Scarving 1979 : Always Look on the Bright Side of Life

1979年生な視点でちょっと明るく世の中を見てみようかと思います。

革新と模倣、そして確信

2004年11月07日 23時59分59秒 | 1分間スピーチ
今日は、革新と模倣、そして確信でした。

午後はいつもの通り、
3人のお友達さんと遊んでいたわけです。

それから少し遡ること午前中、
朝からスター・ウォーズ トリロジー DVD-BOXに入っている、
特典映像ディスクを観賞しました。

そんなスターウォーズのメイキングを見る中で、
勝手にふたつのことを思いました。

まずひとつ目は、
私達の世代で革新を起こせる天才がいるのかな、
ということ。

仮に世代を10年単位で切ってしまうのなら、
私達よりみっつ上の世代は、辛うじてオリジナリティを少し持ってましたけど、
私達よりふたつ上の世代は、もう模倣を始めていて、
現在主流の、私達よりひとつ上の世代は、その上の世代の模倣で育ったため、
模倣の模倣によるチープさを楽しむ、みたいな、
そういう革新性とは程遠いところにきてしまっている気がするんです。

もしくは、それまでに大きな枠はやりつくされていて革新が起こせないからと、
より緻密にすることを楽しむっていう縮小再生産のような。。。

オリジナルを知らず、模倣と、
模倣の模倣、そして緻密で育った私達の世代が主流になったとき、
果たして革新と呼べるようなオリジナリティを出せるのかな、
っていうところが、とっても気にかかったんです。

模倣の模倣の模倣は、もはや見るに耐えませんし、
緻密さを突き詰めると、誰もが楽しめる作品になれません。

確かに、先人達に美味しいところは食べ尽くされていて、
食べる部分がもう見つからない気はするんです。

たとえ見つかったとしても、
戦後、肉好きな米国軍が食べない牛タンを食べてみよう、
と、仙台に牛タンが広がったように、
あくまで牛という食物の一部を注目しただけのことで、
全く新たな食物を探せない気がするんです。

あるとしても、過去になかった合成品で、
既存の食品を模倣するか。。。

まだ新しいものは残っているのか、
そして、新しいものを探そうとする、
革新性のある者はいるのか。

そして私は。。。

そんなことを、DVDを観つつ、
深く考えてしまいました。

…と言いつつも、スターウォーズは、
制作方法や技術、そして舞台設定については、
革新的だとは思うんです。

ハリウッドの仕組みを変えたくらいに。

でも実は、物語的には革新的でもなく、
昔の冒険活劇の要素をあちらこちらから拝借していて、
革新性はなく、ツギハギ的な作品であって、
だからこそ、誰にでも楽しめる作品になったと思うんです。

英雄が活躍する話だとか、愛だなんだ語り合う話だとか、
きっと西暦の前から語られてきた、
人間にとって普遍的なお話だと思うんです。

そこをどう上手く組み合わせるか、
他人の様々な視点をどう取り入れて、自分のものとするか。

その調合を上手く出来る人が、天才、と呼ばれる気がします。

地動説や進化論みたいな、飛び抜けた発想以外は、
みんな、なにかを足掛かりにした組み合わせな気がします。

その足掛かりを使い、出来ると信じて突き進む意思があるかないか、
その情熱も才能の一部だとは思いますけどね。

そういう意味では今後も、たとえ模倣と思われようとも、
昔のものを今の感覚という糸を使って、
ツギハギをするしかないのかもしれません。

ただ、これから先、新しいものをつくりたければ、
10年後に観ても名作ではなく、
10年前に観ても名作と思えるか、
そこが重要になってくる気がします。

デジタルの行き着くところは、
アナログの模倣であって、
時代を超えようとするのではなく、
時代とは別次元のところにいく、っていう。

正直、ひとつ上の世代の人達って、
あまりに、今、を重視し過ぎて、
その視点が少ない気がするんです。

ふむ。。。

私達世代に、そこを意識できる人材がいるか否か、
チョット楽しみなお話ではあります。

小手先の技術にこだわるのではなく、
大枠としての世界にこだわれるかどうか。

そんな視点でも、
今後、色々な作品を観ていきたいですね。

さて、ふたつ目は、
自分の人生を確信するような作品と出会ったことがあるか、
ということ。

ジェームス・キャメロンは、スター・ウォーズを観て、
トラックの運転手から映画監督になることを決めたとのことですし、
ピーター・ジャクソンは、スター・ウォーズを観て、
運動の苦手なSF好きでいいんだと開き直ったらしいんです。

確かに、スペースオペラというジャンル自体が確立していない時代、
スター・ウォーズを観せられたら、人生変わっちゃうかもしれませんね。

でも、スター・ウォーズ以外でも、
何人か、いや何十人かにひとりくらいな割合で、
きっと、そういう人生に確信を持たらすような作品を、
持っている人がいると思うんです。

とりあえず、私は持っています。

物心がついてから、中1まで、
17時門限、18~20時50分まで両親とテレビ、20時50分にお風呂、21時には就寝、
という規則正しい生活を送っていた私なので、
夜のテレビって、ずっと観たことがなかったんです。

そんな中、小3か小4か、
土曜の22時になろうかという頃、たまたまトイレに起きたとき、
両親が『スタンド・バイ・ミー』を観ていたのです。

ちょうど、デブがパイ食い大会で復讐するシーンで、
私はその面白さに足をとめてしまい、物語が語る友情にも感動し、
それ以前もそれ以降も一度もないのですが、なぜか両親も許してくれ、
ハラハラ、ドキドキ、ワクワクしながら、最後まで観続けてしまったのです。

生まれて初めて意識して夜更かしをした夜、
私は、ひとつのことを確信したんです。

私はいつか、そこにいくんだって。
こういう冒険心を与える側になるんだって。

そう強く思ったんです。

あの時の気持ち、私はまだ忘れていやしない。

忘れてなんか、いやしない。