シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

これが拾い物です・・「WATARIDORI」

2005-04-30 00:03:20 | Weblog
01年フランス映画、「WATARIDORI」これはドキュメンタリーで、以前「ミクロコスモス」っていう虫君たちのドキュメンタリーを製作したフランスの男優さんが第二弾として世に送り出したものです。

「ミクロコスモス」はご家庭の庭にいるごく普通の虫君たちをドアップで、そのユニークな生態を描いていて結構楽しめましたが、いかにせん、ホントは虫嫌いの私なので・・ちょっとしんどいところもありました。

今回は鳥!そう涙を抱いた渡り鳥!

もう飛ぶ、飛ぶ、なんであなたはこんなに飛ぶの?ってくらい長距離をみんなで助け合いながら飛びます、飛びます。(坂上二郎さん、良くなってよかったですね)

最初にこの映画のことを聞いたときは「え~~~鳥??ひたすら渡り鳥を見るんすか?」と思い、絶対飽きるに違いないと思っていたが・・意外と「いや~~~キレイ~~」と大感動!

カメラがすごいの!鳥と同じ高さで小型飛行機で飛んで撮影しているから、自分も群れの1羽として一緒に飛んでいる感覚。うっとり・・
制作費20億円だって・・撮影にも3年もかかっています。
それだけのこと、ありますよ~

景色もきれい、それにしても本当になんであんなに長距離を飛んで移動するようにプログラムされているのかな?誰も教えない、なのに、本能ってすごい!

映画ファンのサイトでは全く楽しめなかったって方の感想ものっていて、確かにそういう方もいると思いますが、野生の動物が好きで、自然の描写がある映画が好きなら、見る価値ありかも・・

同じ系列で「アトランティス」っていう海の生き物のドキュメンタリーがありましたが、これはちょっと・・作りすぎであまり素直に楽しめなかったかな。
よかったけど・・劇場で見たが、近くの席のおっさん、爆睡でした。


原題は訳しようがないかも・・「めぐり逢えたら」

2005-04-28 23:40:39 | Weblog
93年女性監督ノーラ・エフロンの「めぐり逢えたら」は原題が「スリープレス・イン・シアトル」

美しい妻を病気で失った建築士のトム・ハンクスはひとり息子とシアトルに引っ越してくる。
妻との思い出でいっぱいの土地にはいられなかったからだ。シアトルに移り住んだものの、彼の孤独は癒されず夜眠ることができない。

息子(たぶん12歳くらいかな)は父親を心配してクリスマスの夜、ラジオの人生相談に電話をかける。精神科の女医と話すトム、彼が夜眠っていないことを告白、女医が匿名扱いの彼を「スリープレス・イン・シアトル」さんと呼ぶのだ。

トムが亡き妻との思い出を語るラジオの番組を運転中に聞いたメグ・ライアンは婚約したばかり。
優しい(ちょっと食い足りないけど)フィアンセと幸せいっぱいのはず・・
なのにクリスマスの夜トムの声を聴いたとき、彼女は強く心引かれてしまう。

これはロマンチック・ラブコメディだが、実際トム・ハンクスとメグ・ライアンが出会い、言葉を交わすのはラスト・シーン。エンパイア・ステートビルの屋上のシーンのみ。

ラジオの番組で息子が「パパには新しい奥さんが必要」なんて言ったもんだから、アメリカ中の女性から手紙がわんさか来てしまう。
その中から息子が「この手紙いいよ!彼女と会ってよ!」と言ったのがメグからの手紙。

この息子には直感力があるってことになるのかな。

このころのトム・ハンクスはまだ若く、ラブコメの主人公をやってももちこたえることができました。もちろんメグも超キュートだった・・

でも、今はふたりとも・・ね・・もうラブコメはきつい・・

同監督でふたりがまたまた共演した「ユー・ガッタ・メール」もいいんだけど、やはりビジュアル的にきついのよね~

どちらも大好きな役者さんなので、違うジャンルでがんばってね!

