シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

ある日の夕方の衝撃・・「グレートハンティング」

2005-03-31 22:33:49 | Weblog
75年の「グレートハンティング」アントニオ・クリマーティ監督作。
これはキワモノのドキュメンタリー。

ある日、私は新聞の夕刊を見た。そうしたら、公開間近の映画の広告がでかでかと・・
なななんと、何頭かのライオンが群れていて、その間から靴下をはいた人間の足がにょきっと・・

「えええええ~~~~~!!!これって!!!」

これが「グレートハンティング」の画像を初めて見たときだ。

この映画は「ライオンが人間を喰う」っていう衝撃で、めちゃヒットした。
人間ってどこか残酷なものを見たいっていう欲求があるんだね。
でも、目の前に無防備に現れれば人間はただの「ごはん」なので、残酷は残酷だが、サファリでは日常茶飯事。たまたま、この日のメニューが人間だったってこと。

これは野生動物公園に行った家族の父親がライオンをビデオで撮ろうとして、車から降り、カメラをかまえていたところを後ろからオスライオンに襲われる。必死に抵抗する男。でもあとからやってきた何頭ものライオンにどんどん襲われ、ほとんどボロボロになっていく。

嘆き悲しむ家族の顔も入っている(らしい)

というのも、この映画見ていないのだ。
やっぱり、きっと後味が悪いだろうな~と思って・・

でもね、この映像、誰がとっているのかな?一緒に行動していたもう一台の車の中から撮ったのかな?だって、泣き喚く家族も映っているんだものね。

こんな映像、よく撮ったな~

それに家族の死をこんな風に商業映画として使うことによく同意したよね~

って思っていたら、なんと、この映像はやらせだったんですと!!

完璧にだまされました~でも、その方がいいよね。こんな映像が本物だったら、気分悪いもの。

当時、こういった残酷キワモノ映画が結構ヒットした。「スナッフ」もその1本で、映画の中で実際に殺人が行われたというフレコミ。でも、完全なやらせ。
問題作として上映反対運動が起こり、それがますますヒットに火をつけちゃいました。
でも、この反対運動自体、この映画のプロデューサーが起こしたんだって・・
なんか、トホホだね。

高校生のころ、「人体解剖」とか(人間解剖だったかな?)いう映画が公開された。
とにかく淡々と人間を解剖していく映像。医療現場のフィルムを、まんま使っているんだろうが、大きなスクリーンで、こんなもの見る気しないね~私の友達はふたりで見に行きました。
信じられませんでした


当時珍しかったスウェーデン映画「ひとりぼっちの天使」

2005-03-29 21:46:22 | Weblog
70年、ヤール・キューレ監督作「ひとりぼっちの天使」はスウェーデン映画。
監督のヤール・キューレは巨匠、イングマル・ベルイマンの作品で男優として活躍していた人物。

公開当時、渋谷の東急レックスで見ました。今、もうなくなっちゃいましたが。
母と妹と一緒に見たけど、3人とも中盤からオンオン泣きっぱなし。

大臣を父に、小児科医を母に持つ少年、マッツは7歳(くらい)。とって~~~も、かわいい。
ブラウンの目がぱっちり、ブラウンのヘアも可愛く、この子のこの可愛さがまた涙をそそる。

マッツは多忙な両親にあまりかまってもらえず、ベビーシッターのネンナにべったり。
ネンナはたぶん20代後半か、30代前半の女性で、母性的な優しさに満ちている。ただただ優しいわけではなく、子供同士のようにマッツと遊ぶし、いろいろなことを教えてくれる。

彼らの遊びのシーンで、スウェーデンの美しい森などがでてくる。
野いちごをつみにいったりね。野いちごをつむときは歌を歌うのよ、とネンナは教える。
そして、どこかの国では連れ合いが亡くなると、残された者は焼身自殺をして後を追うなんて話もする。

そんなある日、ふたりが湖に遊びに行ったとき、目の前でボートが転覆。乗っていた少年が溺れそうになる。ネンナはあっという間に服を脱ぎ、少年を助けに泳いでいく。
しかし・・

待っていたマッツのもとに帰ってきたネンナが再びその目を開けることはなかった。

溺死したネンナ、死体安置所に行き、じっと見つめるマッツ。彼はネンナの話を覚えており、手にしたマッチをすり、自殺を図ろうとする。でも、そこは子供。すぐに「アチ!」と悲鳴を上げ係員にマッチをとりあげられてしまう。

もう、このあたりからたぶん観客のほとんどは涙、涙・・

でもね、この映画の良いところは、ただただ悲しいだけではなく、マッツの精神的な自立を描いているところ。ネンナの死のあと、両親と決裂、近所の心優しい中流家庭で生活をすることを選ぶ彼。そこの夫婦の奥さんは足が不自由で、マッツは彼女の車椅子を押し、介助するのだ。

わずか7歳で自分の人生を選び取っていくマッツ。
たいしたもんだ~

この映画、すごく素晴らしいのに、ビデオも出ていない!!
音楽も素晴らしいのにな~サントラ持っていましたよ。

こういうビデオ化もしていない素晴らしい作品ってまだまだありますよね~
どうやったら、出してもらえるのかな~
誰か良いアイディアないですか~~~???

