3ｍｍの痛さ

踵にとげが刺さりました。
なんてことのない小さなとげなんですが、場所が悪いんです。
踵のとげを取るのに、普通ではしない体勢をとらないといけません。
変に肉付きがいいので、体をひねると、息ができないんです。
踵を見ることはできるんですが、手が届かないんです。
しかし、じんわりした痛さに、手をこまねいているわけにはいかないんです。

仕方なしに、裁縫道具を持ってきて、待ち針で踵の皮を破って、出てきたとげの頭を毛抜きで抜き取るんですが、これがまた、深くに入り込んでいて、なかなか出てこないんです。
イライラした私は、思いっきり待ち針で踵の皮を破りました。
すると、3㎜ほどのとげが出てきて、毛抜きではさんで取り出します。
「ああ、痛かった。」と、涙まではできませんが、もうささくれだった場所にはいかない。と、心に決めました。

たった3ｍｍがこんなに痛いとは思ってもいませんでした。
踵は歩くのに、やっぱり必要であることに気が付きます。

久々のとげに、大騒ぎする私です。
父は、大きな虫眼鏡を渡してくれるんですが、変な体勢で、待ち針を持ちながら、虫眼鏡で拡大してみることもできず、ありがた迷惑なことになりました。
しかし、本当は心の中では、「気が利くなぁ。」と、思うのです。
出来れば虫眼鏡より、ささくれだった床を治して欲しい。と、思うけど、そんなことは口が裂けてもいけないのです。
たった3ｍｍで大騒ぎするのは、ちょっと恥ずかしいことかもしれません。