シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

ベリーショートは難しい・・「愛の妖精 アニー・ベル」

2005-09-30 23:41:56 | Weblog
これは高校生のときに公開されたので、75年くらい、マッシモ・ダラマーノ監督作「愛の妖精 アニー・ベル」

無垢で魅力的な若い女性がセックスの求道者となって、解放されていくパターンが「エマニエル夫人」で大ヒットした後の二番煎じ的作品だ。

エマニエルのあと、「O嬢の物語」「インモラル物語」とか封切られました。「O嬢の物語」は原作を読みました。当時はませガキだったので、経験もないくせに、これぞエロチシズムなんて陶酔しました。でも今読むと、なんで好きな女をわざわざ妙な館に連れ込んで他の男に隷属させるのか、ただ彼女との関係に何か刺激的な起爆剤が欲しかっただけじゃん!と飛び膝蹴りをくらわしたくなる感じだ。

しかも、ほとんどの性行為が正面からのものではなく、裏口からこんにちわ。「痛い」じゃん、そんなの!と今のほうが、はるかにどっちらけた感情をもってしまう。

女を奴隷にするっていう快楽に溺れる男を描いているO嬢だけど、最後はOが自分の主人である伯爵の手の甲にパイプを押し付けて「O」という刻印をつける。

だってね、物語の途中でO嬢は伯爵の所有物であることを承認するための、お印として「焼きゴテ」で印をジュ~~~っとつけられちゃうんですよ~~

原作では「肉のこげる匂いがした」なんて書いてるけどさ~「牛」じゃないんだから~これのどこが「エロ」なんすか~~??

と話はそれてしまいましたが、この映画「愛の妖精」見ていないんですが、印象に残っているのは映画雑誌にのっていた主演女優アニー・ベルのボディ。すごくきれいでした。しかも銀髪のベリーショート・ヘア。これがまったくおかしくないんですよ。

彼女はこの作品ともう1本、似たような内容の「卒業生」のみでスクリーンから消えてしまいました。大型新人だったはずなのにね~今は50歳くらいかな?

このアニー・ベルのベリーショート・ヘアを見た同級生の女友達が翌日同じ髪型にしてきました。しかも遅刻。目立ちまんがな~

私は「う~~ん黒髪には無理・・」と思いましたね。

黒髪だと長さがはっきりわかる、でもアニーのような銀髪だと毛と肌の境目がわかりにくい。肌も白いし・・

なので短いけど、おかしくないのだ。友人は「アニー・ベルと言うよりも、お寺の茶坊主」ってな感じでした。

およよ


ケヴィンの腹が・・「パーフェクト・ワールド」

2005-09-29 20:59:25 | Weblog
93年クリント・イーストウッド監督作「パーフェクト・ワールド」

主演はケヴィン・コスナー、共演にクリント・イーストウッド。

ケヴィンの役は脱獄犯、ブッチ。最初に二人組で逃走していたが、ひょんなことから押し入った家で仲間がその家の奥さんをレイプしようとする。そこに現われたのが8歳のフィリップ。この子、この映画以降姿を消してしまったが、とって~~もかわいい!!

ふたりはこのフィリップを人質に逃走を続ける。仲間がフィリップに手を出そうとしたことから、ブッチはあっさり彼を射殺。ブッチとフィリップ、ふたりのロードムービーの始まりだ。

フィリップはエホバの証人の信者の子供なので、ちょいと特殊な環境にいる。そして父親を失っていて、旅の中で、ぶっきらぼうだが心優しいブッチに、亡き父親を見出し、なついていく。

彼らを追うのが保安官クリントだ。ブッチの生い立ちに同情を感じてもいる。何かこのクリントはブッチの父親ってことらしいんですが、本当ですか?
私は見逃したのかな~~

私が好きなシーンは、ブッチとフィリップが草原を歩いていくシーン。かなり後ろからカメラでとっていて、フィリップが手をつなごうとして、ブッチが何となく振り払おうとするのだが、でもそれでも手をつなごうとする幼い少年の手を最後はしっかり握ってふたりで歩いていくシーンだ。手のアップにならないところがいいのよね。

