誰しも、忘れられない日を、
こころに秘めているのではないでしょうか。
ミツコにとっては、
2011年11月11日が、その1つです。
「美空ひばり メモリアルコンサート
「だいじょうぶ、日本!」
~空から見守る 愛の歌~」
主催・企画・制作:株式会社 ひばりプロダクション
東京ドームでの公演の、開催日です。
ひばりさんらしく、小雨そぼ降る空模様。
しかしながら、会場内は熱く、
「真赤な太陽」(郷ひろみ)、
「悲しき口笛~港町十三番地~東京キッドメドレー」(ゆず)、
「一本の鉛筆」(藤井フミヤ)、
「終わりなき旅」(平原綾香)、
「真実一路」(氷川きよし)など、
バラエティー豊かな楽曲を、
錚々たるメンバーが、歌い上げました。
東日本大震災という、予想だにしていなかった大災害に対し、
呆然とする私たちに、
すぐさま、歌を届けてくれた、ひばりプロダクション。
社長の加藤和也氏が、
このコンサートの企画を発表した際に、
「こういう状況のとき、母だったらどうするか、と考えた」
といった旨を、お話しされていました。
「母だったらどうするか」
素朴な発想ですが、
何しろ、母といっても「昭和三大巨星」(ミツコ制定)のお1人、
美空ひばりさんです。
これは、実に、たいへんなことです。
そして、加藤和也氏は、見事に実現なさいました。
温故知新を、絶妙に組みこんだ出演者、曲目、構成・・・。
まさか、岡林信康を、生で見られるとは思わざった。
夢のような、贅沢な時間でした。
と同時に、確かに、わたしは、あの夜、
ひばりさんに勇気づけられました。
「みんな笑って死んでいった」
著:加藤和也
文藝春秋
2007年5月(書店では手に入らないやもしれぬ)
あのようなスケールのコンサートを開催できるまでの
企画力、実行力、人情をもつ加藤和也氏ですが、
この本には、
美空ひばりという偉大なるスターの家族に
生まれついたゆえに抱えた、
葛藤が描かれています。
お父さんの「アメリカ」みやげの話には泣かされました。
いきなり始まって、いきなり終わった交換日記、
カラオケ(わたしも、ひばりさんは、
特別なマイクを使っていると思う!)、
病をおしてのコンサートでも、バンドにダメ出しをするなど、
思わず納得してしまうエピソードも豊富。
最後の最後まで読んで、
このタイトルの意味が、胸にストンときます。
いま、美空ひばりさんの歌や映像を、
安心して、聴いたり見ることができるのは、
加藤和也氏のおかげです。
ありがとうございます。
縁の下の力持ち。
苦難も多いやも分かりませんが、
どうか、これからも、
わたし達に、
ひばりさんの歌声を届けてくださることをねがいます。