街が金木犀の香でいっぱいになった。
事前に打ち合わせしていたわけでもないのに、金曜の朝から、家の金木犀と職場近くの金木犀が香りだした。
今日オートバイで買い物に行くと、いたるところで金木犀の香。
すごい季節感。
昨日の夜は中秋の名月が眩しくて寝付かれなかった。
なんて明るいのだろう。
京都の寺院では、この月を見るためにわざわざ月見台というのを造ったそうだ。
わかる気がする。
昔は電気なんてなかったのだから、闇をこうこうと照らす満月は貴重だったろう。霊力もあると信じるのは、しごく普通な感覚に思われる。
いくら明るくとも、はっきりとは見えないところがまた粋だ。
季節が移ろう平安のひと時。
中国の人も、中秋の名月には、月餅をお供えして家族で食べるんだそうだ。
夜になると、コオロギの声も一段と深くなった。
耳の奥まで鳴り響いている。