「野生の少年」 トリュフォー監督の傑作

2005-03-28 21:02:33 | Weblog
今日は69年のフランス映画「野生の少年」フランソワ・トリュフォー監督作。
公開当時にみゆき座で鑑賞。

結構ヒットしたんじゃないかな。こういう小作品がヒットしていた時代ですね。
一時期、まったく奮わなくなった小作品だけど、今はミニシアターなんかでがんばっているらしい。

この映画は実話がベース。「アヴァロンの野生児」と呼ばれ、フランス中部で発見された少年は、おそらく小さいときに捨てられ、森で獣の子供として育ったらしい。本当にいたんですね、こういう人。

13歳くらいで発見され、まったく言葉を話せないので白雉扱いされていたところをひとりの学者に拾われ、人間としての文明を教わることになる。
言葉どころか、よつんばい状態だし、服も着ないし・・

まさに「野生の少年」

この少年を演じる少年の演技がものすごく自然で、「本物?」とか思うくらいだ。
学者先生は監督のトリュフォーが演じている。
根気強く接する先生。この姿を見たスピルバーグが後年、「未知との遭遇」でトリュフォーを学者役へと熱望するきっかけとなった作品でもある。

少しずつ、環境に慣れてきた少年だが、ある日「脱走」、森に帰ってしまう。
しかし、そこの環境にももはや順応できなくなっていた少年は、すごすごと学者の家に戻ってくる。ラスト、階段を上がっていく少年に学者は「明日も勉強しよう」と言う。
振り返り学者を見る少年。確かあまり表情はなかったような・・

白黒だけど、鮮烈で美しいすごい映画。

でもね~本当に人間の文明をトレーニングされることが幸せなのかな?と今になってみると、いささか疑問。

発見されなければ、森で野生の生き物としてそれなりの人生を生きていたわけで・・
まあ、見つかった以上は、人間として振舞えるようにならなきゃいけないのかね?

そのへんはよくわかりませんね~~


幽霊はいつもロングヘアー・・「リング」

2005-03-27 21:49:31 | Weblog
98年の日本製ホラー映画「リング」中田秀夫監督作。鈴木光司による原作もすごく売れたらしい。

これはテレビ放映で見ました。その前に知り合いが原作を読んだ感想を言っていて「字面を追っていて、あんなに怖いと思ったことはなかったわ」などと言っていたので、「ふ~~ん」と思っていた。でも、どうせ、大したことなっかぺと思っていた。

そこで余裕綽々でテレビを見たんだけど・・いや~私の苦手な怖さだったんだよね。
人によって笑いや恐怖のツボって違うけど、この「リング」の描写のスタイルは私にとってのツボだったってことかな~

いやだな~と思ったのは、あの呪いのビデオを見た人間を写すと写真の中の顔のちょうど目のあたりが、ぐんにゃ~~と変にぶれるところ、それから真田広之が街中でベンチに座っているとすごく邪気を感じて(つまり貞子が近づいてくる気配)「お前か・・」と緊張で全身が固まっているときに画面に入ってくる白いパンプスをはいた変に細い足のところ、それと貞子の呪いで死んだ人間の顔、あれが一番いやだった。

目をむき、口が極限まで開いた顔、監督の演出で、とにかく口を目いっぱい開けることを要求され、女優さんは口の端が切れたらしい。

最後は貞子がテレビからニョキニョキ出てくるんだけど、顔のアップが一度だけ映る。といっても片目だけ。この目がいや~~~~。睫毛を抜いて人間らしさを無くしているらしいんだけど。

ストーリーは呪いのビデオを見た者は、きっかり1週間後に怪死するというもの。
ありそうでなさそうで、ありそうで・・てな感じがいいんでしょうね。

中田監督はこの映画の前に「女優霊」ってのを撮っていますが、両方見ると「幽霊」の描き方に変化があるのがわかって興味深い。女優霊では幽霊がモロ顔出しで、しかも結構丸顔。ちょっとね~でも、共通点ももちろんあって、どちらもロング・ヘアー。
ショートヘアーの幽霊ってあんまりいないね~
きつくパーマをかけた幽霊ってのもいない。パンチパーマとかおばさんパーマとかの幽霊もおりません。
たいがい、長い髪でまっすぐ・・これって恨みがましいイメージなのかな。

