荒川さん

台所へ行くと、母が食事の支度をしていました。
のどが、渇いたので、コップを取り出し水を注いでいると、母が真剣な顔で「荒川さんが・・・。」と、何か切なそうな顔をしているので、「死んだん？」と、言うと、大声で笑って、「ガンなんだって。」と、言います。
私は、てっきり、荒川さんが死んだのかも。と、早合点してしまいました。

よく聞くと、肺に血が溜まって、あまりの苦しさに、お正月に救急車で運ばれたらしいのです。
荒川さんには、２人の息子さんがいて、「なぜ、母親の病に気づかなかったのだろう。」と、頭をひねりました。
まあ。他人事なので、深くは考えなかったのですが、毎週のように病院に通っていたそうです。
でも、病院で「ガン」は、見つけることが出来ずにいたそうです。

私の周りで、「ガン」が、流行っています。
本当に、怖い病気です。

私も「ガン」にならないように、定期的に検診を受けようと、思い始めています。
荒川さんは、今も入院中で、音沙汰がありません。
きっと、元気に戻ってくるはずだと思います。

ちなみに、荒川さんは、ご近所さんで、いつも挨拶をする仲なのです。
強面の口の立つおばさんで、家の前を通るとき、玄関先に出てこないのを確認して、前を通っています。
まあ、嫌いではないのですが、すきでもありません。
そんな人です。