シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

狼が最高にかっこいい・・「クリスマス・ツリー」

2005-05-31 20:57:38 | Weblog
68年テレンス・ヤング監督作「クリスマス・ツリー」

ウィリアム・ホールデン扮する事業家のリッチマンは妻に先立たれ、かわいい息子とふたりの生活。といっても息子は寄宿舎の学校に入っているので、一緒に時を過ごすのはホリデイのとき。

ある休暇でふたりは小島へと遊びに行く。ボートで沖に出た彼ら、釣り糸がもつれたので父親が水に入り、ほどいている時、突然上空で爆発が起こる。驚くふたり。この爆発でボートにいた息子は放射能を浴び被爆してしまう。(父は海中にいたので大丈夫だった・・ほんまかいな?)

まだ12歳くらいの少年が、いきなり余命わずかと医師に宣告されてしまうのだ。

父親は強いショックを受けるが、息子との残り少ない時間を過ごすため、田舎の家へと移り住む。
学校に行くな、パパは病気でお前に一緒にいてほしいんだ・・と悲しい嘘をつく。

この少年がね~ものすごい美少年なの!
これ1本で、それ以降は見ないけど。

当時リアルタイムで劇場のロードショーで2回見ました。
冬の田舎の描写が美しく、貴重な時間を過ごす親子の描写がなかなか・・

息子に何でもほしいものを与えたい父は「狼がほしい」という彼の望みをかなえるべく、動物園に忍び込み、ペアの狼を盗んできちゃったりする。すごいもんだ!

この2頭の狼が堂々として美しい・・

本当は息子は病院の看護士さんの立ち話を聞いており、とっくに自分の運命を知っていた。
なんてけなげなの~

クリスマスまで生きたい・・この息子の望みはかなうのか?そして、へそ曲がりの私でも泣いちゃったラストシーンへと・・

言ってみれば難病ものの典型です。
でも、息子が逆に父親を励ましたりして、つとめて冷静に過ごす日々を描いているし、あまりあからさまな「お涙頂戴」にしていないところが良いです。

映画ファンのサイトで見ると、昔、クリスマスシーズンにはテレビの「水曜ロードショー」で放映されることが多かったらしい。水野晴男さんのコメントが毎回同じだったらしいですよ。ちっとは工夫して違うことを言ってほしいもんですな。


ラストシーンをよく見ると・・「レモ 第一の挑戦」

2005-05-30 20:37:59 | Weblog
85年、ガイ・ハミルトン監督作「レモ 第一の挑戦」

これは公開時にはまったくヒットもせず、今もうずもれていて知名度ゼロの作品だけど、なかなかどうして面白いの!!!

私たちはレンタルで何回も見ました。

ジャンルはアクションで、警官のレモは瀕死の重傷になったのをきっかけに、整形され新しい人間として生まれ変わらされる。
彼の新しいミッションは政府のエージャントとして007みたいな隠密の使命を果たすこと。

そこで、彼はマスター・チュンについて新しい武術「シナンジュ」を身に着けることに・・

この訓練がすごいおかしい。「スター・ウォーズ」のヨーダとスカイウォーカーの関係のようで、チュンは東洋代表って感じで西洋人であるレモを軽くバカにしながらも大事に育てていく。

西洋人にとっては神秘ってな感じのマスター・チュンを演じているのは実は西洋人のジュエル・グレイ(キャバレーなどに出演)。でも違和感なく見えるのはすごいです!

ピストルの弾をよける方法を教えたりして「マトリックス」よりもすすんでいるぞ!

タイトルが「第一の挑戦」だったので、きっと第二の挑戦もありだろうと思っていたけど、これっきりになっちまいました。なんせ、全然ヒットしなかったからな~

もしもレンタルで見る方がいたら、ラスト近くマスター・チュンが「さらばじゃ!」って感じで湖の上を走って去っていくシーンにご注目。
レモはマスターの神業に呆然としているが、私たちはマスター・チュンの足元を見て呆然・・
だって、湖の表面に板が丸見えなんだもの・・チュンはその板の上を走っているわけよ。もちろん水で隠しているけど、板の形が見えちゃうの。昔はCGもないしね。

本当ご愛嬌の愛すべき映画です!

