた。ようやく時間がとれて、少し遠くまで足を伸ばしてみようと、奈良県の住塚山(1009m)と国見山(1016m)に向かった。

 京都から近鉄を3本乗り継いで名張駅についたのが10時。そこからバスで1時間。歩き始めたのは11時だった。天気は良いし、予定の歩行時間は4時間半だったので、これでも十分な時間があると判断した。バスを降りたところから急な坂道を登っていくが、道は舗装道路だ。両側の民家をみながら40分ほども炎天とも言える暑い道路を汗を流しながら歩いていった。これでも4月なのかと思える。まるで真夏の暑さだ。暑いだろうと思ったので少しでも高い山をと思って1000mを越える山を探したが、しばらく歩いていないのに無理はできず、近畿の山には1000mを越える山は多くない。

 1時間歩いて屏風岩公苑に到着する。正面には柱状節理をみせる垂直の岩壁をもつ岩山が圧倒する。写真を撮ったのにピンぼけだった(^^;)。お弁当を食べて、その脇の急な登山道をひたすら登る。こんどは杉の植林地の中なので、多少は涼しいが、花はなにもなく面白くない。

まもなく最初のピークの住塚山に到着。汗が噴き出てくるので、のどが渇く。テルモスの紅茶を美味しく飲んで、ふたたび尾根道を歩き始める。おおきくタワまで下った後、また急な登りを汗をかきながらのぼる。二つ目のピークは国見山。360度の展望があった。天気も良いがもやっており、遠くはかすみ気味。歩いたことのない山塊なので、見える山の名前はまったく分からない。



 この山塊もあまり花は多くない。ハシリドコロの寂しい花が日陰で咲き始めている。ミヤマカタバミの真っ白い花がいくつか咲いていた。この花は私の好きな花の一つだ。出会えてほっとする。


 大きく降って、歩き始めて4時間が経つ頃、バス停のあるところまで降りてきたが、バスは当分来ない。ここから室生寺までは歩いて30分くらいだというので、歩き始める。途中、龍穴神社を見て室生寺に抜けるつもりで脇道に入ったが、どうやら違う道だと言うことに気がついたのは、歩き始めて25分くらいたった後だった。そろそろ足が痛くなり始めていたが、歩いて帰る以外に道はない。そこからもときた道を引き返し、1時間ほど歩いてようやく室生寺にたどり着いた。

 女人高野として有名な室生寺は、山の中にひっそりとある。高野山が女子禁制だったため、その代わりに女性が参拝に訪れたというところだが、いまでも歩いてくるには大変なところ。当時は歩く以外に方法はなかっただろうし、近くまで電車という手段もなかったから、京都からここまで何日も歩き続けて参拝に訪れたのだろう。仏の慈悲にすがりたいと思う女性には、本当に命をかけた参拝だったのだろう。ここに来たら、帰ることもままならない。その覚悟で女性たちは訪れたのだったろう。

 室生寺の桜がきれいだと聞いていたが、来てみるとあまり桜はきれいとも思えない。京都でたくさん桜を見てしまったからかもしれない。もうじきシャクナゲの時期が始まる。シャクナゲはいっぱいつぼみを付けていたから、開花の時期にはきっと美しいのだろう。室生寺は、美しい五重塔が有名で、私もそれを見たくてやってきた。写真で見るのと実物を見るのはこんなに違うものかと言うのが感想だ。室生寺の五重塔はかわいくて小さくて、びっくりするほどだ。女人高野らしいのかもしれない。この寺を守ってきた人たちはみな女性だったというのだから。



 京都に帰り着いたのは夜も更けた9時前になった。久しぶりの山歩きに心はすっきりとストレスが無くなったような気がする。また、機会を作ってどんどん歩きたい。いよいよすばらしい新緑の季節だ。暑さ対策を考えて、高い山に登りたい。