悲しい愛犬の声

いつもは、感じていないけど、今日両親が買い物に行くのに玄関を出たところ、愛犬が心から悲しい声で、両親を呼んでいることに気がついた。
いつまでも、いつまでも玄関に向かって「キャン。キャン。ヒン。ヒン。・・・」と。
愛犬は、どちらかと言うと、両親より、私になついていると思っていた。
「本当は、逆だったのか。」と、思い知らされた。
悲しい声をずっと聞いていたら、私も悲しい気持ちになって、愛犬に声をかけても、ずっと、両親を呼んでいる。
以前、飼っていた犬も、両親が家に帰ってくるまで、ずっと玄関に座って帰りを待っていた。
その姿を眺めていると、こちらも悲しい気持ちになって、犬の後ろから、「もうすぐ帰ってくるよ。」と、声をかけてあげたくなった。

犬は、いつも待っている。
家族がきっちりそろうのを。
犬の幸せは、家族が全員、元気で笑っていることだと、思った。
誰が欠けてもいけないのだ。
始めて聞いた愛犬の悲しい声に、心が震えた。