まるで歌舞伎のよう・・「ドラキュラ」

2005-05-28 21:24:25 | Weblog
フランシス・フォード・コッポラ監督作、92年の「ドラキュラ」

私は読んでいないが、ストーカーの原作にかなり忠実に作られているらしい。ドラキュラ役は怪優ゲイリー・オールドマン、彼が亡き妻の生まれ変わりとして愛するミナをウィノナ・ライダー、ミナの恋人にキアヌ・リーブス、ドラキュラ退治のヴァン・ヘルシングをアンソニー・ホプキンス。
お~~すごいキャストだな~ちょい役でモニカ・ベルッチも出ている。

ウィノナは本当にかわいくて美しい。外人の女性にしてはすごく小作りな顔のパーツで、小鹿ちゃんのようだ。
特にこのころは一番美しくて、役にはぴったり・・

そして、何よりもゲイリー・オールドマンでしょ!この映画は・・

最初のころ、年老いたドラキュラ伯爵として登場するんだけど、この伯爵の城ってのがすごい!
城で、伯爵とキアヌが話をしていると、バックにあるドアとかが、何か、ズルズルと動いたりするの。からくり屋敷のような・・動いたからって本筋とは関係ないんだけど、そのへんが様式美っていうのか、歌舞伎みたいだな~と思ってしまう。

キアヌはこの城に経理の仕事で派遣され、血を吸われちゃう。
でも、ただドラキュラにチュ~~~ってされるだけでは、ドラキュラにはならないらしく、吸われた後、ドラキュラの血を飲まされて初めて新しいドラキュラとして誕生できるらしい。

ミア(ウィノナ)はキアヌの婚約者で彼を愛しているんだけど、伯爵(ロンドンに現われたときは若返っている)に声をかけられ何度か逢瀬を繰り返すうちに彼のとりこになってしまう。

これって前世からの恋人ってことで、もうどうしようもない深いつながりのようだ。

一見人間として外見をとりつくろっているが、実際のドラキュラ伯爵は化け物のような姿になってしまっているのだが、でも、ミアの思いは変わることはない・・

切ないね~

この映画のすごいところは、キャストの豪華さと映像だね。イギリスの良いおうちの庭とかが素晴しく美しく描かれている。

それにしても、ドラキュラもので私がいつも思い出すのが「ポーの一族」

これは少女マンガで萩尾望都って人の長編だ。死ぬことができず永遠の生を生き続ける宿命をもった美少年エドガーを描いた傑作で、その中では、首にガブッとかみつくというより、手を相手の首筋に軽くあてるだけでも相手から精気をとってしまうことができた。殺すまでもなく、相手からエネルギー・チャージ!すごく洗練された吸血鬼・・でしたな~
ついでに言うと彼女の「トーマの心臓」はいまだに私の少女マンガのナンバーワンなのでした。

グ~~~~~モ~~~ニング、ビエナム~~~!

2005-05-27 23:07:10 | Weblog
87年バリー・レヴィンソン監督作の「グッドモーニング・ベトナム」

実在の人物エイドリアン・クロナウアーをロビン・ウィリアムズが演じ、アカデミー主演男優賞など数々の演技賞にノミネートされた作品だ。

ベトナム戦争まっさかりの頃、ロビン演じるエイドリアンは、クレタ島でアメリカ軍人向けに流していたラジオ放送での人気をかわれ、サイゴンへとやってくる。

彼自身、DJといっても米軍の人間で、放送コードや検閲のガチガチの世界で番組をこなしていかなければならない。

でも破天荒な彼はおげれつなジョーク満載、ロック満載で、あっと言う間に戦場の兵士の心をつかんでしまう。

しかし、そんな彼を面白く思わない人間もいる。前任者のホークなど、まじめな放送に命をかけている人間たちだ。

ジョークのツボがはずれているって、本当につらいことで、面白くないものを面白いものとして聞かされることほど苦痛はない。一緒に住む同居人などは絶対にこのツボがはずれたらやってられません。

行動もめちゃめちゃなエイドリアンはベトナム人の女の子に惚れて、彼女のいる英語のクラスで英語を教えることになる。この授業がすごくおかしい。スラングばっかり教えるんだけど、ベトナム人のおばちゃんとかは、「教科書よりも全然楽しい」とか言ったりして・・

