シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

おお、キャプテン・・我がキャプテン!「今を生きる」

2005-11-08 23:37:23 | Weblog
89年ピーター・ウィアー監督作「今を生きる」

昨日久しぶりに鑑賞。かなり以前に見たせいか記憶が薄れていたが、最後の30分、衝撃の悲劇からドラマチックなラストはしっかり覚えていた。

そう、わかっていても涙は止まらない。

59年アメリカはバーモントの全寮制の男子校を舞台に、17歳の少年たちと彼らに詩を教えるめちゃくちゃな新任教師、ロビン・ウィリアムズの話しだ。

超名門校ゆえ、親の期待に応えるべく、みんな一生懸命勉強している。将来は弁護士、医師、そんなエリートの子供たち。

でもロビンは言う「自分の言葉を見つけろ!自由、これこそが最も価値あるものだ」と。そして「今を生きろ」と。

「言葉は何のためにある?」とロビンが尋ね、ひとりの生徒が「伝えるためでしょう・・か」と答えると「ブ~違うね、女をくどくためだ」

ロビンはこの手の役をやらせるとうまい。

そして、この映画の素晴しさは学校を取り巻く環境のシーンの美しさ、水鳥がバ~~っと飛び立つシーンや、夜中に生徒が抜け出して暗闇の森に行くシーン、空気が青くて黒いの・・

夜中抜け出すシーンで、みんなが揃いのダッフルコートを着ているのもかわいい。

これから見る方、手を上げて~~~うんうん、ストーリーは語りません。

私は親に命令されたこと、進路を決め付けられたことはほとんど経験がないので、幸せ者なのかも・・大学卒業後に日本脱出を図ろうとしたら母親に「行くなら私の死体を超えて行きなさい」と言われ、「あ、そ。でも行くよ」とあっさり出ていってしまった。

どんなに反対されても、やりたいことはやってきたので、この映画の少年がとった行動は「なんでだよ~~~」

でも17歳の少年の純粋であることの美しさと哀しさに胸がいっぱいになる。

そして、そして、ラスト、教師として追放処分になるロビンが教室を去る、その瞬間!あ~~もう今思い出しても、鳥肌が立つ。

それまでどちらかというと弱虫君だったイーサン・ホークが勇気をふりしぼって声を出す。机の上にしっかりと立ち、去ろうとするロビンに
「おお、キャプテン、我がキャプテン!」

別れの言葉だ、これまでロビンが自分たちにしてくれたこと、教えてくれたことへの感謝を短いこの言葉にこめる。彼に続いて次々と机の上に立つことで無言のうちに「キャプテン」への想いを伝える他の少年たち・・

なぜ机の上に立ったのかは、ぜひ映画で見てね!

この映画は、青臭いと思われる方もいるかも・・でもこのくらい純度が高い青さがあってもいいじゃない?って思う私であった