大昔の幽霊画のイメージが今だに生きていて、これが日本人の恐怖のひとつの原点にもなっているのかもね。

それから、この「リング」のいや~な感じをつのらせている要素は音。終始「ゴ~~~」っていう音が流れていて居心地の悪い不快感、不安感にどっぷり。

真田さんはなかなかいい味だしてます。でも松嶋奈々子はね~何回見ても見事な大根ぶりぶりです。

こんなに怖かった「リング」ですが、そのほかの関連商品「らせん」「ザ・リング」「リング0バースディー」はまったく怖くありませんでした。残念~~

この文章を書くのに製作年数を見ようと映画の検索サイトに「リング」といれたら、リングとついた映画名がジャンジャン登場。傑作だったのは
「ヌード・オブ・ザ・リング」というエロ系のパロディ映画の3部作のタイトル。
「王の股間」「2つの魔羅」「魔羅の仲間」
これには笑えました

「HERO」英雄・・・知り合いに似ている人が主演のひとり

2005-03-26 19:40:48 | Weblog
今日の映画は「HERO」
監督はチャン・イーモウ。

もうこれはね~ありえね~なんだけど、とにかく「キレイ」!の一言。大好きな映画の1本だ。
豪華スター共演もすごい!衣装もすごい!ワダエミさんが担当している。
も~~~なんてキレイなものを作っちゃうんすか~~ってくらい、キレイ。

でも中国語なので、字幕を見逃すとストーリーがわからなくなっちゃうんだ~

もともとストーリーはわかりにくい。秦の皇帝の暗殺計画を描いているのだが、回想シーンと現実シーンが複雑に入り組むので、よく見ていないとわからなくなります。

でも、もしストーリーに置いてきぼりをくったとしても、なおその「美」は心をつかむと思う。
役名もすごくドラマチック、「無名」「残剣」「飛雪」「如月」「長空」
何て読むのかさっぱりわかりませんけど。
この「長空」の戦いのシーンが一番かっこいい!!
水のしずく、不思議な老人が奏でる不思議な弦楽器、囲碁みたいなゲーム盤・・
なんか、すごい世界なんだよね~~

ただ、戦い系の映画だし、誰が本当の英雄なのかってテーマ自体にはあまり共感できるものはないんだけどね。
国の親分になると、年がら年中暗殺の危機にさらされる。
それでも権力の座にあこがれ、追い求める気持ちは古今東西変わることがありませんな。

この映画で一番印象に残るのは、主演男優のひとりがお友達に似ていること。
その主演男優はトニー・レオン。
そして、似ているお友達は、相方の仕事仲間で、3匹のワン君のボスとして君臨する方です。
もしご本人が「いやだ~~!!」と拒否されるのであれば、この話はなかったことにしてね~


最初から最後までお約束、でもいいんじゃない?「ナショナル・トレジャー」

2005-03-24 01:05:52 | Weblog
今日の1本は今公開中の「ナショナル・トレジャー」ジョン・タートルトープ監督作。
この監督、大好きな映画「クール・ランニング」を撮ってますね。

これはね~期待しないでゆったり見れば十分楽しめます。
「インディー・ジョーンズ」「トゥーム・レイダー」といったお宝探し路線。

でも、一番残った思いは「本当にこういうお宝ってあるのかな~?あったらいいな~。あって欲しいな~」っていうことでした。

主演がニコラス・ケイジ。一族に語り継がれている信じられないほどの財宝の存在を信じ、あらゆる手を尽くして追いかけている。彼の父親、ジョン・ヴォイドも祖父のメッセージを信じ、宝探しに20年を費やしたが結局見つけられず「あれはただただ手がかりだけを残し、イギリス人に宝探しに没頭させるためのひっかけなんだ」という結論に達している。

ジョン・ヴォイドは「トゥーム・レイダー」に続いて、お宝探しをする子供をもつ父親の役。
なんでかね~

ニコラス・ケイジはいつもながら、上手い。そして、彼の助手は見たことのない男優さんだが、この人結構拾い物かも。顔は個人的に好みです。でも、キャラは、主人公を助けるめちゃテクノロジー関係に強く、でも腕っぷしはあまり強くないお兄ちゃんって感じで、もうバチバチにお約束。