でも、そこで起こっている戦争という事実は容赦なく彼らをトラブルへと巻き込んでいくのであった・・・

この映画の魅力は完璧にロビン・ウィリアムズが放っている圧倒的なエネルギーだ。
彼の映画は結構見ているものが多い。あたりはずれもあるが、一番好きなものの1本が本作と「アラジン」での魔人ジーニーに声優として登場したときかな・・

でもさ~なんでベトナム戦争って始まったんだろう?なんでこんなに長いこと続いてたくさんの人を苦しめたんだろう?本当に悲しいよね・・人は懲りることなく、戦争を繰り返している・・
映画としては良いけれど、彼のDJを聞いた後、戦場で亡くなった者、そしてその兵士に殺された者がいるのだと思うと何とも言えない気持ちになります。

ひそかな名作・・「フォロー・ミー」

2005-05-26 19:15:40 | Weblog
72年名匠キャロル・リード監督の遺作となった「フォロー・ミー」

主演はミア・ファロー、トポル。
トポルは「屋根の上のバイオリン弾き」でスターになった人だね。
しっかし、「屋根の上~」はなんだってあんなに不細工な男優、女優ばっかりだったのか、不思議だ。トポルはまあいいけど、他に見れるのがレイモンド・ラブロック(当時人気イケメン男優)だけ・・あとはみなブスばかりでした。

まあ、それはともかく「フォロー・ミー」は野に咲く小さな花・・て感じの名作だ。

ミアはヒッピーの若い女性で、ふとしたきっかけで、資産家のぼっちゃんと知り合い、互いにないものに強く惹かれ結婚する。しかし、結婚後はどうしても存在が浮いちゃう彼女は家庭で窒息しそうになる。

だんだんと外出も増える妻の行動に不審をもった旦那は私立探偵のトポルを雇い、彼女の尾行をさせる。ひょっとして男でもいるんじゃないかって思ったんだよね。

トポルが尾行してみるとまったくそんなことではなく、ミアは息抜きにロンドンの街を気ままに歩くだけ・・自由で気ままな散歩を楽しんでいただけなのだ。

トポルはそんなミアの魅力にだんだんと惹かれていく。ミアもいつも自分のそばをつかず離れずついてくるトポルに少しずつ親近感を覚え・・(もちろん夫が雇った探偵さんとは知るよしもなく)

この映画の魅力はミア・ファローのかわいらしさ・・かな。
ファッションもかわいくて、彼女が街を歩く様子は超キュート。
うちの相方などは無条件にショートヘアの女性がNGなので、ミア・ファローなどは目に入らなかったようだ。
彼女ひょっとして男性よりも女性ファンのほうが多かったかもね。
テレビの「ペイトンプレイス物語」見てましたよ、私は・・

それと音楽がすごくいいのよ、ジョン・バリーだったかな。

全編、上質のお菓子みたい。こういう映画って今はあまりないよね。
たぶんDVDでは出ていないんだろうな~出てたら借りて見て見たい・・


なぜか女性監督の作品はキレイ・エロ系が・・「愛の嵐」

2005-05-25 21:12:52 | Weblog
73年リリアーナ・カバーニ監督作「愛の嵐」。一昔前の女性監督の作品ってなぜか、エロ系が多いような・・女性ならではのエロスってやつなのかな?

ナチス親衛隊にいたダーク・ボガードは戦争が終わった今は、過去の身分をいつわってホテルの守衛をしている。そのホテルにやってきたのが、高名な指揮者とその妻。妻である女性、シャーロット・ランプリングはかつて少女だったころ、強制収容所でボガードの慰み者になっていた。

彼女にとっては、忌まわしい・・はずの過去。

回想シーンでは、上半身裸に軍服のパンツをサスペンダーで吊った姿で親衛隊員の前で歌い踊らされる。なんというけだるい・・倒錯の世界・・

ボガードって人は本当に変な役がぴたりとはまる役者さんだ。私生活もちょっと謎っぽくてゲイだったんじゃないのかな?っていう憶測もある。ものすごい美男子ではないが、雰囲気全体が知的なエロさがある。(どういう意味だか、わかってなくて書いているが・・)

ボガードはかつての少女を見て、シャーロットはかつて自分をもてあそんだ男を見て、互いに激しく動揺する。ボガードはすぐに彼女に対する熱情を感じてしまうのだが・・

ここまで書くと何となく先が読めるって感じでしょ?

