ひどい雨だった。
午後になり雨がやんだが、部屋の中がじめじめするので窓を開け放ち
空気の入れ替えをする。
和室も掃除。
和室には和帚が便利だ。部屋の隅の埃やゴミも簡単に掃き出し窓からシッシと外へ送り出すことが出来る。
日本間に掃除機は似合わない。
はたきに箒が伝統だ。
この箒は職人さんが作ったもので、
すばらしい出来栄えだった。
それで一目ぼれで購入した。
もう20年以上も前のことである。
いいものは一生ものとは言うが、それではなかなか買い替えるということがない。
売る側にとっては、買ってもらうのはいいが、一度きりではいい商売にはならないか?
と心配する。
はたきの方はさらに見なくなった。
最近の住宅は密閉式が多いので、はたきをかけるような通気性がないためか(我が家にもないが)気に入ったはたきがあったら買いたいとは思っている。
中野重治の詩に
「はたきを贈る」という詩がある。
昔習った先生でこの詩が好きだと言っていた人がいた。
~前略~
見たまえ
これは繊維の濃(こま)かな哀しい日本紙の手ざわりだ
そしてこれには無邪な少年の笑いの祝福が匂っている
美しい日曜の朝に君の部屋の掃除をして
この清浄な白いふさふさでもつて
君は君の書物や机のあたりを払いたまえ
君の心にふりかかつてくる煤とほこりをとを払いたまえ
そしてしとやかな言葉づかいで静かな半日をやすみたまえ
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