相手役の女優さんもキレイ。最初はニコラスに不信感を抱いているが、段々信頼するようになり結局はハートマークってところもね~もうこれ以上ないってくらい、お約束。

でも、見せてくれますよ~理屈抜きで面白い!
何かを主張するとか、訴えたいものとか、そんなことを考える必要はありません。
映画は娯楽だってことを「うんうん、そうだよね」と感じさせてくれます。

ただし、すべてがお約束なので、はみ出すような爆発的な面白さとは若干遠い。
やっぱりこの手の映画のベストは、私にとっては「インディ・ジョーンズ」第一作目につきますな。

確か日本映画だよね・・「MOON CHILD」

2005-03-22 20:47:50 | Weblog
「ムーン・チャイルド」は03年の日本映画。
主演はHYDEとGackt
基本的に美しいものは好きなので、ふたりもキライじゃありません。
HYDEが永遠の命をもつ吸血鬼っていう設定は間違っていないし、近未来のアジアが舞台なのも悪くありません。

でも、なんだかな~なんですよね。
深夜のテレビ放映版を見たので、(しかも何分か出だしは見損ねた)なんとも言えないけど。

ひとつには、Gacktのセリフの40%くらいが聞き取りづらくて、日本語の映画なのに字幕が欲しいと感じたことも理由。
セリフが聞き取れないとイライラするんだよね。

まあ、でも美しい顔に免じて、それを見ているだけでもいいっか~と思ってあげようとも気持ちを取り直すのだが、銃撃戦で「おいおい」

そんなに至近距離でバンバン撃っているのに、一発もあたらないってどういうこと?
身を隠してもいないのに・・ただのへたっぴーってこと?

そしてこの意味のない銃撃戦がまた長い・・

ふたりを使うのなら、徹底的に意味のない美しい映画にしてしまってもよかったのに。
それでも十分映像でもちこたえられたと思うのに、下手に欲を出して演技もさせちゃったからね~

吸血鬼のHYDEって設定は良いので、ならば往年の少女漫画の名作、荻尾望都(漢字あっているかしら?)の「ポーの一族」みたいな路線でもよかったんじゃないか・・と。

相方が仕事でGacktを見たらしいです。ブラックのすごい屈強なガードに守られていたそうで、ちょっとでもこっそり携帯カメラで撮ろうとすると、すっとできて吠えられそうな勢いだったらしい。

「素はどうだった~?」と尋ねたら「う~~~ん、別に・・ただの元ヤンにしか見えなかったけど」だと。

そう言えば私の友人は以前ガッ君の大ファンでしたが、今は浮気して格闘技のマサト(漢字知らない)に夢中。元ヤンのイケ面が好みのタイプで一貫性があるのですね。
それにしても、ガッ君は美輪明宏にそっくりと思うのですが、どうでしょう?

「ロング・エンゲージメント」・・あまりにもしんどいもの、それは戦争・・

2005-03-21 00:09:59 | Weblog
人間はこんなにも戦いの歴史を繰り返しているのに、今なお、やめることなく地上のどこかに戦闘地域が存在している。この「ロング・エンゲージメント」はR-15に指定されているようだけど、ひょっとすると若い子供たちのほうが見るべきなのかもしれない。

見る前は、なんで、愛の奇跡を描いているこの作品がR-15指定なのか、さっぱりわからなかったけど、よくわかりました。ものすご~~く戦闘シーンが残酷でリアルだからだ。でも、だからこそ、これが現実なんだってことを見るべきなのかも・・

ジャン=ジャック・ジュネとオドレイ・トゥトゥは大ヒット作「アメリ」のコンビ。
ふたりがまた組んだ作品が、今日見てきた「ロング・エンゲージメント」

「アメリ」的なしゃれたものを期待していった私たちは「ガイ~~ン」

しょっぱなから超へビーな戦場の描写に「ううう」

ストーリーは、オドレイ扮するマチルドが戦死したとされる婚約者の死をどうしても信じられず、彼の行方を追う展開だ。なんか岸壁の母みたいだが、彼女は直感を信じて彼が生きている証を見つけようとする。

映像は全編ほぼセピア色で、本当に美しい。
でも描いている世界はまさに地獄。
これが本当に戦争で起こっていたことなんだ・・

つい最近NHKで東京大空襲から60年のドキュメンタリーをやっていて、60年という年月がたっても多くの人の心に恐怖と悲しみを残していることに肉体レベルでのショックを感じたところだったので・・(あまりにもきつく、その夜は悪夢だった)

でも、人は戦争をやめない。なぜなんだろう?

