シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

日本での数少ないペルー映画「みどりの壁」

2005-07-09 16:42:29 | Weblog
69年アルマンド・ロブレス=ゴドイ監督作「みどりの壁」

こんな映画観ている人、超少ないんだろうな~誰も「知らない」かも・・特に若い映画ファンは・・

リアルタイムで渋谷のロードショー館で見ました。ストーリーはすごくシンプル。ペルーの若い新婚夫婦は都会生活を離れ、ジャングルに住んでいる。ひとり息子、ロムロは目がぱっちり、とってもかわいい!

静かで、孤独な生活。

回想シーンでは夫婦の初夜が描かれて、奥さんが「痛いわ」と言うと旦那さんが「すぐだ・・」と答える。

小学生(6年生)でこの映画を見た私は「あんなに気持ち良さそうなのに、どこが痛いんじゃろ?」と頭の上に??? 翌日同じ映画を見た同級生(女の子)がニヤニヤしながら、この会話を再現してみせた。いかにも意味を知っているという感じで・・

う~~ん、あのとき「どういう意味なの?」って聞かなかったのはなぜかな?私だって、そのくらいわかってらい!と言いたい気持ちだったんでしょうな。

ま、そのへんはおいといて・・

この「みどりの壁」は日本に入ってきた初めてのペルー映画だ。
そのあと、同監督の「砂のミラージュ」が入ってきている。こちらはたぶん、もう少し洗練度がアップしていると思うが、淀川さんは「みどりの壁」の荒削りなパワーを絶賛していたな。「砂のミラージュ」はちょいと気取っている・・とも。

とにかくジャングルの描写が素晴しい。美しい。まさにみどりの「壁」。なんかしたたっておちてきそう。

小さなロムロは当然近所に遊ぶ相手もなく(近所自体ない)、小川におもちゃを作って遊んでいたりする。このおもちゃがとても切ない。川の流れで細い棒(たぶん針金みたいなもの)が動いて、それがガラスのコップにあたり「チ~~ン。チ~~~ン」って鳴るのよね。

そして、ある日、突然起こる悲劇、ロムロは毒蛇に足をかまれ、あっと言う間に絶命してしまうのだ。彼が泣きながら、足にまだ蛇をつけたまま、走って逃げ帰るシーンの強烈なインパクトは30年以上たっても消えずにある。

両親の嘆き、川でまだ音を鳴らしているおもちゃ・・とっても単純な作りなのに、こんなに長く脳裏に残っている映画・・(しかも1回しか見ていません)

今見たら、どんなだろう?これはビデオでもDVDでも出ておらず、今現在日本国内で観ることはほぼ不可能なようだ。残念だな~


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
みどりの壁 (ひげゴジ@極楽寺)
2006-01-26 18:31:22
初めまして、私もREAL TIMEで高校の2年か3年の時に観て、圧倒的に綺麗なすばらしい映像、自然な音、音楽、最少限な会話だけであれだけ微妙なメッセージを伝えられた映画は、今も観た事ありません。本当にたった1回しか観れなかったのに強烈なIMPACTを受けてまた、最近是非観たいと思い出して調べている時に、こちらのブログを見つけてしまい、つい侵入してしまいました。あのワイングラス一つが唯一都会に暮らしていた証であり、都会の不条理を嫌って開拓地に来たのに、息子が屋根裏部屋で見つけておもちゃの水車に取り付けチンチンと綺麗な音を奏でて、喜ぶ直後に望んで入った開拓地の残酷さの象徴である毒蛇にかまれて、街まで連れてゆくのに、お偉いさんが来るために作った、急ごしらえの道路は、ちょうどそのお偉いさんが来るために、通行が制限されていてやっと、病院に着くと院長が、血清を入れた金庫の鍵を持ったままセレモニーに出ていた為に、死んでしまい、失意の中入植地にカヌーで戻る時に、墓地が映るのですが、この墓地は最初に入植地に入ってくる時にも映っていて、この墓地が入植地の厳しさを暗示していたんだと、気付かせると同時に、それまで為政者に対する不条理さを責めていたのに、この若い入植者の気持ちになって、自分が都会の不条理さを嫌ったばかりに、子供を殺してしまったって云う後悔をあの映像と音と音楽だけで表していたのに、凄い IMPACTを受けて自分も監督になりたいと思い、日芸を受験してみようかと真剣に考えた事を思い出しました。 でも本当に、30年以上も経っているのに、また是非観たい映画です。失礼をいたしました。
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初めまして~~!! (anupam)
2006-01-26 20:34:17
いらっしゃいませ!「みどりの壁」はどなたもコメントしてくださらないので、やっぱりあまりにもマイナーなんだな~と思っていました。