「めぐり逢えたら」は一種のお伽話だよね。だって、ありえね~って設定だもの。
メグの婚約者を演じているビル・プルマンが本当に気の毒。でもこういう人っているよね。
「いい人なんだけど・・」でくくられてしまう人。

また、トムの親友夫婦の役で奥さんがリタ・ウィルソン、トムの実生活での奥さんですよね。
彼女が映画「めぐり逢い」の描写を入り込んで泣きながら再現してみるシーンは笑えました。

役者がそろい、カメラもキレイ、テンポもよく、せりふもよく、子役もかわいく、ほぼパーフェクトな作品。何回見たか、忘れたくらい大好きな映画で大好きなシーンもいっぱいある1本です。


今日も男の本音映画「ブーメラン」

2005-04-27 21:33:02 | Weblog
92年レジナルド・ハトリン監督作「ブーメラン」はエディ・マーフィ主演。

今や大スターのハル・ベリーが新人のころの出演で、かわいいね。

エディは化粧品会社の副社長。仕事の実力もあり、男前、モテモテの独身男だ。
素晴らしいマンションに住み、うま~~い理由をつけては魅力的な女性を連れ込むことに成功している。このくだりがおかしいの。彼にとってこだわりのある大事な女性の体のパーツが足の甲。
ベッドインした女性がぐっすり寝ている間にそ~~っと足の甲を観察。「だめだ、こりゃ」てな感じでそっと逃げちゃったりする。

そんな彼の会社が買収される。合併先でも自分の地位は安泰だと思っていたのに、彼女の上司には買収相手の副社長のやり手女性キャリアが抜擢される。
この彼女がすんごい美女!エディは才能もあり美貌もある彼女に熱をあげる。

出張先でベッドを共にしたふたり・・エディはそっと寝ている彼女の足の甲を・・「やった~~!!」理想の美しさ!絶対彼女と結婚するぞ!と燃えるエディだったが・・

それまで女たらしで手に入れると飽きるというのを繰り返し、女から逃げ回っていたエディが彼女にぞっこんになる様が笑える。

男女が逆転したようで痛快だ。

結局彼はハル・ベリーの優しさに気づき、彼女とハッピーエンド・・
てな感じなので、ちょっと展開はお約束なんだけどね。

特別ストーリーが面白いってわけではないけど、あまり重いものは観たくないって時にはいいんじゃないかな?
公開時にはヒットしなくて、このころ、エディの人気は低迷気味になってきていた。
でも、私は結構この作品好き。エディが自分自身をパロディのように描いているみたいだし、買収先の化粧品会社のオーナー(実権はないみたいだけど)のおばあちゃん(60代後半かな)から迫られて何とか自分の地位を確保しようとベッドを共にするシーンとかも笑える。
真っ暗にすればできるんですかね~
男はつらいよ!

怪しくセクシーで男にとっては都合のいい話・・「栗色のマッドレー」

2005-04-27 00:28:12 | Weblog
70年のフランス映画「栗色のマッドレー」では当時恋人同士だったアラン・ドロンとミレーユ・ダルクが共演している。これはミレーユが原作を書いているらしく、不思議な三角関係の話だ。

アランとミレーユは美術商かなんかで成功し、かなりの豪邸に住んでいる。(たぶん同棲中)
アランは女にもてるので、しょっちゅう浮気していて、ミレーユは寛容に受け止めている。

でもさ~自分は他の女と浮気しても、ミレーユが他の男からパーティーでちょっかいを出されると怒って彼女を取り戻す、なんかフェアじゃないよね~でも、きっとそんなアランをミレーユは愛しているのだろう・・

しかし、ある日、ブラックとの混血の若いマッドレー(本当に肌は栗色だね)という魅力的な女性が現われたことで彼らの生活は一変してしまう。

彼ら3人は同じ屋根の下に住み、アランはミレーユと寝て、翌日はマッドレーと寝て、また翌日はミレーユと寝て・・みたいな・・

男にとっては天国・・ですな。

だって、自分を最も理解してくれる女性をすぐそばにおき、鮮度のいい出会ったばかりの若い美女もすぐそばにはべらせ、どちらも文句を言わず・・

三角関係は不思議な均衡を保ち、日常は過ぎていくが、ある日ミレーユが「あなたを一番理解しているのは私。だって私は妻だもの・・」と微笑みながら言うとアランはふたりの女を前にして「愛しているよ・・ふたりとも」と言う。