「ロング・エンゲージメント」は戦争に巻き込まれた人々の様々な地獄を描きながら、愛のもっている力に希望を見出す。

とってもしんどいんだけど、見る必要がある・・思っていたようなこじゃれた作品とは違ったけど、でも多くの人が見て「戦争は絶対だめ!」って再確認できるんじゃないかな。

ちょい役(といっても結構大事な役だけど)でジョデイ・フォスターが出演してて、流暢なフランス語を話していたのにはびっくりしました!


男泣き映画「グラディエーター」・・でもラッセル・クロウの隠された真実の姿とは

2005-03-19 21:47:58 | Weblog
今日の1本は「グラディエーター」2000年リドリー・スコット監督作。
多くのアカデミー賞を受賞したいわゆる力作だ。

古代ローマの時代、コロシアムで人と人が殺しあうのを観衆が見に来る時代。今も格闘技は存在するけど、このコロシアムで行われるのはまさに本気の「殺し合い」
それが娯楽だったんだよね。

昔は断頭台での死刑やなんかも大衆は見に行っていたわけで、そこでカタルシスを発散させていたんだろうからすごいもんだ。首がゴロってなっちゃうのを見に行くんだから、感覚が違うね。

主人公のラッセル・クロウ演じる軍人は武芸にも秀で、人望も厚く、国王からは次期後継者として期待されている。彼には愛する妻とひとり息子がいる。

しかし、次の国王の座を狙う王の血縁の男から罠にはめられ、家族は焼き殺され、彼自身も囚人扱い、コロシアムでの「グラディエーター」として生きることを強いられる。

まさに現代版「ベン・ハー」

CGも使っているけど、生身の人間もちゃんと動いているのでさほど気にならない。
ラスト、ラッセル・クロウはコロシアムでの激しい戦いの後、息絶える。
「彼をかつぎたい者は前へ」と言ったとき、次々に男たちが彼の遺体のまわりに集まり敬意をこめて彼を運び出すシーンはやはり涙してしまう。

この映画、どうもうちの相方の涙腺を刺激するようで、「ツ~~~~」と涙がつたっておりました。相方が泣いたのは、この映画と「ブレイブ・ハート」

きっちり共通点がありますね。

本当にいわゆる力作で、すべてのバランスよく結構なお手前です。
でも私はどうしてもラッセル・クロウがタイプではないので、その分、点がからくなる。
彼って湯船に入ると油が浮きそうなんだもの。
ハリウッドではすごくもてるらしいんだよね~
あのメグ・ライアンも惚れちまったらしい、すぐ別れたけど。

彼ってすごい口臭なんだって・・最新作で共演した女優が監督に「彼の口臭なんとかして!!」とガムとか歯磨き粉とか用意したんだって。でもラッセル・クロウはこれに反発。
絶対そんなもの使わないぜ!と主張。結局その女優はラッセルとのキス・シーンを拒否。
そのシーンはスタントによる吹き替えになったらしい。
やだね~~~







映画が好きな理由・・

2005-03-19 00:38:53 | Weblog
母親が映画が好きだったからか、割と小さなころから映画に連れていってもらった。
毎週金曜に世田谷の国立小児病院に通わなければならなかったので、それもあって帰りに気分転換に渋谷の映画館に連れていってもらったのだ。

「カスター将軍」「荒野の7人」結構西部劇を見ている。

小学生のくせに、小難しい映画見ているな・・

映画館の匂いって独特。それが好きなのかもしれない。

一時期20代中盤にはあまり映画館に足を運ぶことがなくなった。
すごく久しぶりに見に行ったのは2本立て「キャット・ピープル」と「ポルター・ガイスト」だった。あんまりの怖さに(今見たら、どうってことないと思うけど)肉体的な衝撃を感じたのを覚えている。

映画ってでかいスクリーンで見るとすごいな~と再確認したかな。

友達と15人くらいで「ET」見に行って全員号泣したりもした。お祭りみたいで楽しかった。

スピルバーグがハリウッドの主流のひとつになって以来、映画はスピーディーになった。
気をつけていないと早すぎてストーリーもわからないくらい。
一昔前の映画を見ると(特にヨーロッパ映画)すごくかったるく感じるのは、この手のスピードに慣らされているからなんだろうな。
これから映画はどんな世界を見せてくれるのかな~

CGも楽しいけど、今の「スター・ウォーズ」シリーズになると「今、このスクリーンに映っているもので実在のものってないよね」と思った瞬間しらけてしまう。アナログな前のシリーズのほうがず~っと好きだ。

