goo blog サービス終了のお知らせ 

ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

瀬戸内の花に背いて埋め立てとは

2009-04-11 | 花と自然
周防灘に面する周南市を訪れた。昔は徳山と言われていた街で、海岸線に立ち並ぶコンビナートがまがまがしい街である。こんなところにだけは住みたくないとつくづく思う。

 しかし、周南市も海辺から離れて山にはいるとなかなか捨てたものではない。山の中に泊まったのだが、美しい花に囲まれた宿だった。急激に夏が来たここ瀬戸内の街では、ソメイヨシノはもう花が終わりつつあったが、山の方ではそれでもまだ桜が楽しめる。もっとも他の花も一斉に咲き出して、百花繚乱の風情だ。ここで目をひいたのは、巨大な花をつけた木蓮。初夏の感が強いシャガの花も咲き始めている。



 トサミズキの花も木からまるで黄緑の雨のように一面ぶら下がっている。オオシマザクラの真っ白く大きい花が木全体をまるで綿をまとったように見せている。八重桜もこれからつぎつぎ花を開いている。山里のいまはもっとも華やかで美しい時期だろう。



 海を見たくて周南市から離れ、東よりの光市の象鼻ヶ岬に行った。戦前から山口県の自然公園に指定されているほど、風光明媚な海岸だったが、今は砂州でできている小さな岬がすべてコンクリートで固められている。なんと情けない姿だろう。それでも海の中は素晴らしい藻場が見られ、透き通った青い海が初夏の日射しの中で、うっとりするほど美しい。周防灘に面したこのあたりの海は本当に水も透明で、瀬戸内海とは思えないほど素晴らしい。写真にはコンクリートのないところを選んで撮ってみた。美しい海を持つ周防灘の海岸も、もうこんな場所もはなくなってしまっている。




 そして、このすぐ東側の柳井市沖の長島では、この素晴らしい海を埋め立てて原子力発電所を作ろうとしている。瀬戸内海に原発とは、いったい何を考えているのだろうか。しかもここは瀬戸内海国立公園のもっとも重要な場所になっているのに。埋め立て工事を開始したという悲しいニュースが日曜日の新聞の一面を埋めていた。中国新聞だけど。もっと日本の新聞がその悲しいニュースを日本中に知らしめて欲しいと思う。いますぐ埋め立てを中止して欲しい。