シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

クレージーなモーツァルト!「アマデウス」

2005-11-17 19:40:16 | Weblog
84年ミロス・フォアマン監督作「アマデウス」

天才モーツァルトの死の謎を中心に描かれた傑作の1本ですね!

モーツァルト役のトム・ハルス(現在は舞台中心で活躍)の奇怪な役作りがすごい!あの甲高い笑い声!素晴しい美しい音楽を生み出す天才、モーツァルトがあんなに猥雑な品のない人間だったなんて!観客とともに唖然とするのが、主演のひとり宮廷音楽家のサリエリ(サトエリみたいだね)だ。

こんな神々しい曲を書く男が、こんな、クレージーなやつだなんて!許せん!

しかもモーツァルトからすると、サリエリの音楽は教科書通り、全然面白くもおかしくもない!徹底的にこけにされるサリエリ。屈辱にまみれるサリエリ。

モーツァルトの妻、コンスタンティンのおっぱいが今だに印象的です。

昔の女の人ってカップのほとんどを露出、あんな風に寄せてあげて・・男性はさぞかし目のやり場に困ったんじゃないの?っていうか、目がくぎづけで他のところに動かせないっていうかさ・・

細かい展開は忘れてしまったが、サリエリってモーツァルトの死に関わっているんだよね、確か。

そして、最後は彼が精神に異常をきたし、病院へ!そこで、みんなに微笑みかけながら、頭に残る記憶、昔の栄光に酔っているような姿で終わったような記憶があります。

これは凡庸な秀才と非凡な天才というよくある展開を描いているけど、ミステリー部分もよく出来ていて、素晴しかったな~

「ベニスに死す」では主人公の音楽家、アシェンバッハが努力と修練によって創り上げてきた「美」に対する価値観を、ベニスで出会った世にも見事な美少年との出会いで破壊されます。少年の美は天然ものであり、一切の努力の基盤なしに成立しているからです。

彼のショックとサリエリの衝撃には少し共通点がありそう・・

努力では達することのできない「美」と「創造性」をやすやすと達成してしまう「天才」。「ベニスに死す」では天才への愛になりますが、アマデウスでは天才への憧れと憎しみ、嫉妬方向になりますな。

サリエリを演じたFマーレイ・エイブラハムは達者な演技でオスカー受賞。タイトルこそ「アマデウス」ですが、ある意味、サリエリを描いた映画ですね