シャーロットは何不自由ないハイソな生活をしているはず・・なのに、結局かつて自分に地獄を見せて男にフラフラと引き寄せられ、再び・・・

そして、迎える悲劇的なラスト・シーン・・

これね、当時二番館ってものが存在していた時代に、池袋の名画劇場みたいなところで見ました。
高校生だったかな。

そのころは、「いや~なんてデカダンな感じなの~これこそ大人の倒錯の世界だ!」と深く感動。

シャーロット・ランプリングが好きだったこともあり、しばらくマイ・フェバリット・ムービーだった。
そう、この映画は彼女が好きかどうかでかなりの部分が決まりそう・・
暗く淫靡っていうのを、しけたネクラってとるか・・

今見たらたぶん「やってらんね~~」っていう感じなんだろうね。
何も昔のネチネチ陰気なサディストの元に帰らなくてもさ~
これを女の業って思い込むのは危険だよね。もっと明るいセックスをカラッと描いてくれたまえって感じですな

ジリスが最高・・「アイス・エイジ」

2005-05-24 22:58:43 | Weblog
02年、クリス・ウェッジ監督作、フルCGアニメの「アイス・エイジ」は劇場で見ました。

これは予告編がものすごくおかしくて、絶対劇場で見ようと思っていた作品。

氷河期(アイス・エイジ)、動物たちは暖かさを求めて移動する。そんな動物たちの中で主役3人はマンモス、ナマケモノ、サーベルタイガー。

ふとしたきっかけで、マンモスとナマケモノは人間の赤ん坊を助ける。彼らはやっかいな赤ちゃんをもてあまし、それでもなんとか人間のに戻そうとするが、サーベルタイガーはその赤ちゃんを奪って連れてくるように群れのボスから命令を受けている。

サーベルタイガーはマンモスとナマケモノをだまして、わなにはめ、赤ちゃんを奪い取ろうとするが・・

やっぱりね~CGって人間を描くのが一番苦手なんだってことがよくわかります。
氷河期の人間(大人)も登場するけど、どうも顔がね~
「トイ・ストーリー」の1のころも、登場人物(人間)がなんだかのべ~~っとしててマネキンみたいだったけど・・そのころからすると非常に進化しているとは言え、やはり髪の毛や肌って難しいみたい・・

この「アイス・エイジ」でも人間の赤ちゃんが全然かわいくありません。
そこがちょっと感情移入しずらい点だな~残念!

お話はまあまあ悪くないんですけどね。

しか~~し、この映画、DVDまでもっている理由はサプキャラのジリス。

このジリス(ネズミっぽい顔)がどんぐりをうま~く隠そうとする努力がめちゃめちゃ笑える!

これだけは見ないとわからないおかしさだ!しかも、何となく相方から見ると、そして自分から見ても、このジリスのキャラは私自身とかぶるところがあるのよね~

「おいおい、そこに押込めなくても、そこに無理やりしまおうとしなくても・・」って、つっこみを入れたくなるけど、ふと、自分もこういう感じじゃ~~んと思っちゃう。

力だけは強いから、無理やりねじこんでその箇所を破損するっていうパターン、過去に何度もやっています。ごめんなさい!

てな感じで、何回かストーリーに関係なく登場するジリスを見るだけでも、この「アイス・エイジ」は見る価値・・ありです!

昨日の続き・・「グリーンマイル」

2005-05-23 22:47:18 | Weblog
ジョン・コーフィーは幼い姉妹ふたりをレイプし殺害した罪により死刑を言い渡され、死刑囚として刑の執行を待つべく収監されている。
そんな彼には不思議な力があり、病人を癒すことができるのだ。

コーフィーたち、死刑囚の面倒を見ている看守たち、トム・ハンクスをはじめ、みな優しい。
ただひとりを除いてね・・

「ショーシャンク・・」のときにも出てきたけど、刑務所の看守の中には信じられないくらいサディスティックなやつがいる。犯罪者はどう扱ってもいいって感じで暴力を容赦なく加えるやつ。