なので、コメントしてくださる方がいて、大感激です!この映画、何でDVD化されないんでしょ!!



またいらしてくださいね!
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みどりの壁 (じゅりんた)
2006-01-28 19:34:23
こんにちは。初めまして。

中学生の頃、ロードショーにはまっておりまして、銀座には良く出かけました。中学一年生の時、母親と見た「サウンドオブミュージック」があまりにも素晴らしく、いたく感動し、サントラLPまで買ってしまいました。母ともまたこんな映画みたいものだとよく話しておりました。その時に予告編が出たのです。

「みどりの壁」の予告編です。みどりの壁というタイトルも良いですし、映像も美しい自然を大きなスクリーンできれいに映しておりました。是非見てみたい。気に入ってしまいました。そこで後日前売り券を買って見に行くことにしました。

この映画もきっと感動的な素晴らしい心温まる映画と思って、いや、思いこんで少年の私と母は映画館のシートに座りました。

しかし、開映後まもなくして、男女の濃厚な絡みのシーンが映し出されました。私にはずいぶんと長い時間映し出されているように思われました。思春期の男の子と母親が一緒になってみるようなシーンではありません。もうどう反応して良いやら、目をつぶったり顔を背けるのも不自然だし、年頃の少年としては見てみたいという欲求もありますし、何とも困惑と苦痛のひとときになってしまいました。

そんなことですから、その後の映画の展開も半分上の空のようになっておりまして、どれほどその映画から感銘を受けただろうかなどとは考慮する余地もありませんでした。映画館を出て家路につくまで、母と私はもちろんずっと無口のまま帰宅しました。

後年この映画のことを書かれている文を見つけると、異口同音に感動的な作品であり、日本で封切られた貴重なペルー映画であると知り、今になって、あれから遙かに年月を過ごしてきた今になって、この映画をまた見てみたいなぁと、そう思うようになってきました。機会があれば、いつかは見たいと思ってます。
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ようこそ!! (anupam)
2006-01-28 23:14:47
じゅりんたさん、初めまして~~

こんなマイナーな記事によくぞコメントしてくださいました!



これはね~「お母さんといっしょ」はつらい・・



私は女なので「お母さんといっしょ」でも、まあ・・って感じですが、息子様の場合はね・・



当時は映画の内容を伝える媒体が新聞か雑誌しかなくて、なかなか本当の中身がわかりにくかったですからね。いきなり濃厚なからみ・・じゃね~お察ししますわ。



また遊びに来てくださいね!
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もう一度みたい。 (vachs)
2006-02-11 13:57:25
団塊の世代です。



「みどりの壁」は、1970年の万博映画祭で見ました。

当時、アルマンド・ロブレス=ゴドイ監督に上映後、万雷の拍手拍手鳴り止まずだった記憶があります。



映画のすばらしさを教えてくれた1本。

何十年ともう一度見たい映画です。

取り上げていただいていて嬉しい限りです。

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ようこそ!!いらっしゃいまほ! (anupam)
2006-02-11 22:07:58
vachsさん、初めまして!

この作品が万博で上映されたなんて知りませんでした。でもあのベッド・シーンとか問題なかったんでしょうかね~~



本当にこの映画は映像も素晴らしく、なぜDVD化されないのか、残念でたまりませんよね。



また遊びにいらしてくださいね!
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Unknown (じゅん)
2023-09-02 22:38:49
50年くらい前に見ました。
ジェーンエアと2本立てでしたが画面いっぱいに美しい緑!
子供の大きな目!
圧倒される映画で今でも一番見たい映画です。
後のジェーンエアはすっかり色褪せて見え、確かほとんど寝ていました。
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