ミレーユは耐えられなくなり、家出。

でも結局ね~3人は3人でいることでバランスがとれるらしく、ラストは3人で馬で旅立つところで終わり・・

は~~~

マッドレーという存在はミレーユにとって「アランと自分の間でとっておいたほうがよい距離感」のシンボルなのかも。こういうめちゃめちゃもてる男とつきあったり夫婦でいるということには、かなりの忍耐力が必要だし、寛容であることが要求される。

彼女にとっては、この原作はカタルシスみたいなもんだったのかもね。

当時これはテレビ放映で見ました。ミレーユ・ダルクが好きで、彼女のパンツスタイルには「は~足長~い・・」とうっとり・・アランが彼女を抱きかかえ、テーブルの上に立てて、ちょうど彼の口のあたりに彼女のパンツのジッパーのあたりが・・そのジッパーにアランがキスするシーンを見て、「ひゃ~~~~大人ってすご~~~い!」とびっくり!

だって私は高校生!そりゃ、刺激的ですわな。

ヘンテコだけど超ラブリー、何度も観ました・・「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」

2005-04-24 21:49:28 | Weblog
93年、ヘンリー・セリック監督「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」
監督こそしていないけど、原案・キャラクター設定・製作がティム・バートンで、まさにバートン・ワールド!

音楽が素晴らしくて、担当のダニー・エルフマンも声優のひとりとして出演しているらしい。(役柄わかりません、誰か知っていたら教えて)ちなみに彼の奥さんは女優のブリジット・フォンダ。

これはクレイ・アニメというスタイルで人形を少しずつ動かして撮影するという気の遠くなるようなプロセスです。

主人公、ジャック・スケルトンはハロウィン・タウンのヒーローです。ハロウィン・タウンの住人はみな脅しの名人、でもそんな住人の誰もが彼を尊敬している。それなのにパンプキン大王、ジャックは毎年の繰り返しになんとな~く落ち込み気味。

そんなある日、森に入った彼は、ある木にあるドアからクリスマス・タウンにまぎれこんでしまいます。このクリスマス・タウンがめちゃめちゃかわいいの~

氷のはった湖で遊ぶ子供たち、横にいるのはペンギンで子供がスケートでツ~~と滑るとパチパチと拍手したりする。細かい描写がすんごくかわいい!!

ジャックは初めて見るクリスマスの世界にすっかり魅せられ、自らがプロデュースするクリスマスをやろうと決意!ハロウィン・タウンの住人一丸となってクリスマスの準備が進みます。

って言ったって、ダークな世界の住人たちが作るプレゼントは怪奇色ばっかり・・

ジャックを想うサリーは不安でいっぱい・・
さあ、ついにやってきたクリスマス!本物のサンタを誘拐して、まんまとサンタになりすましたジャック、骸骨のトナカイのソリに乗って颯爽と出掛けるが・・

人形なのに、素晴らしく表情がリアル、仕掛けが細かくて見るところいっぱい!
ジャックに想いを寄せるサリーはつぎはぎだらけの女フランケンシュタインで、どうやらティム・バートンが大好きなキャラのようだ。

「シザーズ・ハンド」の主人公も顔がつぎはぎだらけ・・どうも、つぎはぎっていうのがティムの「いいな~」と感じるキャラらしい。

何度観ても飽きないし、ラストも素晴らしく美しい!

ジャックの飼い犬(でもゴーストなのかな)ゼロもかわいいよね!


もう一度見る勇気がなかなか・・「悪魔のいけにえ」

2005-04-23 22:19:53 | Weblog
74年トビー・フーパー監督作「悪魔のいけにえ」が与えた影響は大きい。

これはホラーというよりサイコ恐怖映画かな。

当時あまりにショッキングでおぞましい内容で、物議をかもした。
いろんな映像を見慣れているプロの映画評論家でさえも、すさまじい内容に試写会では絶句状態になったらしい。

トビー・フーパーは新人だったけど、力強く悪夢へと引きずり込む力量には唖然。でもその後はあまりパッとしませんね。燃え尽きちゃったのかな?