技術が進化することは楽しくもある。「ジュラシック・パーク」の1が作られた当時は恐竜が水中で動くシーンが難しかったため原作にあった面白いシーンも映像化できないなんてこともあったけど、「ジュラシック・パーク3」では見事に映像化されとりました。

ものすごい進化をとげるテクノロジー、でもそれだけではない何かを観客は見たい。
だって、大昔の白黒「ゴジラ」第一作目や白黒「キングコング」は素晴らしいし、立派に怖いもの。

それにしても、今技術が進んで、昔の原作物、漫画などを実写で撮ったものが多いですが、逆効果もありますね。未見ですが「鉄人28号」などはでしょうね。

どなたか見た方、コメントしてね~

中学校の体育館で見ました「チコと鮫」

2005-03-17 23:21:02 | Weblog
今日の1本は「チコと鮫」62年の作品だ。

この映画はタヒチが舞台。チコという少年が人食い鮫の子供を見つけ、親代わりに育てる。大きくなって海に戻った鮫だが、青年になったチコと海の中で再開したときも、互いを認識してまた交流が始まる。

確かこんなストーリーでした。

これは推薦映画だったのか、中学生のときにみんなで体育館で見た記憶があります。
見たときも、きっと「いい映画」って思ったかもしれないのだけど、子供が集団で見た場合、こうしたさわやかでハートウォームな映画ってこっぱずかしい感じがして、素直に「いいね~」なんて言わなかったような・・
今見たら、どんな感じがするのかな~たぶん、これってビデオでも出てないと思うので残念だけど。

チコと鮫がお互いを認識する方法っていうのが「ウィンク」だったと思う。
片目をパチっとするやつ。これ、でもどうやって撮ったのかしらん?

特撮なんてものはなかったと思うし・・天然物の鮫が演技するわけないし・・
う~~こう書いていると知りたくなるね。
誰かご存知の方、教えてくださいね。

タヒチのすんごく美しい海も素晴らしかった。
文明破壊みたいなものも描いていたかな。
そして、確か大人になったチコがとてもイケメンだったです。

鮫といえば、代表映画は当然「ジョーズ」になりますな。
これは今はなき渋谷パンテオンで見ました。あまりにもすごい緊張感で最後あの鮫がボッカ~~ンと破壊されて海のモクズとなったとき劇場内はパチパチパチと拍手が起きました。


「ジョーズ」もアメリカでの大ヒット状況が伝わってくる前には、公開予定タイトルが「死の海峡」なんていうヘッポコなものでした。このタイトルだったら、どのくらいヒットしたかね~

警告・・見るのは危険いっぱい「アレックス」

2005-03-15 00:35:56 | Weblog
02年、ギャスパー・ノエ監督作「アレックス」、主演は魅惑のモニカ・ベルッチと実生活でも夫のヴァンサン・カッセル。

この映画はね~とにかく超危険。

危険系の作品を連発しているギャスパー・ノエだものね。

以下の方は見るのは避けましょう。
暴力ものがダメ、血がだめ、内臓がダメ、三半規管が弱い

モニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセルはカップル役。すごくラブラブなのにある日ふたりで行ったパーティーでつまらないことから口論になり、モニカは深夜ひとりで帰路につく。
彼女の着ているドレスがすごくて、ノーブラだし、薄い生地だし、そんなかっこうだと「売り」の人にしか見えないって感じで・・なのに彼女は道を横断するのに地下道を歩く。

おいおい・・


そこで彼女はひとりの男にレイプされてしまう。このレイプシーンが話題になったんだよね。
でもね、エロってよりは完全に「暴力」の世界。

この男はホモセクシュアルで、彼女を犯すときも使う「通路」は後方で、彼女にとってはそれは激痛を伴うわけですよ。しかも事が終わったら、今度は彼女を殴る、蹴るの暴行で、普通なら完全に死んでいると思う。
もろに顔に蹴りが入っているが、当然撮影ではそんなことは行われず合成の画面だ。
モニカはこの作品の後、「マトリックス2」の撮影に入らなければならず、「アレックス」の撮影班は彼女が怪我をしたりしないようめちゃめちゃ気を使ったそうです。

恋人が瀕死の重傷で病院に搬送されたのを見てヴァンサン・カッセルは、彼女に暴行を加えた犯人探しをする。

映画は犯人を捜してホモバーに乗り込んだヴァンサンたちの描写から始まる。
長い長いハンディカメラでの撮影。まるで「ブレア・ウィッチ」のようだ。

これだけでも「おえ~~~」となる人もいるだろう。
そしてヴァンサンは犯人とおぼしき男(実は人違い)の頭を消火器を使って割っちゃう。脳みそが流出したりする、ここでも「おえ~~」