やはり映画はカメラだな~と感じて、気持ちのいいシーンだ。

しかし、ふたりはついに追い詰められ、ブッチの死によって、映画は幕を閉じる。
射殺され草原に横たわったブッチの体にフィリップは「ブッチ~~!ブッチ~~!!」と泣きながらすがりつこうとする。

人質のはずの少年の行動に、大人はとまどい沈黙する。

ちょっとばかりラストの展開が長くて、腹を撃たれているケヴィンがあんなに大きな声でしゃべっているのも、いささか・・って感じがするが、とにかく父性を感じさせるラストなので、男も泣けますね。昨日DVDで再見したときも、うちの相方は慟哭、あまりにも我慢しすぎて「うぐ」っていう声まで出してました。
本当は「オンオン」泣きたかったのだそう・・

劇場でリアルタイムで観たときも、ふたりして「巨人の星」の伴宙太のようなナイアガラの滝のような涙を流してしまいました。

途中、白いTシャツを着たケヴィンの腹まわりが「すげ~~」と思いました、まあ、役柄としては、アリなんでしょうが・・




見た年齢が低すぎました・・「ゴッドファーザー」

2005-09-28 22:39:51 | Weblog
72年フランシス・Fコッポラ監督作「ゴッドファーザー」
これはリアルタイムでロードショーで見ました。確か母とふたりで・・
13歳でしたね。

なので~~~ほとんど価値がわかりませんでした。猫に小判とはこのことです。

何度かテレビでも放映され、年を追うごとに、これってやっぱりすごい映画かもと思えるようになったかな~

だから~~映画って見るにふさわしい年齢ってのがあるんだよね。

「ゴッドファーザー」は男の人にとってバイブルみたいな作品らしい。
「ユー・ガット・メール」の中でもトム・ハンクスがマーロン・ブランドのものまねしてたしね。「月曜、火曜、木曜、水曜・・・」「ゴー・トゥ・ザ・マットレス」とか

私の父がどちらかというと、主人公のドン・コルレオーネ型の男で、一代でビジネスを興し、一族の面倒を見て、名づけ親となり、ボスとして君臨した。

だから20代で見たときは、ドン・コルレオーネと父親の姿がかぶった。

今見たら、どんな感じがするのかな?
印象に残っているシーンはたくさんあるけれど、やはりドン(マーロン・ブランド)の死のシーン。畑で孫と遊ぶうちに心臓発作で倒れる。
静かな音のない世界、草のすれあう音と孫の笑い声のみの世界・・

ここは素晴しかった!!

今一度、見てみたい!きっと素晴しさを感じることができるに違いありません。

同じ理由でロシア製作の「戦争と平和」もまったく良さがわからず、「ただただ長い」としか記憶なし。リュドミラ・サベリーエワのナターシャが初めて登場するシーン以外、何も覚えていない私であった・・
情けなや・・





冷たい汗が流れた・・「アメリカン・ゴシック」

2005-09-27 23:25:38 | Weblog
これはテレビ東京で95年~96年に放映されたアメリカのテレビドラマ。製作総指揮にサム・ライミ。そう聞いただけで見たくなる方もいるのでは・・

アメリカ南部の田舎町が舞台、まだ15歳くらいのケイレブ少年は父と姉の3人暮らし。しかしある日、町にやってきた保安官、ルーカス・バックに父を投獄され、姉からも引き離され・・

実は保安官のねらいは、ケイレブ。彼は自分の息子で、自分の血を継ぐ者。

この保安官、たぶん悪魔の化身。あるいは邪のエネルギーをもった男で、すさまじいパワーをもっている。

この連続ドラマではケイレブが反感を抱きながらも、保安官ルーカスと近づいていく様子、そしてその周囲の人々を描いているのだが・・

私はすごく怖かった~~悪魔ってものは、あまり感覚的に理解できないんだけど、邪悪な力のすさまじさは怖いですよ~~

暑い夏の日の室内でのやりとりを描いているのに、緊迫感で冷や汗がにじむの。
ただ暑くてかく汗じゃないのよ、本当に冷や汗なの。

アメリカってすごいな~「ER」といい「CSI」「24」といい、テレビドラマへのお金のかけ方が違うのだろうか?アメリカもピンきりとは思うので、予算をたっぷりかけているものと、そうでないものの差がすごいんでしょうね~

これはDVDで出たら、もう一度見てみようかな?
怖いけど・・

評価の中には「ツイン・ピークス」に似ているというのもあるようです。こちらは未見です。これって面白いの?

