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イタリアより

滞在日記

ラヴェッロでの出来事

2013年12月22日 | ナポリ

ラヴェッロ・ドォーモ広場


2013年12月21日、今日はアマルフィからバスで30分ほど、標高350メートルの切り立った断崖の上にある町、ラヴェッロへ出かけました。昨日と同様、怖いくらいの晴天です。

ホテル前にあるバスターミナルからバスに乗りましたが車内は満員。アマルフィはもう季節に関係なく観光客がやってくるのですね。


ヴィッラ・ルーフォロ入り口

矢印が切符売り場・2013年12月現在入場料は5ユーロ


ラヴェッロは、アマルフィ海岸を望む景観の美しさと町の静寂さから、かつて芸術家たちが好んで創作活動や保養のために訪れていたそうですが、こうして実際に現地に立てばその理由も成る程と頷けます。


ワーグナーが滞在したというルーフォラ荘の建物内


ラヴェッロのバス停で降りたあと、帰りのバスの時刻を確かめると1時間半後に便があることが分かったので、小さな場所だしそのくらいの時間があれば町の散策には十分だと思いました。同じバスに乗って来た他の乗客も見知らぬ同士ながら互いに時刻を確かめ合ってそれぞれ町の中に消えていきました。


ルーフォロの展望庭園からアマルフィ海岸を望む


私はまずドォーモにと思いましたが、残念ながら閉まっていて、その横にあるルーフォロ荘に入りました。高台から見下ろす海岸はもう絶景。季節になればこの庭園に様々な花が咲き乱れて見応えがあるのだそうですが、春が来れば今植えられているパンジーもさぞかしと見とれていました。


チンブローネ荘の展望台


昔の貴族が残した館と繁栄していた時代を偲びながら、次の見どころ、チンブローネ荘に行こうと、持参した観光案内を読むと、どきっ。なんとその道のりは遠いと書いてあるではありませんか。ラヴェッロは小さい町で短時間に簡単に見て回れるものだと思っていたので少々焦りました。

実はバスの時刻表はよく分からない表記があってちょっと心配だったのです。こんな片田舎に取り残されると交通の便はバスしかないので身動きが取れません。どうしようかと思案しましたが、ここまで来て諦めるなんてなぁ…もう二度と来ることはないだろうに…通りがかった住民らしき人に聞くと、チンブローネ荘まで歩いて15分だといいます。それも坂道や階段を上ったり下ったりするそうで…


こんな石畳の道を走り、駆け上がり~ハアハアゼーセー


それでも15分ならと即刻決断してチンブローネ荘に向かいました。お天気もいいし、ほんとならゆっくり散策すべき場所なのでしょうが、いかんせん、動くのが遅すぎた。もっと早起きをして午前中に訪ねないと…と懲りぬ反省もしながら^^;。


確かに来たぞーチンブローネ~☆


ここから見る景観も絶景です。空と海がつながっているみたいと独りごちながら眺めていましたが、気がつけばバスの発車時刻までもう20分を切っています。たった一枚の記念写真を撮って来た道を猛ダッシュ。7ユーロも払った入場券売り場のお姉さんが、滞在時間の短さにあきれ顔で見送っていましたが、こうまでしたのだから何としてもバスの時刻に間に合わせないとと私はもう必死でした。ところが…



皆で頭をつきあわせ…ない知恵を絞る


バスの発車時刻、5分前にバス停に着いたのに、バスは待っているどころか人影もなかったのです。まさか、時間を間違った?まだバスは来ていない?イタリアだもんなぁと自問自答していると、二組のカップルがやってきて、私にバスの時刻を聞いてきました。私は時刻表を指さしながら「14時発だと思いますが…」と答えると、それぞれそうだよね、と頷いています。でもね…バスがいないのよ…とこれまた皆で同調する…^^;


タクシーの運転手だという男性がやって来て…

「バスはもう行っちまったぜ」

「タクシーに乗らんかね~」


う~ん…見ればタクシーとはいえ、ワゴンタイプの車で、どうも私たちみたいにバスに乗り遅れた観光客を相手にしている風。しきりに乗ることを勧めて来ます。

実はこのバスの時刻表のややこしさは、アルファベットで表記されたバス運行の印にあります。Fは仕事のある日。Hは祭りの日、Gは毎日運行、Sは学校のある日、Nは学校のない日、唯一数字6は土曜日だという意味のようなのですが、今日は土曜日なのにその印の付いた時間がないのでした。