実際にあった事件をもとにストーリーは展開します。テキサスで数人の若者が車でドライブしていて、彼らはひょんなことからある一家と出会い、そこで地獄を見ることになります。

こんな人間たちってほんとにいたんですかね?
アメリカって真っ直ぐにどこまでも道が続き、家と家の間が何キロも離れているところなんかも多いんでしょうが、この家族は通りかかるドライブ族を襲い殺害しては人骨で家具とかを作っていたそうで・・

この映画の中で最も強烈なキャラ、チェーンソーをブンブン振回して、人間を切っていく、あのレザーフェイス!
このレザーフェイスは体も大きく、力も強い。女の子なんか平気で持ち上げ・・ここはちょっと描写できるシーンではないの、カットしますが・・その強さ、無表情さがすさまじく怖い!

ホラーのように「じっとり・・・」とか「ウジウジ・・」とか「ゾッと・・」とかいう恐怖感ではなく、乾いた感覚・・無慈悲っていう言葉がぴったりかな。

日本の伝統的なホラー、「四谷怪談」などが人の感情にからまったものを元に展開している世界なのに対して、こういう作品は「無感情」がベースですね。

今の時代になると日本にも、レザーフェイスのような男が潜在的にいることが様々な犯罪から明らかになってきましたね。
「悪魔のいけにえ」のような映画の与えた視覚的な刺激からの影響もあるのかな~?

そう思うと、こうした映画が世に出ることもいかがものかってことになるね。

ポルノと同じで、欲望に点火するきっかけになるんだとしたら・・ね。
難しいところだ。

でも「悪魔のいけにえ」はクラシックの怪作であることに間違いはない。
今一度見る勇気がなかなかないんだけどね。

DVDで見ると鮮明すぎて恐怖感が減るらしいです。怖がりたい方はビデオでの鑑賞をおすすめします。






パット・メセニーに陶酔・・

2005-04-23 02:02:50 | Weblog
ももさんからのご質問もありましたが・・
今夜国際フォーラムに行ってきました、パット・メセニーのライブ!

もうね・・はっきり言って「生きててよかった!」と思いました。
帰りは相方と車で帰ってきたのですが、うちの近くで、酔っ払いで、しかも何かストレスたまっていそうなおじさんがフラフラ歩いているのを見て「かわいそうだね~」と相方は言いました。

「あんなに美しい音楽を聴く機会に出会えなくて、しかもあんなに不幸そうにヘベレケで・・」

何と感想を書くのがいいのか、ちょっとまだ感覚がまとまっていない感じもするけど、圧倒的な音圧っていう表現(これは他の方のブログの表現)がぴったりかな。

前半は洪水のよう・・パットというよりグループ全員のワークって感じ・・
後半は昔の曲もたくさんやってくれて「なつかしのパット・ワールド」

目を閉じて聴きたい、でも目にその光景を残したい・・

DVDで出たら絶対に買います。

パットは相変わらず、おしゃれには興味はないようでジーンズに上は定番の横じまの長袖Tシャツでした。一緒に行ったミュージシャンの青年は「何か佐川急便みたいっすよね」と言ってました。

ミュージシャンの青年ふたりは完全に撃沈された様子で「俺、もうだめっす~」
目はぶっ飛んでました。大丈夫だったのかな~?

国際フォーラム、キレイでとっても素敵。次回のパットもこっちでやってね!
それにしても入り口から着席までが遠くて時間かかりすぎるのが玉にキズ

正直しんどい・・「ザ・ウォッチャー」

2005-04-22 00:40:44 | Weblog
2000年キアヌ・リーブスとジェームズ・スペイダー主演、「ザ・ウォッチャー」

キアヌ大好きな友人が映画館で鑑賞、「生まれて初めて映画館で映画を見ていて寝たわ」と言っていました。そのくらい、つまりません。

何回か熟睡して起きてもまだやっていた・・らしい。

むか~し「旅芸人の記録」という映画をレンタルで見ていた別の友人が旅芸人の一座がむこ~うの方から歩いてきているシーンがあまりにも長く、尿意ももよおしていたのでトイレに立って、戻ってきたら、まだ同じシーンだったという話を聞いたことがあります。

こうしたヨーロッパの超ゆったりな映画はそれはそれで成立しているけど、こういうハリウッド系で一応「サスペンスフル」で「緊迫感」もあり、それなりに「スピード感」もあるかのごとく演出されている作品が「オラオラ」な展開ではたまりません。