どなたか見たことのある方、教えてね~~~








「冬のソナタ」・・超かったるい・・

2005-09-26 22:58:02 | Weblog
韓流ブームの火付け役になった「冬のソナタ」

今でもヨン様の人気は大したものらしく、失敗作と言われ本国では興行成績がかんばしくない「四月の雪」も日本ではなかなかのヒットみたいだ。

この前「チャーリーとチョコレート工場」を見にいったときも、「四月の雪」を見に来ていた人はすぐにわかりました。おしゃれしたおば様のグループ。

「冬のソナタ」は純粋であることに心打たれた方が多くいたのでしょう。すごい視聴率だったらしい。

純粋ね~セックスしない関係が純粋ってこと?純愛ってのは性的な関係はなしってこと?

でも、この「冬のソナタ」は女性のためのポルノだと思う。
映画研究部の男性の先輩たちと話していたとき、「冬ソナ」は女性用のエロだと思うと言ったら「うまいこと言うね~」とほめてもらいました。

男性にとっての「エロ画像」は、ある程度、露出しているものを定義すると思うけど、女性にとっては、その定義はかなり違ったものになる。
「冬ソナ」の中で、主人公ふたりの男女が兄妹かもしれないという展開になったことがある。彼、ヨン様だけがそのことを知っていて、チェ・ジウはそのことを知らされていない。ふたりはデートして、一晩をあるコテージで過ごす。チェ・ジウは彼を愛しているので、当然ある程度の肉体的第一種接近遭遇から第二種接近遭遇くらいは期待しているのだが、彼女が妹かもしれないと思い悩んでいる彼は、彼女に近づくことができない。

ふたりは見つめあい、彼は彼女の頬に額に優しく触れる。苦しみといとおしさの混じった表情で・・彼女は少しうっとりと、恥ずかしそうに受身の姿勢。
あ~~もっとぎゅっと触れちゃえよ!!

と思うが、彼はずっとそのまま。

彼女はキスしてほしいから、目を閉じる。でも彼はだまって立ち上がり、「じゃ、おやすみ」と隣の部屋に行ってしまう。

お~~~~!!これって女のツボにはまる「エロ」なんだよね。触れそうで触れない、近づきそうで離れる。

このツボを見事におさえて「冬ソナ」は大ヒット。

「あなた、そんなひどいこと書いて!失礼だわ!」と言われようが構いません。

ストーリー展開は超かったるく、私の好みではありませんでした。イライラするばかりで、面白さというレベルからは逸脱していました。
大体気が短いので・・

とにかく「純愛」の定義が私の感覚とあまりにもかけ離れていたので、共感ゼロだった・・かな


十代の頃の年上の女との恋・・「個人教授」

2005-09-25 23:42:50 | Weblog
高校生のころ、1学年下の男子とつきあったことがある。すごくお姉さんな気持ちで「私って悪い女」とか思い上がって・・今思うとアホちゃうか?って感じだ。

今日はミシェル・ボワロン監督作、68年の「個人教授」

主演は当時人気あったルノー・ヴェルレー、ナタリー・ドロン(アラン・ドロンの元女房)、ロベール・オッセン。

ルノー君はハイティーン。ナタリーと知り合い、憧れ、惹かれていく。そうだな~ナタリーはこの設定だと20代後半かな。恋人がレーサーのロベール。

ナタリーは恋人のロベールにあまり会えない状態(たぶんそうだったような)からさびしくて、つい若いルノー君の想いを受け入れてしまう。

でも最後にはやはり大人の男の恋人に彼女を任せることが必要だと感じたルノー君は、胸いっぱいの想いを心に押し込めて、彼女のもとから去っていく。

そうとは知らないナタリーは窓越しに笑顔を送る。

笑顔で答える彼は、バイクでその場を去る。降る雨に打たれながら、彼女との別離を決意しつつ、どこか潔い表情で・・
以前書いた「おませなツインキー」もそうでしたが、まだ10代の少年少女にとっては恋の終わりの哀しさよりも、次に待っている新しいことへの期待のほうが大きいのかも・・しれないですね。それに、そうであった方がいいとも言えますな。