この映画は時間軸を逆まわしにしています。

つまり映画が進行すると物語を遡ることになるんです。

ラストシーンは、まだ暴行にもあっておらず、輝くように美しいモニカ・ベルッチが芝生の上でゆったりと本を読んでいるシーン。時間軸を逆まわしにすることで、起こってしまった残虐なできごとを一層浮き彫りにし、元気な彼女をゆったりと描くことで失ってしまったもの、もう取り戻せない時間を描いていることになります・・

な~~んてなことは批評家に任せておきましょう。

とにかく変な映画です。
確かにすごい迫力なんだけど、私にとってやっぱり映画って「好き」か「嫌い」になっちゃう。
優れた表現方法を使っていることすごいと思うけど、あまりにも生理的に後味が悪い・・

しかも極めつけはラスト、モニカが芝生に横たわっている姿を俯瞰で撮って、その映像がぐるぐるまわり、しかもチカチカチカ延々とライトの点滅が画面いっぱい・・・
もう限界・・でした

最初のころのホモバーのシーンも苦痛が強すぎ、早まわし。
ほとんどシーンを早まわしで見ました。

映画館で見た方、尊敬します。シートの前のほうにエチケットバッグ(おえ~~となったときに使う紙袋)の設置を義務づけられるべき作品です。
すごい映画ですが、めいっぱい体にきます!







人生最初の何度も見た映画になった「小さな恋のメロディ」

2005-03-12 20:28:18 | Weblog
ぼくたち結婚します!12歳のダニエルとメロディは校長先生に宣言する。「ぼくたち一緒にいたいんです。だってそれが結婚でしょ!!」

12歳の女の子と男の子が結婚!当時センセーショナルな話題になり大ヒットとなった「小さな恋のメロディ」は71年、ワリス・フセイン監督作だ。

これはね~ロードショーの劇場にも何回か足を運びました。当時はレンタルビデオはないので、2番館に追っかけて見た人も多いはず。

本国イギリスでは日本ほどの大ヒットとはいかなかったようで、主演の3人は当時日本での自分たちの人気にかなりびっくりしていたようだ。
特にダニエル役のマーク・レスターは超人気で、彼の次回作「小さな目撃者」の1カットがCMに無断使用され問題になったくらいだ。お菓子のCMだったかな。「マーク・レスターも大好きです」みたいな感じで・・

この映画は本当に「瑞々しい」っていう表現がぴったり。イギリスのお固い学校が舞台だが、生徒はそれなりに満喫していてタバコを吸うものあり、放課後爆弾の実験をするものあり・・

主人公のカップル、ダニエルとメロディは超キュート。特にメロディは子供のころから、ずっとモデルをやっていたこともありスタイルもいい。彼女が古着を売って金魚を買うシーンは本当にかわいい~かぶさる音楽がビージーズの「メロディ・フェア」このシーンのために作ったの?っていうくらいぴったりだ。

ダニエルとメロディが墓場でデートするシーンもきれい。
ずる休みをしてふたりで海岸に遊びに行ったシーンもすごいかわいい。
砂で城を作っているとき、ふたりの手が重なる。ダニエルが「メロディ、結婚しようか」って言った瞬間、映画館内は爆笑の渦になった。
私は「ほほえましいな~」とか「うらやましいな~」って感じで、あまり笑いにはならなかった。

自分が彼らと同じ年齢だったからだよね。今見たら爆笑なんだけど。「大人」になり「結婚」の現実を経験すると「笑っちゃう」んだろうな。

ふたりは友人の協力で結婚式をあげるが、そこに先生たちが乱入、逃げるふたりを追う先生、それをはばむ友人たち。ダニエルとメロディはトロッコを見つけ、ふたりでこいでどこまでも行ってしまう。

ダニエルの友人、トム役のジャック・ワイルドが18歳くらいだったと知ったときは結構ショックだったな~

この映画のプロデューサー。デビット・パットナムは実際ティーンのころに奥さんと駆け落ち結婚したらしく、トロッコで行っちゃったダニエルとメロディは幸せになったんだよ~みたいなことを言ってました。

大人になってしまうと、果たしてふたりはどうやって生活していくのかなど余計なことを考えるが、これはあくまでもファンタジー。これでOK。生活って大変ってことを描いているのが「フレンズ」ってことになりますかね。

「小さな恋のメロディ」は昨年DVD化されたらしいですが、ものすごく売れているらしい。
でも新しい映画好きも絶対見て損はないですよ!