連続殺人事件の犯人がキアヌ、追う刑事がスペイダー。

キアヌはスペイダーが好きなのよね。

彼と関わりをもっていたくて人殺しを続けているらしい・・

美しいキアヌ、コピーライトも「今度のキアヌは助けてくれない・・」

確かに助けてくれないことは事実ですが、「美しい」はうそです。
だって、彼、「マトリックス」での減量後のリバウンドで立派な二重あごなんだもの。
美しい顔の人のフェイスラインに、もう1周フェイスラインがあるのって何か「正直しんどい」

その他にもラスト近くの火災のシーンも特撮がひどすぎ・・
学芸会?って感じです。

何でこの作品に出たのかな?

しかし、その後の「マトリックス2,3」では再びぐっと体をしぼって美しいキアヌ・・
さすがでんな。「マトリックス2.3」の作品の出来は別としてキアヌの美しさには


でもね、彼ってあまり「頭」は良くなさそう・・マスコミ嫌いもあるけど、インタビューの受け答えが「・・・」・・・正直しんどい状態でした。
それでも嫌いな俳優さんではないので、これからもがんばってね~

「ジア 悲劇のスーパーモデル」・・アンジーが素晴らしい!

2005-04-19 19:43:46 | Weblog
実在のトップモデル、ジアをアンジェリーナ・ジョリーが演じている「ジア 悲劇のスーパーモデル」(98年作)は米国ではテレビ映画として放映されている。日本ではDVDが発売されておりレンタルで見ることができます。

これは20年くらい前にアメリカでトップモデルとして人気のあったジアの話で、当時金髪&ブルーアイが美の基準であったファッションモデルの世界にあって、ダークヘアーでブレイクした珍しい女性だったようだ。

大手のコスメ企業はだいたい金髪のイメージモデルを使いたがる。アップになったダークヘアの女性は顔の産毛が映ってしまうから・・今でこそ、いろいろなモデルさんが出ているが、当時は本当にジアのような髪の色のトップモデルは存在しなかったようです。

彼女はとっても寂しい生い立ちで、母親の愛情に飢えていたせいか、大人になっても全く男性に興味をもつことができない。アンジェリーナが演じるくらいなので、とっても美しいし、ボディもセクシーなのでたくさんの男性が言い寄るが、彼女は興味なし。

いわゆる同性愛者なのよね。

モデルとしてブレイクしたくらいのときに、ある美しい女性と出会い、彼女に恋をするジア。
相手はノンケ(異性愛者)なんだけど、あまりにもジアがきれいだし、子供のように慕ってくるので何となく思いに応えてしまう。

でも、ジアの孤独感は解消されることがなく、彼女はドラッグに溺れていく。
特に注射を使っていたために、当時まだあまり患者数のいなかったHIVに感染し、若くして亡くなってしまう。

たぶん20代で亡くなった彼女は最後はやせ衰え、息を引き取った後に遺体を移動する際、背中の肉が骨からはがれボトボトこぼれたという。
肉が腐ってしまったのだろうね。

アンジェリーナはジアを魅力いっぱいに演じる。元気なときの彼女が魅力いっぱいなだけに、どんどん堕ちていく彼女は本当に哀れ。アンジーは病気にふせっているジアも「本物?」ってくらいリアルに演じている。

映画ファンのサイトには「自業自得だ」と評している人もいる。確かにドラッグにのめりこんだのは彼女自身の選択だから、それはそうだけど・・。最後彼女は自分を映像に映し、みんなに見せて欲しいという。結局実現はしなかったけど、彼女は自分の姿をさらし、人々にエイズの恐怖、ドラッグをやめることを訴えたかったのだ。
少し暗いけど、優しくて繊細な心の持ち主だったジアの哀れさ・・単純に「自業自得」とはなかなか言えない私であった・・


いや~な感じ・・「女優霊」

2005-04-19 00:46:55 | Weblog
95年、中田秀夫監督作「女優霊」

「リング」の前に製作された作品で、この映画を見ると色々な意味で中田さんの好みがわかります。

中田さんにとって、こんなことが怖い、こんなことが気味悪い、そんなことが丸わかりです。
まるでウォシャンスキー監督の「バウンド」が「マトリックス」の前フリになっているように・・