自分のストレスのはけ口にもなっているのかも・・

このコーフィーの不思議な力でトム扮する看守は尿道炎が治り、所長の奥さんは脳腫瘍が治ってしまう。

トムは彼の無実を信じ始める、「神がこんな力を与えた人間に人は殺せない」と・・

実際コーフィーは無実で、トムは彼を見逃して脱獄させてやるという提案までする。しかし、コーフィーの返事は意外にも「(自分に死刑執行することで)ボスは親切なことをするんです。世界中で毎日悲しいことが起こっていて、もう自分は疲れました」

彼は神の使い・・なのか?結構善は善、悪は悪・・って感じで、悪にはそれ相当の裁きがおりるって感じもしないではない映画・・だ。
映画ファンのサイトでは紋切り型の「勧善懲悪」映画で嫌いっていう感想があったな。

善を成す存在、ピュアな魂であるコーフィーは処刑されることで肉体から解放されるってことなのだろうか?

私はスピルバーグのように「4回」も泣きはしなかった。
別に泣かなくたって「いいね」と思える作品なんじゃないかな?

なんか好きなんだよね、この映画。役者もいいし、カメラもキレイ・・

とにかく映画の宣伝で「泣けます!」ってやつはやめてくれ!
泣かない私は「へそまがり?」って思っちゃうからさ

マイルで見たことは他言無用・・「グリーンマイル」

2005-05-22 23:42:19 | Weblog
99年、フランク・タラボン監督作「グリーンマイル」はスティーブン・キング原作の映画化。
昨日のテレビ放映分も入れると数回見ている。

なんといっても死刑囚ジョン・コーフィーを演じるマイケル・クラーク・ダンカンの抜群の存在感。彼なしには、この映画は成立しない。

私は彼が大好きで、「アルマゲドン」のころから「いいね~~」と思っていた。
あのデカイ体、相方いわく「ミシュラン」君・・ミシュラン・タイヤのマークみたいだからだそうだ。

この映画は一言で「感動しました~」とか「良かったです~」とか「泣けました~」とか言えない非常にデリケートな作品だと思う。

なのに!昨日のテレビ放映分のキャッチ・コピーは何ですか!「スピルバーグも4回泣きました」!!!それがどうした!なんで回数まで書くねん!

最も嫌悪すべき宣伝文句で、この映画のもっている美は台無しだぞ!

でも今夜は疲れて頭が働かないので明日再び「グリーンマイル」の感想を書くことにしようっと。

明日へ続く・・

予告編最高!でも本編は・・「トゥーム・レイダー」

2005-05-20 18:52:42 | Weblog
01年サイモン・ウエスト監督作「トゥーム・レイダー」はアンジェリーナ・ジョリーが人気ゲームソフトのララ・クロフトを演じている冒険アクションものだ。

予告編を見て大興奮!相方も私もアンジェリーナの大ファンなので、「見るべ!見るべ!」と勢いこんで劇場鑑賞。

始まって10分くらいはね、結構面白い。
で、でも・・なんか終わってみたら、「う~~~~~ん」

アンジーは魅力的で、鍛え上げたボディに胸に詰め物までして大健闘!銃をぶっぱなしたり男に頭突きをくらわしたりとかっこいい!
本当に強そうに見えるからね。なんせ、事前のトレーニングも徹底していて、ボディラインを変えるために撮影期間、彼女はお茶とプロテインしか口にできなかったそうだ。

このへんが日本の映画(テレビも含め)の弱いところだね。お金がないから事前準備ができないので、女優さんの肉体改造まであまり徹底できないし、トレーニングもあまいので、ゆるいアクションしかできない。男と戦うシーンなどあっても、どう見ても強そうに見えない。

このへんは評価する・・確かに。

でも、何か面白くないの!
脚本があまり出来が良くないのかな?アンジーのせりふも「私って粋なせりふ言っているでしょ?」みたいな臭さがある。

惑星が直列するとき、何かが起こる!人類の運命を握る女ひとり、ララ・クロフト!
っていう筋書きなんだが、中途半端この上ない。

まあ、彼女はまだ魅力的なキャラとして描かれているが、まわりの男優がいけませんな。アンジーの元彼らしいやつもでるが、全然いかさない。こんな男になんで惚れてたの?って感じ。

だいたい、トレジャー・ハンターって何?ララは大金持ちでまさかこれは仕事じゃないよね。
趣味?「インディー・ジョーンズ」は考古学者っていう立場でお宝を守ろうとする使命があるってのが理解できるんだけど、ララの場合は何?