サントラ盤、シングルですがもってました。フランシス・レイでしたよね。なかなか良かったです。

年上の女性を演じるナタリー・ドロンはまさにはまり役です。でも彼女が役者として成立したのは、この作品ぐらいだったかな。容貌は大好きでしたが、たぶん演技はまるでダメだったのかもね・・雰囲気のみの女優だったのでしょう。

彼女が後に出ていた「青ひげ」はリチャード・バートンが青ひげで、めとった女房をどんどん殺す男の話。ナタリーは田舎娘なのに、イケイケのふりで彼に迫る女の役でした。なんかね~結局オクラ入り。トホホ・・
彼女くらい、スチール写真やインタビュー記事のイメージのみで人気をつないでいた女優も珍しい。
かっこよかったしね~





今日はちょっと違う話題・・

2005-09-24 21:46:32 | Weblog
いや~ブログを始めて丸9か月がたとうとしています。
よく来てくださる方も出てきて、面白いコメントもいただき感謝にたえません。

1年は続けてみようかなと思って始めたので、少なくとも今年いっぱいは・・ね。でも、まだまだ自分が見た映画で書いていない作品が山のようにあることに愕然・・46年生きてきて、通算何本見たのでしょうな~~

さて、今日はなつかしのテレビ番組シリーズ~~~
パフパフドンドンドン、パフパフドンドン

私が幼稚園から小学校に見ていた番組・・

「遊星少年ソラン」(宇宙少年だったかな?)
  チャッピーとかいうリスがいたような・・
「リボンの騎士」
  大好きでハンカチももっていた
「マグマ大使」
  人間もどきが登場した段階で気持ち悪くなり見れなくなった
「マッハGOGO!」
  とにかく出てくる車が大好きだった!
「冒険ガボテン島」
  お約束のキャラだったけど、主人公は好きだった
「がっちり買いましょう!」
  帳尻あわせのグリコワンタッチカレーがなぜか旨そうに見えた
「アップダウン・クイズ」
  ゲストの方の横顔もヒントになります・・って横のシルエットが特徴って
  何か哀しいと思った
「妖怪人間べム」
  あまりにも、おとろしかった・・でも怖いもの見たさ
「ウルトラQ」
  あまりにも、おとろしかった・・第1回の「ゴメスをたおせ」は目を半分
  おおって見てた
「スーパー・ジェッター」
  今でも主題歌をちょっと歌える
「大正テレビ寄席」
  確か日曜の午後、たまにケーキ屋でケーキを買ってきて見ながら食べた

他にもいっぱいありますが、この世代の方で次の番組を覚えている方、いたら教えてね!
教育番組で夕方、ほぼ毎日のようにやっていて「○○先生、こんにちわ!」と子供が呼ぶと、指人形の頭の薄い博士が出てきて、科学的な知識を楽しくおしゃべりする。
「ケペル先生」だったか・・名前は何かドイツ人っぽい・・

大好きで見てました。正確な情報、ご存知の方、いらしたら、ぜひお願いします!



 

ショー・ミー・ザ・マネ~~~!!「ザ・エージェント」

2005-09-23 23:01:30 | Weblog
96年キャメロン・クロウ監督作「ザ・エージェント」
主演はトム・クルーズ、共演がキューバ・グッティングJR、レニー・ゼルウィガー。

プロスポーツ選手のエージェントは大金を生む仕事だが、リスクも高い。エージェントにとって選手はただの金儲けの道具のようになり、人間的な思いやりも失われていく。

超やり手のエージェント、トムは自分の力で会社を大きくしたという自負があるくらい、自尊心の強い企業戦士。しかし、ある夜、突然良心が芽生え、エージェントたるもの、かくあるべしというミッション・ステートメントを1冊の小冊子にまとめ社内に配布したことで、解雇されてしまう。

数字の世界なのに、「きめ細かいケアのために、クライアントの数を少なくしよう」ってなことを書くんだもの。

どのクライアントもクビになったトムとの契約をしようとはしない。苦労して面倒を見ていたクライアントはすべて彼を解雇した会社との契約を選択してしまう。

独立して仕事をすることになった彼についていくことを決意したのは、元の会社にいた経理のレニー。シングルマザーの彼女の息子がかなりかわいい!!