映画撮影中の話で、出来上がった編集前のフィルムを見ているとき、いきなり全然撮った覚えのないシーンを目にすることになってしまいます。フィルムを見ているスタッフは「え、え?これ何?」

なんだか少し前の女優さんが出演しているようで、演技している・・でも数秒後にはその女優さんの顔が恐怖にひきつり・・ぱっと見ると、奥のほうに小さくこの世の者ではないであろう「誰かさん」が映りこんでいる・・

幽霊って本当にロングヘアですね。「リング」のときにも書いたけど。この作品でも見事にロングヘア・・でも、ちょっと丸顔すぎるかな。

恐怖っていうのは人によって色々違うと思うけど、「おいおい、そこに映っているべきもんじゃないでしょ?!!」って感じた瞬間のおぞける感覚が一番怖いかな、私にとっては・・

「女優霊」はそういう日本的な恐怖感をうまく出していますね。

あとは「リング」でも出ていたけど、なんでもない映像をぐんにゃ~と曲げたりして恐怖感を演出しているのがなかなか・・
何気なく映っているスナップ写真、映っているのは映画でもヒロインを演じている女優役の女優さん、彼女の目のまわりが・・あ・・これは言うとネタばれになるので、やめておきましょう。

若手の女優さんがセットの高いところから転落、死亡する事故が起きるんだけど、その死体(まだちょっと息が残っていて口が少し動いている)の顔、そして足・・おいおい~足はそんな風に曲がらないでしょ!って感じでクニャ~と曲がっている。

こういうのって結構きついよね。

この映画、ストーリーはちょっと意味不明、監督役である柳ユーレイは色々と謎を追うが、結局あまりよくわからないまま・・でもわからせない方が怖いのかも・・

一説によるとこの映画を見た後、大の男が夜トイレに行けなくなったといわれていますが、うちの相方などは「へ!!」・・でした。

そこまで怖いかどうかは好みですが、湿り気のあるいや~な恐怖感を感じさせる、通好みの作品だとは思います。


出だしから絶好調!「ロジャー・ラビット」

2005-04-16 23:17:29 | Weblog
88年、売れっ子監督ロバート・ゼメキスの「ロジャー・ラビット」

大好きな1本!何回見たかな~

アニメと実写の合成で、今となっては新しいことではないけど、アニメのキャラがみなイキイキとしているので大人が見てもまったくOKな作品です。

この出演しているアニメのキャラの多さが半端じゃない!「ファンタジア」のセクシーなカバちゃんとかサブキャラがおっしゃれな場面でちょこっとだけ登場!ふと気づくとすみっこの方に、キュートなキャラが掃除していたりする。
もうたまりません!トゥーンタウンのバーのシーンとか、「ウイスキーをロックで」と注文すると「ロック」(小石)が入ってくるなんて・・

なんといっても、素晴らしいのは主人公ロジャーの奥様、ジェシカ!叶恭子もまっつぁおなボディラインです。ありえね~体で、人間の男もクラクラ・・

彼らにとっては「せっせっせ~のよいよいよい」っていう遊びがセクシャルなことのようです。
ジェシカが人間のおっさんと「せっせっせ~」をやっているのが写真に撮られ、それはまさに浮気の現場をおさえたことになるらしくロジャーは「嘘だ~!!」と泣き崩れます。

ストーリーはめちゃくちゃで、(でも面白いけど)初っ端はロジャーとベビーの映画の撮影から。
このトップシーンがオーソドックスな爆笑アニメの王道って感じ・・すごい笑えます!
うちでは、このシーンのロジャーのセリフをまねするのがしばらくブームになりました。

大きな落下物が頭の上に落ちてきて目がくるくるするロジャー、頭のまわりは小鳥がピヨピヨ・・すると人間の映画監督が「カット!だめだ!だめだ!何回言ったらわかるんだ!飛ばすのは鳥じゃない!(ここで小鳥を1匹つかんで投げ飛ばしちゃいます、するとその小鳥はお尻をおさえてヒエ~って感じですたこら逃げていく)星だよ!星を飛ばせって言ってるんだ!」と怒り心頭!