彼女は、執事(これもとってつけたようなキャラ、「バットマン」の執事役を見習いなさい!)とメカおたくの友達(手下?)とともに馬鹿でかい屋敷に住んでいる。
父親役が実の父のジョン・ボイド。これはまあ、しゃれがきいていて良い共演ですね。

アンジーが好きな方は映像のみ流してBGMに違う音楽でも流しながら、環境映像のように楽しむといいかもしれません。
しか~~し、これで懲りたはずの私たちは結局数年後「トゥーム・レイダー2」を劇場で見ている。しかも1も2もDVDをもっている。

恐るべしアンジーの魅力!でした

ちょっと淡々すぎ・・かな「クイール」

2005-05-19 19:50:07 | Weblog
03年、崔洋一監督の「クイール」はかなりヒットした作品だ。
先日妹がテレビ放映分をビデオに撮っておいてくれたのを見ました。

私は、かなり涙もろい・・でも、「思いっきり泣けました~」とか「ウルウルしました~」などと上映後の感想を言う若者の映像をフューチャーした劇場映画の宣伝を見ると、「この映画には絶対、泣かないぞ!」と決意するタイプだ。押し付けるんじゃないよ!、涙を!と思っちゃう。

この「クイール」は実在の盲導犬クイールの一生を描いている。盲導犬っていうのは血統なんだって。知らなかった。盲導犬の親ではない犬から生まれたうちの1匹をどうしても飼い主が盲導犬にしたいって気持ちから物語は始まる。

選ばれた子犬はパピー・ウォーカーのおうちに預けられ、1歳までを過ごし、その後訓練センターに来て、基礎訓練、オーナーが見つかるとそのオーナーさんとの訓練。その訓練合宿をクリアーできれば、自宅での盲導犬との生活が始まる。

クイールはクリーム色のラブだが、珍しいことにおなかに黒いあざがある。
なんか、バッテンマークのようにも見えるが、鳥を羽を広げている図にも見える。

クイールのオーナーは小林薫、糖尿病から失明したらしく、見えていた時代もある人だ。
ぶっきらぼうだが、愛情は深く、なかなか味のある好人物を彼がうまく演じている。
小林薫は以前テレビドラマでヤミ金融の社員をやっていたことがあり、それもなかなかよかったな。

訓練所所長は椎名きっぺい(漢字がわからないの)。これも結構よかったかな。
「クイールさん」って呼んだりして、盲人に対してもあまりベタベタした優しさは表現しないところがかえってよろしい。

私は昔、彼の名前を椎名かっぺいだと思い込んでいた。すみません!

犬にもあまりわざとらしく演技させていない点もよろしい!でも実際の犬って、もうちょっとキャラ濃いけどね、盲導犬なんだから、まあ、いいでしょう。


こうして特に悪いところもない映画なのだが、なんだか面白くないんだよね~
やっぱりね、私にとっては映画ってテンポが大事なんだよね。
この「クイール」は何だかリズム感のない作品なのよね。作りすぎていない感じにしたかったと思うんだけど、じゃドキュメンタリーにすればよかったじゃん!とつっこみたくなる。
淡々としすぎ・・かな。
単調なマッサージってとこ。
ず~っと同じ調子で肩もまれていても、ね・・・やはり緩急がないと・・
もまれている気がしないってもんです。


すごい期待、見終わったときのぐわっかり・・「ジュラシック・パーク」

2005-05-17 20:40:46 | Weblog
93年、スティーブン・スピルバーグ監督作「ジュラシック・パーク」は原作の日本語版が出たときに読み、スピルバーグが監督すると聞いて、猛烈に期待で胸をふくらませていた作品だ。

だって絶対に彼がやるしかないでしょ!と思っていたから。

マイケル・クライトン原作の「ジュラシック・パーク」の面白さは何と言っても、バイオテクノロジー競争、新しい発見や情報の盗み合いを描いているところにあると思う。

恐竜を復元する方法の説明もすごく面白いし、とにかく小説であのくらい興奮した経験もないってくらいだ。

映画の日本公開が決まり、前売り券発売、指定席券の電話予約がスタートした日、私は相方に頼まれて朝から電話をかけまくった。が!しかし、まったく通じやしない!