レニーは彼に憧れているが、彼には婚約者もいるので、想いは心に秘めている。

しか~し、羽振りが悪くなったトムはあっさり婚約者にふられてしまい、仕事も全然うまくいかず、四面楚歌になる。そんな彼を優しく励ますレニー。

ふたりの関係はどうなるのか?そして唯一トムのクライアントとして残ったアメフト選手、キューバの活躍は!?

これはまあ言ってみれば、ストーリーは予定調和的でそのあたりは、まあ~ね~
って感じだけど、私は好きですね。

安心して素敵な気持ちになれる映画の1本です。
男が理想を追うときの苦労、それを支える女性のけなげさなど古典的な要素てんこ盛りだけど、素直に暖かい気持ちになれ感動できる映画です。

ちょっともたつく場面もあるけど、トムが挫折につぐ挫折を味わう数少ない1本。
なかなかキュートな映画です。

あ、そうそう伝説のロックバンド、イーグルスのグレン・フライが脇役で出ていますよ。でかい顔のおっさんです。昔はかっこよかったのにね~





「カラーパープル」・・ラストは何回見ても涙が

2005-09-22 22:59:44 | Weblog
85年、それまで娯楽映画のキングだったスティーブン・スピルバーグが撮った「カラー・パープル」

彼が「おいらだって、こんなちゃんとしたドラマ作れるんだい!」との想いをこめた渾身の1作だ。

原作はピュリツァー賞受賞、1組の黒人の姉妹の波乱に満ちた40年のつながりを描いている。
この映画で、ウーピー・ゴールドバーグも、ダニー・グローヴァーの存在も初めて知りましたね。今やふたりともベテランの役者さんです。

うちの妹はあまり映画を見て泣くことがない。別に冷たい人間ではないのだが、映画で泣くところまではいかないようだ。

私のように、すぐピーピー泣く人間(そのくせ、今年1番泣けますとか宣伝される泣かないヘソ曲がり)とは違う。

その彼女が母とロードショーで「カラーパープル」を見て、ファンデーションが流れるくらい泣いたのだそうだ。

私は劇場には足を運ばなかったので、「へ~~~」と感心しきり。

その後、レンタルで見て、良く出来たドラマに「うんうん、いいんじゃない。いい仕事してますね~」と思ったら、ラストで完璧にやられてしまいました。

せっかく生んだ赤ちゃんを取り上げられ、離ればなれにされてしまったウーピーが初老を迎え、ひとり静かに家のテラスに座っていると、そこへ訪問者が・・

視界の向こうに美しい民族衣装が風にたなびいている。ウーピーが立ち上がり、
「ネリ~~~!!」(違ったらごめん)
妹の名前を叫び、走り抱き合うふたり。そして美しいアフリカの民族衣装に身を包んでいたのは、立派に成長したウーピーの息子と娘。

このシーンはやっぱり涙腺をがっつ~~んとやられてしまう。まんまと乗せられてしまうのだ。

とにかく、その緑の草むらとたなびく民族衣装のコントラストの美。この1シーンのみだけでも、「カラーパープル」は価値のある作品と言えるのでは・・

でも、この直後の姉妹での「せっせっせ~のよいよいよい」みたいな遊びのバックにダニー・グロヴァーが馬をひいてポックリポックリ歩いていたのは、ちょっちね・・



こんな映画を見ているなんて私って大人と思った「さすらいの二人」

2005-09-20 22:35:40 | Weblog
74年ミケランジェロ・アントニオーニ監督作「さすらいの二人」

主演はジャック・ニコルソン、共演はマリア・シュナイダー。
これは確か高田馬場の名画座で見ました。2本立てで何との組み合わせだったか、忘れましたが・・ひょっとして「ベニスに死す」との組み合わせだったかな?だったとしたら、超濃いでんな~

