むさぼる

夜中、何気に目を覚まし、眠れなくなりました。
「そうだ。この間テレビでやっていた瞑想とやらをやってみよう。」と、呼吸に集中し、無の境地を堪能しようとしたんです。
しかし、無理でした。
私は、煩悩の塊で無の境地には至らないのです。
そんなことを夜中にやっていると、余計に目が冴えて、眠れなくなります。

その分、昼、とろとろと眠くなります。
ついに、お昼ご飯を食べてお腹がくちくなったら、夢の中にいざなわれます。
夜中、目を覚ましていたので、急激に夢の中に引き込まれていきます。
こういうのを、睡眠をむさぼる。と言うのでしょう。
寝ているのに、さらに深みにはまっていくような感覚に、至福なんです。
今日は、心なしか肌寒くて、コタツの暖かさが身に染みます。

なのに、来客が。
玄関のドアホンが鳴り響いて、目が覚めました。
「あと10分。」と、思うのです。
ああ、無情。と言うのはこういうことを言うのです。
愛犬の吠えまくる声が耳をつんざき、しょぼしょぼの目を開きます。
「たぶん、今夜はぐっすり眠れるような。」と、思いながら、コタツから出ることになりました。
でも、今でも、じっとしていたら、瞼が自然とくっついて、いつでも眠れそうなくらいなんです。
今日は、早く夜にならないかなぁ。と、思いながら過ごすことになります。