バカバカしいけど、ここまで細かく丁寧にやられちゃうと笑うしかありません。
その小鳥がお尻をおさえて逃げるのが、めちゃめちゃかわいいの~見逃した方はDVDで要チェック!
だってロジャーも小鳥たちを集めたりするし~

メイキングや特別映像の入っているであろうDVD、やっぱり買おうかな~

「心中天網島」・・強烈な印象

2005-04-15 22:48:39 | Weblog
今はもう引退された篠田正浩監督の初期の傑作のひとつ「心中天網島」69年の作品だ。

あまりにも有名な近松の心中ものを映画化している。音楽が武満徹で、これがなんかすごくとんがった印象で、すごかったな~

見たのは大学生のときなので、当然リバイバル上映です。でも最初から最後まで一種の衝撃でした。

篠田監督の奥さんの岩下志麻が遊女小春と奥さんのおさんの二役を、中村吉右衛門が紙屋治兵衛を演じている。

治兵衛は女房子供のある身でありながら遊女小春にいれあげている。
冶兵衛の兄が見かねて小春をさとしに言ったりするが、結局ふたりは縁を切ることができず、心中へとつきすすむ。

何度も「私はおさん様に義理立てて~」と言ったセリフが登場し、当時の人にとって「義理立て」ってことがかなり優先順位の高いものであったことや、一度口にした約束に対して忠節を誓わなきゃという思いが出てくる。「義理」を立てようとしても、結局ふたりはそのしがらみを断ち切って「情死」を選ぶのだが・・

そのあたりが後半ちょいとヘビーなんだけど、この映画は編集のテンポが素晴らしくよく、カメラも美しいので一級の美術品を見ているような気持ちでうっとりできます。

岩下志麻もとても美しく、ATG映画にありがちな難解さも薄くて、私はとても感動したのを覚えています。

男性の声で「しんじゅう~てんのあみじま!」と歌舞伎のセリフの節回しのような声でスタートするトップシーンから圧倒されます。

篠田監督は最後の作品「ゾルゲ」があまり冴えなかったようですが、こうした名作も残している素晴らしい監督のひとりではないですかね?


あと1週間になりました「パット・メセニー」東京公演!

2005-04-15 01:05:18 | Weblog
今日は音楽の話・・

22日(金)国際フォーラムで行われるパット・メセニーのライブに行きます!

数年前、「スピーキング・オブ・ナウ」のライブはNHKホールでした。このときも行きましたが聴衆のクオリティーが最高だった。1曲1曲、完全に音が消え去るまで拍手せず、最後の静寂を聴けたのには感動!あんなに成熟したオーディエンスでラッキーでした~

その後、ブルーノート東京でトリオによるライブを見ました。ドラムのアントニオ・サンチェスは完璧に目が「いっちゃって」ました。
ものすごく根性を入れて早くから並んだので、前から2番目のテーブル、パットから1メートルってところかな。本当に服にこだわりがないことがよ~くわかったな~
だってジーンズのすそから糸がピ~って出てたもの。

彼は「まぎれもなく」(このフレーズは居酒屋紀行の太田和彦さんがよく使いますね)世界最高のジャズ・ギタリストのひとりですが、ブルーノートのような小さな小屋でやっている彼はなんだか照れくさそうな素朴な兄ちゃんって感じです。

本当にまぎれもなく天才なんだけどね。

彼の音楽にしびれたのは映画「ファンダンゴ」のラストシーンにかかった曲との出会いからです。
この映画も大好きだし、最後の切ない幕切れにパットの曲はさらなる切なさを上乗せしました。

相方はその以前からパット好きで、何枚もアルバムをもっていました。

彼の音楽は一応ジャズのカテゴリーに入るけど、実はパット・メセニーというひとつのジャンルを確立していると思う。

一流のミュージシャンはみなそうですよね。

過去のアルバムに使われている写真を見ると、かな~り田舎に住んでいるらしく農場のようなところで、でかいワンワンとかも写っていますね。奥さんはまったく表に出てきませんが、息子がいるようです。

大昔、私の友人ですご~くモテモテの女の子がいて、彼女が若かったころ、パットのライブに行き終了後楽屋に入る機会があったらしい。パットから「お茶しにいかへんか?」(彼女が関西人なのでこうなる)とお誘いを受けた・・んだって~
昔のパットはやせていて、いい男だったもんね。ドクタースランプのガッちゃんのようなヘアスタイルは昔も今も変わらないけど・・

ライブ楽しみだな~


「イージー・ライダー★レイジング・ブル」 う~ん、すごい顔ぶれ!