大学生のときに見て、「あ~なんてけだるくかっこいいの!!」と自己陶酔したのを覚えています。
だって、アントニオーニだもの。

ジャックは砂漠で見つけた死体と自分の顔が似ていたことから、その男のふりをして生きることを選ぶ。彼は妻とも心が離れていて、自分の人生を嫌っているわけだ。

そうして他人の生を生きようとする彼だったが、死体の男の身元が武器商人だったため、トラブルに巻き込まれて、結局殺害されてしまう。

それまでの過程で、ジャックはひとりの女子大生と知り合い、恋におち、旅を共にする。それがマリア・シュナイダーだ。好みはそれぞれあると思うけど、私は当時彼女の大ファンで、この映画を見たのも彼女が出ていることが理由だったような・・

彼女のファッションがシンプルでかわいく、パンツに男物っぽい少し柔らかめの生地のシャツをだらっと着てた。彼らがベッドで一緒に裸になっているシーンもきれいで、印象に残っている。

ラストはとても有名で超長回し。たぶん1カット数分以上とっている。これが当時話題になりましたよね。

殺害されたジャックを見て、妻は聞かれる「この男を知っているか?」と。妻は「知らない男」と答える。マリアも同じ質問をされ「知っている人です」と答える。

あ~なんて深いんだ~~って当時はあんまりわかっちゃいなかったような・・かえって今見た方が、「ジ~~ン」とできるかもしれません。





テレビのCMのほうが面白かったな「パーフェクト・ストーム」

2005-09-19 23:09:58 | Weblog
91年ウォルフ・ペーターゼン監督作「パーフェクト・ストーム」主演はジョージ・クルーニー、共演がマーク・ウォールバーグ、ダイアン・レイン。

アメリカ、グロスターのカジキ漁の漁師と史上空前の嵐「パーフェクト・ストーム」との格闘を描いている。

ジョージ・クルーニーはカジキ漁の船の船長、最近漁獲高が冴えなくて、オーナーから揺さぶりをかけられている。ここで、何とかしないと!!とあせっているタイミングと嵐がやってくるタイミングとがパーフェクトなタイミングで合ってしまう。

このジョージという俳優さんは不思議な人で、スチール写真で見ると、ものすごくセクシーなんだけど、映画で役を演じていると、どこか目が笑っていて、「あんた、まじ?」と聞きたくなるところがある。どんなにシリアスな状況にあっても、基本的に目が笑っているように見えるので、「う~~~ん」

この嵐のシーンはすごいよ!でもね、彼らよりもレスキュー隊の勇気がすごい!
本当に感動できます。だって、あんなに荒れ狂った海に、躊躇なくドボンドボンと飛び込んでいくんだもんね。

それは厳しいトレーニングを積んでの確信なんだろうけど、少しでも恐怖があったら無理だよね。このレスキュー隊を見るだけでも、この映画を見る価値ありです。
私は泳げるけど、暗い海は怖い、しかもでっかい波が延々と襲ってくる海・・それは本当に恐ろしいものだ。悪夢の世界・・

テレビのCMで見る、どでかい波!!これはすごい!でも、やっぱりジョージの目が「どこかニヤついているので」少しだけ、しらける・・

結局、ジョージ率いる船は全員亡くなってしまう。でも、ラスト、グロスターの慰霊碑のようなものが映ると、なんと事故死した漁師の多いこと・・

ここでは何とも言えない余韻を残しました。

でも、映画の構成としては思ったよりは、間延びして、ちょっと「ん?」って感触でした・・ちょっと残念賞!




生まれて第一声・・あんた、だれ~~??「ベイビー・トーク」

2005-09-18 21:32:25 | Weblog
89年エイミー・ヘッカリング監督作「ベイビー・トーク」当時、調子に乗り切れていなかったジョン・トラボルタが完全に復活した1作だった。

共演はカースティ・アレイ、ジョージ・シーガル。

カースティは独身の有能な会計士、取引先の経営者、ジョージ・シーガルと不倫関係中。彼女は何とか関係をふっきりたいのだが、彼は離してくれない。ある日のセックスのとき、ついに彼女は妊娠。

このときの描写からこの映画の笑える特色が・・山のように流れる精子君たちがしゃべるのだ「あそこだ!行け~~!!」みたいにしゃべりながら卵子に向かっていく。この声をあのブルース・ウィルスがやっている。

カースティは妊娠がわかり、躊躇するが出産を決意、ジョージも彼女の妊娠を喜んでくれるし・・でも、出産間近になったとき、ジョージに新しい愛人ができていることがわかり、怒り心頭の彼女は決別、そして男の子を生む。