私を含めた5人があーでもない、こうでもないと、片言の英語とイタリア語で話しあいましたが、確たる答えは出ません。そのうち、件の男性が再びやってきて、一人5ユーロにするからと料金を提示してきました。私はもう面倒になってきて、「PrendIamo」(乗りましょう)と言ったのですが、女性たちは賛成したものの、男性は承伏出来ない様子でまだ時刻表を眺めています。

そうこうしていると、地元の人が通りがかり、私たちに次のバスは15時半だよと教えてくれたのです。時刻表にはない時刻…にわかには信じがたくて私たちはほんとかしらんと一様に同じ顔をしていたと思います。

やがて、一台のバスがやって来たので乗れると意気込みましたが、そのバスはアマルフィに行くバスではありませんでした。それでも男性陣がバスの運転手に正しい時間を聞き、やっと地元の人が言った時間で間違いないと胸をなで下ろしたのでした。


親切にあれこれ教えてくれた地元のアンドレアさんと


このあと、私も誘ってもらって近くのバールで時間をつぶしましたが、あとでよく考えてみると、このバスは、バス停に居る人を乗せるとすぐに出てしまうのではないか、発車時間まで待つことなく…と言う気がしてきました。だって私は5分前にバス停に着いたのは間違いないのだから。15時半前にやっと来たバスも、私たち5人を乗せたら何の躊躇もなくいきなり発車してしまいました。もしかしたら、又取り残された人が居たかもな。


アマルフィ海岸を回るSITA社のバス

わたしたちを無事にアマルフィへ戻してくれました

あたり前っか^^;


バスを待っている間に、私たちにいろいろと教えてくれたアンドレアさん、私は、半分くらいしか分からなかったけれど、ラヴェッロをどんなに愛しておられるかはよく分かりました。どうぞいつまでもお元気で。

同じ“境遇”でひとときをご一緒した皆さん、私一人ではどんなに不安だったことか。きっと2~3ユーロの道のり(皆バスの一日乗り放題券をもっています)を25ユーロ払ってタクシーに乗ったに違いありせん。お世話になりました。

アマルフィ海岸を走るバスの時刻に不安を覚えたら、バスの係の人に必ず聞いて下さい。詳しいバス会社の人がアマルフィのバスターミナルに居ます。広場の真ん中あたりに黒い斜めがけのカバンを下げた人です。あるいは、バスターミナルの真ん前のカフエがバスの切符を売っていますが、その売り場の人も聞けば発車時刻を教えてくれます。ちなみに明日日曜日は「H」(アッカ)の時間で間違いないと答えてくれました。これだけで安心できるのですよね。

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2 コメント

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わー冒険!! (sachi)
2013-12-22 22:45:57

ラヴェッロという地名は初めて聞きました。
怖いくらいのお天気の中、ワーグナーが愛した建物を
歩き、情緒に浸り・・・


・・・・

そこからが、さすが?アルママさん、冒険でしたね。

同じ境遇の中、言葉は完全に通じなくても なーんか
心強いですね。
ましては女性1人旅ですもの・・

そんなときでも、助けてくれたイケおじいさまとツーショット
撮っちゃって・・・どゆこと?!(笑)

前回のお話ですが、バス酔いは私は今まではしたことは
ありませんが、ヨーロッパのバスの運転には、手に汗を
握るのです。荒っぽい方いますよね~〰
私が酔うのは、ワインだけ・・なんちゃって(笑)
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sachiさんへ (アルママ)
2013-12-23 07:56:35
こんばんは。日本はおはようございますですね。クリスマスが近くなりましたが、sachiさん、イケメン侍らせていませんか。

ほとんにラヴェッロはどうなるかと思いましたが、お仲間がいてよかったです。バスはいつも不安材料で、来る時間が分からなければ待つのも辛いですよね。sachiさんはそんなことないですか。アンドレアさん、そそっ写真を撮っておけばいつまでも忘れることはないですもんね。言葉よりも写真は強いいといつも思うのですよ。

きゃっ~酔うのはワインだけだなんて、なんておされー。今日もサレルノ路線、酔いそうでした。sachiさん言われる通り、こちらの運転手さん、猛スピードで走りますわ。



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