2005-04-14 00:58:38 | Weblog
これは未公開、03年作品だ。ドキュメンタリーといってもいいかな~
ハリウッド映画の67年から80年を描いている。

昨日に引き続きドキュメンタリー・・偶然なんですが・・

原題は「イージー・ライダー★レイジング・ブル セックス、ドラッグ、ロックンロール世代がいかにハリウッドを救ったか」だ。

とにかく出ている顔ぶれがすご~~い!名だたる映画監督が当時をふりかえるコメントする。有名映画女優、プロデューサーももちろんコメントしています。

67年は私は8歳なので、まだガキンコ。

このころ「イージー・ライダー」「ファイブ・イージーピーセス」なんかが出たんだね~
リアルタイムで大人で見たらどんな感じだったかな~

実際に初めて見たのはテレビの洋画劇場で・・「イージー・ライダー」

あまりのショックでその夜、あまり寝むれなかったのを覚えています。
たぶん中学生くらいだったと思う。

本当にたくさんの映画が生まれている。当たらなかった映画、ものすごく当たった映画・・
監督たちにとってはヒットは「義務」みたいなものだ。

フランシス・フォード・コッポラもやせている!まあ、みんなやせていますな~

特徴的だったのはセックス、ドラッグ、ロケンロールの世代の次はスティーブン・スピルバーグたちで、言ってみればあまり女に関心のない「オタク」だったっていうこと・・

スピルバーグ登場以来、映画のスピードはがらっと変化しましたね。
急速に早くなりました。いいのか悪いのか・・ね・・

こんな時代には「ずぇんずぇん興味ありません」というのなら別ですが「ウッディ・ガスリー わが心の・・」や「ラスト・ショー」などを「なっつかしい!!!」と思われるような年齢層の方には「あ~~もっていたい1枚!」と大歓迎かもね!







最も不遇かつ最高のバンド、ファンク・ブラザーズ「永遠のモータウン」

2005-04-12 23:57:20 | Weblog
02年、監督はポール・ジャストマン「永遠のモータウン」

これはアメリカ音楽業界の代表的レーベル、モータウンレーベルのバックバンド「ファンク・ブラザーズ」の足跡を収めた記録ドキュメンタリー。

なんか雰囲気は「ブエナビスタ・ソシアル・クラブ」みたい・・

じいちゃんになったブラックのミュージシャンが昔を振り返り、語ってくれる。

昔はプロデューサーや歌手はクレジットされたので名前が知れたけれど、バックミュージシャンの名前をクレジットすることがなかったため、彼らはまったく光のあたらない存在だった。

でも、実際モータウンのヒット曲は、このファンク・ブラザーズによって作られたんだそうだ。

ドラッグで亡くなったメンバーもいたりして、結構ヘビーだけど、思い出を語るファンク・ブラザーズのメンバーは気のいいおっちゃんたちって感じ。

ボンゴを演奏するミュージシャン(故人)はまったく楽譜が読めなかったが、プロデューサーのいるレコーディングのときは楽譜を開いていかにも読めるようなふりをしたそうだ。いざ、演奏が始まり、ふと他のメンバーが見ると彼の前に開かれていたのはお姉さんの大股開きの写真!

往年のヒット曲を現在の若手ミュージシャンがファンク・ブラザースをバックにライブで歌っていたが、やはり当時のオリジナルのもつシンプルな強さにはかなわないね。

でもチャカ・カーンの歌声は良かった。彼女、ボディラインがどうなっているのかさっぱりわからないようなドレスで登場するけど、かな~~~り太め。
太っていても愛嬌のある可愛さが変わらないことにビックリだ!

他にも昔、ファンク・ブラザースと一緒にダンスのパフォーマンスをしていたブラックのおばあちゃんが登場。当時の写真では素晴らしく美しいボディラインなんだけど、今はすんごい太さ・・
でもね、ほんのちょっとだけ踊ってみせた、その動きはすごい!!
しなやかに動く、動く!

この映画は製作も時間と費用がかかり大変だったみたい。
ブラック・ミュージック好きなら絶対楽しめますよ!
おすすめ!