そこで行きましたよ、銀座まで!窓口であっさり初日の指定券をゲッツ!

それから指折り数えて待ちました!そしてついに公開初日、えらそうに指定券をちらつかせて、一般席を買うために長い列にお並びになっている方々を尻目に「ふふ~ん」とか言いながら、館内へ。始まるまで、興奮しすぎで頻尿になってしまい、2回もお手洗いに行った私。

さあ!始まったぞ~~~~

(そして上映終了後・・・)

おいおいおいおい~~~~!!!!何だよ、この映画は!!!
原作の前半を思いっきりカットしちゃっているぞ!!
いきなり島ですか!いきなり恐竜ですか!

気持ちはわかるけど、これじゃ、原作の素晴しさは数パーセントしか生かされていない。
まあ、原作は長いから忠実に映画化は無理なんだけどね。

主人公グラント博士役のサム・ニールは顔がちょっとイメージとはずれている。
もう少しワイルドだと思うぞ!
ジェフ・ゴールドブラム演じるカオス理論を唱えるマルカム博士はすごいぴったりだけどね。

でも、Tレックス登場のシーンはさすが!思わず「いよ!千両役者!」と声をかけたくなったくらい大迫力だ。

このTレックス君、メイキング映像見たんだけど、水にぬれると弱いらしく、水びたしのシーンで小刻みに震えていたのがおかしかった。

「ジュラシック・パークⅢ」は軽い気持ちで映画館で見ましたが、これはシンプルに面白かった~大迫力で映画の面白さ満載って感じ。
誰か、10年くらいたったら、この「ジュラシック・パーク」をリメイクしてくれないかな~


ネズミの大群・・「ウイラード」

2005-05-17 00:00:54 | Weblog
71年、ダニエル・マン監督作「ウイラード」
これはお正月映画でした。今はもうない渋谷東急で見ました。

今で言うネクラな青年、ウイラードはネズミと友達。頭のいい2匹にソクラテスとベンという名前をつけてかわいがっている。
西洋人にとってはネズミってかなり嫌われ者的存在・・

彼は仕事上の恨みをもった相手に、このネズミたちを使って復讐していく。

そう言えば、昨日のテレビの洋画劇場では「ボーン・コレクター」をやっていて、地下室に監禁した人質を傷つけ、その流血から寄ってくるネズミに人質を食い殺させるっていうシーンがありました。ネズミ君たちは、縛られて抵抗できない人間であれば容赦なく襲うってことなんでしょうか?

でも、今思うとこんな映画がなんでお正月映画になったのかなといささか疑問。

きっと動物パニックものの先駆的映画だったんだろうし、お決まりの「ラストのことは誰にも内緒!」みたいなコピーだったと思うので、そのあたりが興業的にはいけまっせって感じだったんだろうね。

悪くないんですが、一番まずいのはラストシーン。
ウイラードは裏切りからネズミのソクラテスを死なせてしまい、生き残ったベンから復讐されることになる。
たくさんのネズミがウイラードに「襲い掛かる」シーンなんだけど・・

「襲い掛かる」はずが、どう見てもカメラの向こう側からポイポイ投げられているネズミ・・にしか見えない・・

「友達だったのに!!」と絶叫しながら、ネズミにたかられまくり絶命するウイラード。
でもさ~もうちょっとネズミの数が必要なんじゃない?
倒れた彼にたかっているネズミがね~なんか存在が薄いんだよね~
そんなんで人間が死にますか?って・・

今ならCGで簡単にできちゃうことが、当時は大変だったんだろうな~

最後は黒いネズミ、ベンの顔のアップで終わります。そして続編「ベン」につながるのよね。

昔実家でもネズミが出て、お手伝いさんが「ネズミのバカ野郎~~~!!」って叫んだら、翌朝、台所の柱がガジガジとかまれていたんだそうだ。ネズミは人間の言葉がわかるらしいってんで、以来、我が家での禁句は「ネズミのバカ野郎!」になりました。

イタリアの名作・・「天使の詩」

2005-05-15 21:06:32 | Weblog
65年、イタリアのルイジ・コメンチー二監督作「天使の詩」はカンヌ映画祭のパルムドールにノミネート(受賞は逃している)もされている名作だ。