もちろん、この赤ちゃんの声もブルース。産声をあげながら取り上げられた赤ちゃんは医者に「え~~~~!!あんただれ~~??」「寒いよ~早くなんとかしてよ~~」そしてママの横に寝かされると「あ~~いい気持ち」

とにかく、この声が笑える。

シングルマザーとなった彼女は、仕事と両立のためにベビーシッターを雇う。それがジョンだ。

彼女にとっては年下だし、あまり知的でもないジョンはまったく眼中になかった存在だけど、なにしろ子供が彼になついているし、なんとなく優しいし・・だんだんと彼女の気持ちに変化が・・

しかし、そんなある日、ジョージが自分の子供に会いたいと言ってくる。今更勝手な!と思いながらも、やはり子供を会わせる彼女・・

さあ、ふたりの関係はどうなる?ジョンとカースティの恋は?

まあ、予定調和的なラストだが、子供がかわいいし、ジョンが子守中に見せるダンスも笑えます。ほのぼのと軽い映画が見たいときには良いかも・・

ブリースの声優ぶりも傑作だし。赤ちゃんが「泣く、ミルクがもらえる、泣く、抱っこしてもらえる、ってことは泣けばいいんじゃ~~ん」みたいに人生の法則を見出していったり・・そんなところも受けましたね。




色彩の洪水!「チャーリーとチョコレート工場」

2005-09-17 23:53:03 | Weblog
今日レイトで見てきました~ティム・バートンとジョニー・デップの「チャーリーとチョコレート工場」!

有名な原作があるそうで、バートンのオリジナルの世界ではないのですが、この色の洪水は・・なんともすごい!!!
映画館の中にいて、極彩色のアトラクションのライドものに乗っている感覚でした!

バートン好きな方は絶対に劇場で観るべし!だってこの色はテレビの画面にしてしまうと、いくらDVDで見ても絶対に見劣りするもの!

公開中なのでネタばれは避けたいし、これは予備知識なしでいくことを強くおすすめするけど、ひとことだけ・・工場の中で、ナッツの選定部屋は一番大好きなシーン!もうあまりにも可愛くて笑いが止まりませんでした。う~~言いたいけど、楽しみにとっておきましょうか。ヒント・・ちっちゃな動物がみんなで仕事をしていて、ナッツを選定しているの~もうたまりません!!このシーンのみ100回くらい見たいよ!

しかも、この部屋の色がまたぶっとびなの~~~

ジョニーはバートンの描きたい世界を完璧に体現できる役者さんですな。
今回もクレージーな工場のオーナーを余裕しゃくしゃく演じています。

彼の歯並びが異常なまでに良いのですが、その理由が中盤わかってきますよ。

てなわけで、また好きな映画にランクインする作品との出会いです。

ただ、「ビッグ・フィッシュ」のようなしみじみとした感覚、涙が溢れるような質感はありません。その分、ちょっち物足りないといえば、物足りない。

比較しても仕方ないですが、「ビッグ・フィッシュ」をフルコースのとっても美味しいイタリアンとすれば、「チャーリーとチョコレート工場」は美味しいカクテル、あるいは絶妙に美味しいデザートの1品って感じ・・かな。

一緒に見た相方も、それはぴったりの表現だねと言ってくれた。

でも、どちらも愛すべきバートン・ワールド!「チャーリー・・」もすごいよ!!ナッツ選別部屋、見逃さないでね!



ダリが幻想シーンを担当・・「白い恐怖」

2005-09-16 21:49:51 | Weblog
アルフレッド・ヒッチコック監督作45年の「白い恐怖」

これは小学生のときに確か日曜洋画劇場で観ました。あまりにも怖くて、しばらくトラウマになりました。

主演はグレゴリー・ペック、イングリット・バーグマン。

白地に紺の縞模様を見ると発作を起こす医師、なぜ?最後の方で、この医師の幼少時の記憶がよみがえり、謎がとける。

なにせ、古い時代に1回こっきりしか見ていない映画なので、物語は忘れている。
でも、この記憶がよみがえるシーンがすご~~い怖かった!!

