シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

DVDが出るのね!「午後の曳航」

2005-11-29 22:35:49 | Weblog
76年ルイス・ジョン・カリーノ監督、三島由紀夫原作の「午後の曳航」

実は未見なのだが、当時「キネマ旬報」で脚本が全部掲載されており読んでいるので、何となく見たような気になっている。

あ、でもたぶん映画紹介か何かで一部見ているな。だってラストを覚えているもの。

え!!でもそんな映画紹介でラストを見せるわけないよね、ってことはテレビか何かで見ているのかな?

まあ、いいや。

これは純粋さに関する映画だね。純度高く生きることが残酷な悲劇を生むという作品だ。

港町に海の男、クリス・クリストファーソンがやってくる。彼は2等航海士。その町で未亡人の美しいサラ・マイルズとそのひとり息子に出会う。

たくましいクリスにサラは心惹かれる。そして少年は父がいないこともあって、クリスの男らしさに憧れる。

この少年グループってのが、ちょっと変わっていて、この前母親にタリウムを与えて「実験」した少女とかぶるところがある連中が出てくる。

中心になっているのは、なかなか頭の切れる少年で、みんなで揃って猫の解剖をして「命」がどこにあるかを探ろうとする。「命」は心臓か?脳みそか?

そして猫はたまたま猫をかぶっているだけで、ピクピクと動く心臓を見て、少年は「この美しい命を猫であることから解き放ってあげる」みたいなことを言う。

少年は母親、サラとクリスが恋におち、セックスしている様を隣の部屋から穴越しにのぞく。

このとき、どんな気持ちだったのかな~~

クリスはどんどんサラと深い仲になってしまい、ついに海の生活を捨て、彼女と陸で生きることを決意。

それを聞いた少年は・・「彼は俗になり下がった」

そして「彼を解き放ってあげないといけない」と決意する。

その後は・・

もうだいたい想像つくでしょ。

最後、美しい海を見渡される丘で、眠り薬が入ったお茶を飲まされ、うとうとと横になったクリスを少年たちが取り囲み・・カメラは少しずつ遠のいていく。

彼らは小さな点のようになっていく。

長いこと、ビデオ化されていなかった作品だけど、今年の12月にDVD発売の運びとなるようです。三島ファンの方は見てみたらいかがでしょ。
かなり危ないテーマなので、見る人が見ると、危険マーク・・ですね