これ、たぶんテレビで見ました。そして、あまりにも号泣したのを覚えています。

フィレンチェ駐在の英国領事の妻が病死した。残された子供は8歳と4歳の息子ふたり。
妻に先立たれた夫は、母親の死を長男だけに伝え、次男には黙っているように話す。

この次男は病弱で、もしも母の死を知れば病に倒れてしまうかもしれないと父親が案じたからだ。
長男は出来のよい聞き分けのよい子で、父親との約束をしっかり守る。

しかし、しっかりしているったって、まだ8歳の少年が母の死の哀しみからあっさりと立ち直れるはずもなく・・

この映画はね~とにかくふたりの男の子がめちゃくちゃかわいいの!
でも、次男はなかなか小憎たらしいキャラで、顔をかわいいけど、なんかあんまり好きになれなったのを覚えています。だって、父親と長男が旅行に出掛けるって聞いて、ホースで水を浴び、発熱しちゃうんだもの。邪魔したかったんだよね。

父親は病弱な次男にばかり心をくばり、しっかり者の長男をついついないがしろにしてしまう。

長男はこのまま大人になれば、今で言うところのアダルト・チルドレンってやつになるんだろうな。

でも、この映画では長男は大人になれずに人生を終える・・悲劇的な結末で・・う~~ん、もうあまりにもかわいそう~~~
彼は最後に父に言う「パパはアンドレア(弟はこんな名前だったように記憶している)のものだ」

なんてかわいそう~~~

映画ファンのサイトを見ると、今までで一番泣けましたとか兄弟関係で同じようなことを体験している自分にとってはあまりにもつらい映画、とかの感想がアップされていました。私は父親に溺愛された方なので、このへんは身につまされることはなかったけどね・・

でも画面が信じられないほど透明感に満ち、美しいだけに、長男の孤独感、もちろん、父親の孤独感がひしひしとしみる。

なんでこんな哀しい映画を作るんだよ~と夕陽に向かって吼えたくなるような作品である!


映画は見るときによって感じ方も違うね・・「さらば美しき人」

2005-05-14 22:20:11 | Weblog
71年、ジョゼッペ・パトローニ・グリフィ監督作、「さらば美しき人」

これはね、テレビ放映で見たんですよ。たぶん72年とか73年に・・
中学生だよね~自分は。こんな映画よくテレビでやったな~

劇作家ジョン・フォードの「あわれ、彼女は娼婦」とかいう原作の映画化らしい。イタリアで金持ちのボンボンが10年あまり勉学の旅で離れていた我が家に戻ってみると、血をわけた妹、アナベラは美しい女性に成長していた。

彼はアナベラを妹として見ることができず、自分の欲望に苦しむ。
アナベラもまた、立派にかっこよくなった実の兄に心惹かれてる。

最初は兄である主人公が欲望と戦うさまが描かれている。そして、ついに一線を越えるふたり・・

しかし、当然近親相姦は許されるものではなく、アナベラは求婚してきた貴族の男性と結婚せざるえなくなる。

初夜を拒否し続けるアナベラだったが、ついに・・
しかし、その真っ最中に彼女は失神してしまい、実は妊娠していることが発覚してしまう。
もちろん兄との間の子供だ。

事情を察知したこの亭主は、兄一族を呼び、華やかな宴を催すと見せかけて・・彼ら一族を全員皆殺しにしてしまう!

てな展開・・ね~よくテレビでやったでしょ?

ラスト近くの虐殺シーンはかなり強烈で、当然兄もアナベラも殺される・・
でも、彼らにとってはそれで解放されたのかもしれないかな・・とは思う。

この映画、少し前にレンタルで見てみました。いや~、なんだかね~
子供のころに、「すごい!感動した!」っていう映画も時を経て見ると、違って見えるもんだな~

うちの相方などは、「全然感情移入できないじゃん!全然面白くない!」

だいたい、主演のアナベラ役のシャーロット・ランプリングが好きじゃないのよ、彼は。
私は好きな女優さんのひとりなんだけどね。彼女の非常に若いころの作品で、神々しいくらいにキレイ・・この暗い宿命を背負ったヒロインにはぴったりの顔立ちっすよね。

後味も悪いけど、ヨーロッパの暗い雰囲気が好きな方なら、一度見てみてね!