確かこの映画は白黒。このクラさが恐怖感をそそる。

ヒッチコックは日曜の夕方にテレビ放映されていた「ヒッチコック劇場」が好きで観ていたが、最初と最後に必ずヒッチコック自身が登場して解説をする。ものすご~く怖かった内容、今だに覚えている。

逮捕され刑が確定した男が、何とか脱獄したくて、墓堀のおっちゃんを買収、棺にいれてもらい、後で掘り起こしてもらう約束をする。首尾よく棺に入って、掘り起されるのを待つが、墓堀のおっちゃんはアル中で、飲んだくれて泥酔してしまう。棺の中でひたすら待つ彼。泣きながら、呼ぶ彼。間もなく間違いなく窒息死する・・あ~~閉所恐怖症の私からしたら、信じられない恐怖・・

もうひとつのストーリーは、若い女房の浮気に悩むおっちゃん、女房の髪の毛には若い恋人からプレゼントされたリボン(あるいはヘアバンド)が巻いてあって文字が書かれてある。おっちゃんは日ごろ、酒場で透明で大きな瓶に酒をつめて、みんなに自慢している。ある日、ついに究極の女房の裏切りに怒り心頭のおっちゃんは、彼女の頭に麻袋をかぶせる・・数日後、酒場でまた大きな瓶につめた酒を自慢する彼。みんなが寄ってきて「へ~~何か金色の酒なんだね~」「ちょっと待って、ここにヘアバンドみたいのがあるよ」そこにはあの女房のヘアバンドが・・ぎょっとして息を飲むみんな。
おっちゃんはニコニコしている・・

おっちゃんは彼女の首を切断して瓶詰めにしたんだね。

このヒッチコック劇場はテーマ音楽が印象的だったね~

見てた方、いますか?


場外に響いた悲鳴・・「13日の金曜日」

2005-09-15 20:40:22 | Weblog
80年ショーン・S・カニンガム監督作「13日の金曜日」

後にシリーズ化された「13日の金曜日」第1作です。これは劇場で観ました。

何か「すごいらしいよ」てな噂を聞き、妹といっしょに鑑賞。渋谷の渋谷東急(今はないです)で「きっと混んでいるよね」ってことで、次の回が始まる前に劇場に着いて待っていました。作品の性質上、完全入れ替え制のようにしていて、前の回が終わるまでロビーで待っていたら・・

「ぎゃよえ~~~~!!!」「きゃ~~~~~!!!」というでっかい悲鳴が中から聞こえます。待っているこっちは「え?え?」と期待もふくらみます。

前の回の人々が映画を見終えて出てきた~みんな興奮しちょる。う~~ん。

そして着席。映画の始まりです。

夏のクリスタル湖、キャンプ場で起きる連続殺人事件。化け物なのか人間なのか!とにかくバイトの若者が情け容赦なく殺されていく。この死体のメイクはすごいですな(トム・サヴィー二)

いよいよ最後、犯人は以前キャンプに息子を送った母親で、バイトの若者の不注意で息子が溺死したことから、復讐していることがわかる。

ガンガン殺されてひとりだけ残ったバイトの女の子と、この犯人ママの一騎打ち。
女の子が投げたでかい刃物がママの首をチョンパ~~っと切ってしまうシーンに劇場内は「おへ~~~!!!」結構リアルだったような記憶が。

あ~~さっきの悲鳴はこれだったのね、確かに気色悪い。

女の子はようやく助かって、湖にボートを漕ぎ出し、失神してしまう。
翌朝岸辺から彼女を助けに来たポリス(だったかな)が声をかける。気がつき、ほっとした表情で助けを呼ぶ彼女。

しかっし~~~~!!本当の悲鳴の理由はここからだったんだ~~
そう、劇場内は「ぎゃ~~!!」でいっぱい!!!

こういうスタイルって多いよね。「キャリー」も代表的な1本でしょ。

終わった~~ってところで、とどめの1発が!
想定内だと「やっぱりね」になるけど、効果的だとまさに「1本とられましたな~~」となる。

あまりスプラッターは興味がない分野なので、この手の映画を劇場で観たのは珍しい。先端恐怖症で刃物を見ると力が抜けるしね。

でも、この「13日の金曜日」の1作目はなかなか良く出来ていました。