もうなんて言っていいんだか・・「ダメージ」

2005-03-10 22:56:44 | Weblog
92年、フランスの名匠ルイ・マル作「ダメージ」

これはイギリスの上院議員の男性のドロドロの不倫話だ。
彼は奥さんの実家が力をもっているようで、その尽力もあり末は大臣になるかなってところまで昇ってきている。演じるのはジェレミー・アイアンズ。私、この人、意外と好きなんですよ~
なんか、氷のように冷たい感じがするんだけど、セクシーだし・・

彼には20代の立派な息子がいます。その彼がある日、恋人を連れてくる。その恋人がジュリエット・ビノシュ。(たぶん、これがミス・キャストですな)

最初に会ったときから、アイアンズはビノシュにくぎづけ・・
たぶん性的な相性が圧倒的に良いことが本能的にわかったんですかね。

ビノシュは魔性の女って感じの役柄で、何考えているんだかよくわからないし、明るさゼロ、とにかく暗い。

そんなふたりが結ばれるのに、時間はかからず、一度そうなってしまうとアイアンズは狂ったように彼女を追い求める。彼女が恋人である彼の息子と出かけた旅行先にも、こっそりついていき、呼び出して路地裏で事に及ぶ。

おいおい・・

私が男だったら、絶対こういった女には近寄らない。だって、暗くてネトネトしてるんだもん。
魔性の女っていうけどさ、こういうもったいぶった女はダメだね。

アンアンズが自分自身を自制心で立て直そうと思っていると、息子が彼女とやってきて「父さん、ぼくたち結婚するよ」とうれしそうに告げる。

ショ~~~ック
でもビノシュはアイアンズの耳元でささやく「あなたといるために彼と結婚するのよ」

おいおい!!そりゃ、ないだろ~~

ふたりはさらなる泥沼へ、そしてこの関係性は悲劇の結末へと突き進んでいくのである!

う~~~ん

この映画の厳しいところはビノシュが魔性の女に見えないところだ。魅力がないわけではないが、どこか女学生みたいだし、体も寸胴っぽい。これがすんごく魅力がある女なら、「仕方ないかな~、彼女になら、コロっといきそうだよね」と思えるんだけど。
これじゃ、フジテレビの「こたえてちょーだい」の「信じられない私の二重生活」的な特集のときの再現フィルム並みだ。

堕ちていく人間を描いた作品が好きな方にはいいんでしょうな~
そういう世界も嫌いじゃないですが、この作品は後味も悪い・・
ひたすらアイアンズの息子が気の毒だな~女には気をつけようねって映画ですかね




いまさらながら見てきました「ハウルの動く城」

2005-03-08 23:55:10 | Weblog
「ハウルの動く城」は昨年から封切られ4ヶ月のロングラン、「もののけ姫」の記録をぬいて邦画興行収入2位になった宮崎駿作品だ。

今ごろでお恥ずかしいですが、今日見てまいりました。

正直全然期待していなかったのですが、ヨカッタですよ!

キムタクのファンではない私だが、彼の声もあまり存在が濃くなくてかえってよかった。

このキムタクが演じるハウルはすんごい美しい魔法使い。
ハウルが最初に登場したシーンでは、「おおおおお~~、きっれいいい」と感激。
そしたら、あとのシーンで「美しくなければ生きている価値はな~~い!!」とハウルが叫ぶシーンがあって「なるほどね~美しくあるってことがすごく優先順位が高いのね」と痛感。

ストーリーはね~ちょい、意味不明なところがあるけど、そんなこといいじゃ~んって感じです。
とにかく、何ともよいんですよ。

特に美輪明宏が声を演じる荒地の魔女。
まんまのキャラなの~
美輪明宏って魔女みたいだもんね~

まあ、小さな動物や子供やらが主人公の少女(魔女の呪いがかかっていて老女にされちゃっているんだけど)ソフィーになついていくプロセスなどは、毎度おなじみ宮崎駿ワールド。
毎度おなじみの要素が満載でも、手堅く見せますね。

ただ、あくまでも期待してなかった分、「へ~~いいね~~意外と」というランクで、私にとっては「千と千尋の神隠し」での充足感には及びませんでした。

なんでだろ、たぶん過去の宮崎作品に満足させてもらったレベルが高くて、作品を見るときのあらかじめの基準が高いんだろうね。
このくらいはやってくれるでしょ、みたいな。

そういう意味では「千と千尋~」は私にとっては、最高傑作のひとつになっているので、次にはこれ以上でなきゃって感じになってしまうのだろう。

でも、きっと時間がたってDVDで見たりすると「最初に見たときよりいいね~」なんて思うんだろうな。期待は多くの場合、裏切られるためにあるってことですかね。